純白の血 1 (1)
説明
朝日ソノラマ
篠原 烏童
レビュー
そもそも篠原烏童氏には多大な影響を受けた。
初期作品の『純白の血』が描かれたのはもう
20年以上も昔のことだと思うが、当時まだ
「地球環境問題」に関する世間の認知は低く、
世はまだバブル景気の余韻の中で、利己主義
だけが横行している時代だった……と思うが。
その中で、人類の暴挙と地球環境への関心を
明確なメッセージとして打ち出しながらかつ、
「まだ問題意識のまったくない人も楽しんで
読みはじめて、読んだ後には何らかの印象が
残る、かつ、商業ベースに乗りうる娯楽作品」
として、「少女漫画(?)」を描いたのは、
竹宮・萩尾の両大御所を除けば、篠原烏童氏
が、先駆的な存在だったのではないだろうか?
とにかく、世間より一足早く「環境保護」に
目覚めた私が、孤独をかこちながらも自信を
もって、ライフスタイルと、「ライフワーク」
スタイルを転換することができた(?)のは、
ひとえに彼女の存在のおかげと言っても良い。
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作成日時 2006年12月24日 00:20
満足度 ☆☆☆☆☆
カテゴリ 和書
ファサード (12)
説明 2005
新書館
篠原 烏童
レビュー
………で、
なんで今、
環境問題で、
篠原烏童か、
と言うなら、こちらの作品が「旬」だからである。
問答無用で、何カ所か引用させて頂く。
☆12巻冒頭・ヒロインの言葉
「わが国は現在、いかなる軍隊軍備も保有しておりませんし、他国に対し敵対行為を行うことはわが国法で禁じられております。……私たちにできるのは、国民の意思であるわが国法を遵守し、国内外問わず少しでも互いをわかりあうべく、話し合い手をとりあうべく、努力することだけです」
☆13巻・主人公の独白
「こんな構図を数えきれない程、見てきた気がする。自らの力を過信し、力で他者を圧迫しようとする人々。裏にうごめく軍事産業、ただ自らの体制を守ろうとする権力者たち。
自らの信ずるもののため、善意の名のもと他者の信ずるものを貶めようとする驕慢。保身のために他者におもねり安全を買おうとするもの。……物欲、名誉欲、権力欲…… 」
☆13巻・ヒロイン
「武力をもって行う制裁に、わが国は容認も参加もできません。私たちは“決して戦わない”という闘いを選んだのです。
……簡単などではありません。しかし簡単でないからと一蹴してよい理念でもありません」
☆14巻・ヒロインの最後の言葉
「“おまえを愛しているから戦う”なんて言葉は嬉しくはありません。すべてを守るために、闘わない努力をする。……そう言ってくれる……
あなたを、愛しています。」
……ね? 買いたくなって来たでしょ……?
o(^−^)o o(^−^)o o(^−^)o
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
非常に悔しいことに、
この作品のこのセリフ群のせいで(?)、
彼女と彼女の属する出版社の作品群は、
某「地球教徒(仮)」系列の書店から、
締め出しを喰ってしまっているように、
思えるのです…… (T_T)(>_