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Chariots of Fire Hammered Dulcimer




 ナシルの谷 史略:概要 概説

 今日リステラス星圏として知られる機構のもとい(基)となったのは大別して2系統の文明である。地球系植民惑星連邦…テラズまたはテラザニア…と、リスタルラーナ星間連盟として、それらは互いのファースト・コンタクト(第一遭遇)の相手となり、様々な曲折を経て統合され、ほぼ現在に等しい領域とシステム(機構)をもって汎銀河協約に加盟した。

 星間連盟リスタルラーナ、その首都にして人類発祥の地でもあった惑星リスタルラーナの、名称の語源は、リ・イス・スタル・アールラーナ、我らが美わしの天地よ、という、祈りまたは呼びかけの冒頭の詩句である。

 この詩句は現在は史録に残るばかりで一般の人心からは失われているが、リスタルラーナ前・近代の混沌期においては、世情の安定を求める人々のあいだで広く愛唱された歌謡であったという。

 曲節に関しては残念ながら記録が残されていないが、作ったのは詩曲ともに上代中期の人、ハッシュ(貴)・ヴェーラ家のアランノ・アールであったとされている。

 さて、天変地異による混乱の前期を経て、近代にはいり政治的に統一されると共にスタル・アルラーナと呼ばれることになるこの惑星は、その以前、上代においては、それぞれ起源を異にすると思われる三種族の人類と、さらに数多い文化圏とで成り立っていた。

 地理的には2つに区分される。巨大な淡水湖である多島大海…ラクシャ・インストラ…と、それをとりまく形で惑星の過半を占める大陸ウァ・エムバである。大陸は、両極周辺に3,000アクラ級の山岳部を有する他は、おおむね起伏にとぼしく、気候も温順で、豊かな沃野が広がっていた。

 この物語は、ウァ・エムバを舞台として語られる。

 彼の地で、4人の学生が自分達の生き方を模索して始めたささやかな試みが、ひとつの潮流となり、いつしか惑星文明の根底をなす思想として世界を、歴史を、動かすに至った。

 その、始まりと過程の史略である。


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 ウァ・エムバ最古の




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