惑星リスタルラーナ史略概論

               1990.11.20.


 惑星リスタルラーナは、銀河系第三腕、外縁部よりに位置する、  型恒星ラーヤ(リ・ラーヤ)の第七惑星。リステラス系人類の居住惑星として典型的な大気と気象条件を持ち、やや大型だが自転が早く、低緯度地帯における引力はリステラス版図全体の平均値よりやや低め。大気層が厚く、恒星からの紫外線が地表の生物相に影響することはない。

 リステラス文明の一方の源であるリスタルラーナ文明発祥の地であり、永く星間連盟リスタルラーナの首都としての機能を果たし、地球圏文明との統合により政府が移された後は、記念公園として人類居住以前の自然状態に戻され、学園惑星として統合芸術大学アール・ニィの管理下におかれた。



1.先史文明

 現存するリステラス系人類の居住以前に、複数のユヴァニサ(人類)及び生物相による、精神重視型文明の興亡史の存在した事が確認されているが、史跡の殆ど残らない文明型である為、詳細は明らかでない。

 最終段階まで生き残った極少数の精神能力型人類のうち、数例が、後着移民である現存リステラス人類との混血を果たしたとの史録が残っているが、これもまた真偽を確認する手段は失われている。

 古伝によれば彼らは世捨て人として両極付近の高緯度・高重力地帯に原始的な手段で居住し、ために民族の滅亡から免れえた生き残りであったという。

 リステラス系移民史最初期のうちに、彼らのコロニーはすべて自然消滅をとげた。



2.移民船…みおや(母霊)の贈り物…

 リステラス星圏として機構的に統合されるはるか以前から、テラズ及びリスタルラーナ両人類は同根もしくは一方が一方の祖先であろうと推定されていたが、今日では、テラズの首都・地球と同恒星系内のいずれかの星に高度な先史文明が存在していたらしいとの説が一般的に承認されている。

 後世、フェア・リスト・ティ・イ=ラーヤ…母霊(女神)の贈り物…として伝承に語られた星船の存在は、リステラス内外の先史移民種に共通のものである。

 星船フェアリスティラーヤ内部には二種の人類が同船していた。単性種イシールと、双性のナール(男・クナール、女=イナール)である。航宙管理は華奢で色素の薄いイシールによって行なわれ、移民後の開拓要員である丈夫なナールとは居住区が分けられていた。

 彼らが後にラーヤ(母)と名付ける恒星系に流浪のすえ到着した際、なんらかの故障により母船の軟着陸が不可能事となり、大部分が非常用カプセルでの無計画な降下を余儀なくされた。この時の退避は船内の居住区別に行なわれたと思われ、後に地表上、ラクシャ・インストラ…多島大海…での文化圏形成に大きな影響を与えている。

 最後に星船自体はウァ・エムバ…大陸…中央部に落下。大破して地中に埋まった。



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