「惑星の夜明け」 (没原稿・ D-2.)。
2017年1月6日 リステラス星圏史略 (創作) コメント (1)(ファイル1冊終了!)
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http://p.booklog.jp/book/112387/read
リステラス星圏史略
古資料ファイル 7-1
「惑星の夜明け」(最終稿+没原稿)
手こずりました…おやすみなさ~い…☆
https://www.youtube.com/watch?v=AbaNGU1CrXI
Victory - Andre Rieu & BOND
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リステラス星圏史略
古資料ファイル 7-1
「惑星の夜明け」(最終稿+没原稿)
手こずりました…おやすみなさ~い…☆
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Victory - Andre Rieu & BOND
サキはいつだって下町でのしごと(任務)が好きだった。
「 …こりゃあブラスター(熱線銃)の傷じゃないですか」
部屋に連れかえって手早く止血しながら、ティルニーが驚いて言った。
「 あれ、…判るの?」
「この辺はスラム(暗黒街)にも近いですからね。考えてみりゃお客さんみたいに金持ってそうなお嬢さんが、一人で出歩いていい場所じゃないんだ」
気づかず、止めなかった自分に、半ば腹を立てている口ぶり。
「こりゃ、おれなんかの応急手当くらいじゃ駄目ですよ。直ぐ医者を呼んで来ますから。お客さん」
「サキ、でいいよったら… 医者なんかいらない。」
どさっ。
ベッドの上に上体も倒すと、蒼白な顔のまま彼女は眼を閉じた。
「なにか痛み止めを。…まともに治したらいったら塞がるまで一週間はかかっちまう傷だからね。急ぐんだ。これっくらい、自分で治してみせる。」
「そんな事いったって出血がひどかっ…」
「もう止まったもの」
サキの腕の周囲に渦まきだした何かのエネルギー、 "場" のようなもの、を感じとってティルニーは仕方なく納得した。
これは卵を "跳ばし" たりするのと同じ種類の能力なのだ。
翌朝、薬と食事を持って訪ねてみると彼女はもう起き上がって出掛ける仕度をしていた。
「…サキ。」
「 あ、有難う。」
未だ包帯をしたままの腕には動かすたびにかなりの苦痛が走るようだったが、肌にはすっかり暖かい色合いが戻っている。
平静な顔。
「大丈夫なんですか?」
「何が」
「起きたりして」
「うん。実はあんまり」
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