「星の夜明け」 (没原稿・ B-3.)
2017年1月6日 リステラス星圏史略 (創作)
https://www.youtube.com/watch?v=G5ZT1daKZSo
Star Trek Mega Suite 2: These Are The Voyages
Star Trek Mega Suite 2: These Are The Voyages
サキは腰かけていた。
浅く腰をかけ、形よく…ちょっと行儀は悪く…グレーのズボンの脚を高々と組んで、その膝の上に無雑作に投影器。
一応ポータブルとはいえ、かなり大版のその多機能性は並の学生などの持つものではない。
その、多機能型ハンドメイド投影器に、彼女は先刻宙港で仕入れて来たばかりの速報カセットを放り込んであるのだった。
…世界(リスタルラーナ)の動き、平和。
どこぞの会議に結論が出たの、エネルギー節制法案の第何条に改正が加わったの、テラズ(地球連邦)からの全権大使が交替したの…そう、普通の暮らし向きをする人間から見れば、毎度なんの変わりばえもしない平凡なニュース・ソースの山としか見えはしない。
だが無論、サキの生活半径が "普通の" 人間の域におさまっているかといえば、そんな筈はなかった。
速報ダネになるような世界の全ての表舞台の、裏面の動きは明日からも即、彼女の仕事に関わってくるかもしれない話である。
同時にまたその日の3大ニュースには、主役として名前の載っているどのジャンルの人物とも、…ごく私的・個人的なつながりがある。
新任の地球連邦大使にはお祝いの花束をでも贈るとして、どこのチェーン(星間商業機構)に頼むと1番安くて速いかな…なんぞという問題もついでに平行して頭の片すみで計算してみながら、サキは次々とスイッチを進めて投影器の画面を切り換えていった。
ひとつことに集中してしまうと他の事にはなかなかに気の回らなくなる性分である。
おかげで、ようやく1段落ついて食事に手を伸ばした時には、せっかくの濃いめのティレイカも殆ど覚めてしまっていた。
こういう安い店のカップの保温性能の悪さを、コロッと忘れていたのである。
「 あ~あ。」
低くうなりながら飲みほし、新しいのを注文。
まだ 分けグセ のつききらない前髪が必要以上に顔に墜ちてくるのがひどく邪魔だった。
左眼さえ隠れればいいのである。左眼さえ。
うるさそうに横に払いのけると、すぐ脇で短い頓狂な声がした。
おかわりティレイカを持ってきた青年。
「…地球人… だったんですか?」
サキはうっすらと笑いを浮かべた。
「見えないだろ? そうは。」
だからこそ普段は故意に耳を隠しているのである。
ふぁさ、と彼女の顔の左半分を覆って流れるセミロングの灰色が首すじに当たった。
外見上、殆ど同じ生命体にさえ見える地球人、リスター、それに、つい最近…対・地球よりもさえ10年以上も遅れて存在を確認された、ジースト星間帝国人の、もっとも手っとり速い判別法は耳にあった。
無論、内臓器官など詳しく調べていけばそれ以外の相違点が結構ないわけではなかったのだが…
それでも骨格や眼や髪の色にまで3者共通のものの多い3人種にあって、やはり1番、
※やっぱリスタルラーナが地球がジーストが云々ての書くの反対!!
仮にも100pに納めようってのが初期目的なのに、
1たんこりだしたら、
書ききれるわけもない。
…でも、ティルニーとサキの間柄って、
ロマンス、ないのね。
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