(しまった。次項と逆に貼るべきだった…☆)
(と途中で気がついたので貼り直しました☆)
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http://bookstore.yahoo.co.jp/unlimited/shoshi-520341/
《P》シリーズ 1巻
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ちなみにこれが連載され始めた頃には既にうちの《ESP》シリーズの根っこは固まっていたので、暗くて救いのない展開の「P」シリーズは嫌いで(^^;)
途中までしか読んでません…☆

https://www.youtube.com/watch?v=gfXhmdjOqGI
Star Trek Mega Suite:
50th Anniversary Tribute to the Music of Star Trek
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(あれ?『スタトレ』と『ロック』は同い年…??)


とりあえず前項までこれにまとめました。
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http://p.booklog.jp/book/112387/read
リステラス星圏史略
古資料ファイル 7-1
「惑星の夜明け」(最終稿+没原稿)





 STAR-RISE 

 Dream of ... (仮題)

 星の夜明け。

      by 恒沙真谷人



 このところ奇妙な、考えられないような犯罪ばかりがあいついで起こる。

 新聞誌上世間を騒がしている。

 いわく、袋小路まで追いつめられた犯人が忽然として姿を消した。

 厚さ何mという金庫の扉が道具も使わずねじ開けられた。

 侵入者の形跡もないのに大宝石店から、金目の品ばかりがケースからある日なくなってしまった。

 …etc,. etc., …

 これらの記事を読むたびに、都市の雑踏や、人口の薄い農村、開拓途上の惑星バラックの中などに、目立たずひっそり溶け込んだ1部のある人たちは、誰にも云えぬ不安を胸に抱えてそうっと周囲を見まわすのだ。

 無論、彼ら自身はみなこの上もなく善良で、穏和しく、家禽餌用草食動物のように優しい、少しおびえたような瞳をして、毎日を1人静かに暮らしているのだったが…

 それでも世間が頻発犯罪の不可思議な手口について激論を交わし、首をひねるのを見る度に、なんの罪も落度もあるわけではないのに首をすくめて笑顔を誤魔化さなければならない。

 …彼達とは、つまりそういう不運な時代の人たちだった。






 act.1 朝まだき


 店の主人の態度に気づいたサキは1瞬思わず速報レコルダから目をあげた。

 他の場所、他の人たちの上に幾度も幾度も見覚えのある…あの表情。驚愕と、恐怖と、不信と。

 ぎくりぞくりとして冷たい記憶の感覚が身うちを走る。

 それから、間をおいて、その緊張が自分に向けられているわけではない、事に了解し、ほっと力を抜いてレコルダに注意を戻す素振り。

 されいげなく心は主人の視線を追う。

 彼の未知のものへの生理的嫌悪のサキには1人のうだつのあがらない青年がいた。

 貧しい風体からしてこの安宿も兼ねた食堂の下働きといったところなのだろう。

 かなり瘠せて腕も脚も骨ばってゴツゴツした感じなのが無器用そうだった。

 中背。陰気な顔つき。

 だけどそんな地道な使用人の何処が主人のあれ程の拒否反応に値するというのだろう?

 彼女はすぐに理解した。

 彼の右脇、すぐ上の棚のところから、こんな店にしてはかなりに上物そうな皿が1枚落ちかかっている。

 いや… 現に 落ちている のだ、時制的には。

 縁の1辺をいまだ未練がましく棚に触れさせたまま、奇妙に現実感のあるバランスを保って、高い皿は力学法則を頭から無視しきっていた。

 悠然と宙に浮いていた。

 青年は白ちゃけた顔をして動くに動けないでいる。

 意識せずにやってしまった事なのか、それともまさか店主に見つかるとは思っていなかったのだろう。

 高価な皿なのだ。

 事態を数瞬のうちに判読してしまうと、どうするべきなのかちょっと迷った。

 表情を読みとりにくい灰色の瞳がひょいと不機嫌にすがめられる。

 顔をしかめ、色の薄い舌が軽く唇をかすめ…

 不自然な均衡を破られて皿はハデな音をたてた。

 人気のない室内の、3人だけの間で、呪縛が解ける。

「 …マスター!」

 彼女は食べ終えたセット・メニューの盆を押しやりながら無雑作に立ち上がった。

「部屋、借りられるかい。いつまでかは判んないけど、とりあえず10日分払うよ。」

 商売人はこういう上客がいる時には立ち直りが早い。

「 じゃ、そこのあなた、案内してもらえないかな。」




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