「この船にカモフラージュ装置は?」 (『俺と好』 ぼつげん救済こおなあ)。
「この船にカモフラージュ装置は?」 (『俺と好』 ぼつげん救済こおなあ)。
「この船にカモフラージュ装置は?」 (『俺と好』 ぼつげん救済こおなあ)。
https://www.youtube.com/watch?v=lgLO1YtUejw
Tomomi Nishimoto - Khachaturian : Lezginka From the Ballet 「Gayane」





「この船にカモフラージュ装置は?」

「ございますョ。」

「用意してくれ。青を…いやスイッチはまだだ。」

 ゆかり姫が居間にある1番大型で丈夫な椅子をコクピットの2つのシートの中間後方に運び込んだ。

 バヌマさん座らせ。

 ユミちゃんが包帯の具合確認してる間に栗原が応急の工具持って来て椅子を固定する。

「 竹中。代われ。」

 手動に切り換えどんどん複雑怪奇になっていく計器盤の読み取りに、好があっさり先輩に席を明け渡した。

 そりゃ、もちろんこのまま好が続けたって素人にしちゃ人並み以上にできるのは良く解ってる…それでも、ひろと先輩と来たら初めての機械だろうと10分あれば10年来のベテランみたく使いこなしちまう1種の鬼才だし、好にしてみれば喧嘩する時にはその場で望み得る最高の布陣にしとくのが、まぁ、主義といおうか、本能になっちまってる。

「通信器の用意をしてくれ。」

 バヌマ老人が、歳と、腹の傷。それに相当深い係累があったらしい彼女の死のダメージ(打撃)がある筈だとはとても思えない様子で厳しく命令した。

「 はいよ。周波数(チャンネル)は?」

「 ゼロ。5.5.0.56.97.3.3.」

 暗唱するように深い声で云うのを先輩の指先が適確に追って行く。

 こういう時だけ、反射神経も運動能力も人に数倍してしまう。

「 指向性を off-limit へ。そのまま今のパターンを人工頭脳に覚え込ませろ。3.33秒間隔でSOS(救難信号)をそれに載せて発信。出力最大。」

「…………OK。」

 コンソールパネルの1角で、定期的なTV通信波の発信を示す輝線が明滅しはじめた。

「回路固定。非常用音声通信器スタンバイ。」

 今や間違いようもなく、少し嗄(しわが)れる老人の声は、かつては1団を率いる長だったのだろう事実を証明していた。

 海面すれすれを飛行する MISS-SHOT は陸に近づくにつれますますその揺れをひどくする。

 その動きの中で、

「 巧い手だ。」

 悠然と腕を組んでコクピットと今の境につっ立ったまま、何を考えたのかそう呟いて、好は口の片はしを笑いっぽく吊り上げ、余裕たっぷりに目を光らせていた。

 バヌマさんの指揮ぶりを傍観。

「 アンテナを垂直上方に向けろ。」

 非常用の一般周波帯域から殆ど受信能力外に近いゾーンまで数波おとして、切り換えスイッチを "受" にして、待つこと、数秒。

 唐突に何か不安定なメロディラインが流れ込んできた。

 不安定な…

 作曲された音楽というよりは、2種類の楽器がめいめい勝手な和弦(コード)を好きなようにかき鳴らし、それが偶然重なりあって…て感じの旋律だ。

 拍子も変に1定していて単調だし、そりゃ時折り効果的な不協が混ざったりして和音のきれいさは確かにあるけれど、うーん何処かの民族音楽かなにかなんだろうか…。

 ロックバンド組んだりしてる好にしてみれば、俺以上にこの "音" の奇妙なところは敏感に嗅ぎわけたようだった。

 ひとしきり流れていたかと思うとリフレインも何もなしにまた唐突に終る。

「 マイクを。」

 凝っと目を閉じて聴きいっていた老人が短かく云い、ひろと先輩、片手で取って手渡しながら "送" の側へ切り換えを押し倒した。

「…翻訳器がない。指向性を最小限に絞って送る。」

 スイッチ "受" 。無言。

「こちら運び屋 "火喰い竜のヤニ" の持ち船 MISS-SHOT 号。既にそちらの探知網には引っかかっている事と思う。

 援助乞う。28号ポイント








悠宙舞さん自動推奨。
 ↓
https://www.youtube.com/watch?v=FHFf7NIwOHQ
Strauss - Radetzky March - Karajan

…動画、残ってたんだ~♪ ☆


コメント

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2016年12月22日20:12

>「 竹中。代われ。」
>手動に切り換えどんどん複雑怪奇になっていく計器盤の読み取りに、好があっさり先輩に席を明け渡した。
>そりゃ、もちろんこのまま好が続けたって素人にしちゃ人並み以上にできるのは良く解ってる…それでも、ひろと先輩と来たら初めての機械だろうと10分あれば10年来のベテランみたく使いこなしちまう1種の鬼才だし、好にしてみれば喧嘩する時にはその場で望み得る最高の布陣にしとくのが、まぁ、主義といおうか、本能になっちまってる。


いや(^^;)これいま読み返したら、

「必要性は理解しているから指揮権は一時的に委譲するが、
 かといって自分がソイツの指示を受けて動く気はねェ。」

…みたいな感情的?理由じゃ…??

w(^へ^;)w …好だし!★

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2016年12月22日20:13

…このあと…

P.350~
P.389まで、

まとめて没!

とか…w(^■^;)w…★

スゴイことやってるので、明日以降の作業にしますぅ…★★

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2016年12月22日20:16

…あ、ていうか、その前?の、

P.352~
P.363の没。と、

P.352~
P.387の没。も、


ありました…★w(--;)w★

(全部、「手書き」!!)

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2016年12月22日20:49

明日が大変になりすぎるのも何なので、も少しやっとく…☆

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