https://www.youtube.com/watch?v=jxPsrS-IuAk
【東方アレンジ】 【凋叶棕】 始まってしまった物語



『俺と好』 1

第3章・俺たちは無鉄砲のかたまり


          遠野真谷人



1.俺たちは無鉄砲のかたまり。


 前方約1m、赤っ毛を高々と結いあげたグラマーな美女の後ろ姿。

 うぅ、色っぽー!

「オイ磯原。」

 ゆるんだ顔のひろと先輩にひじで突つかれる。

 思わずニッと笑いあったりなんかして。

 男にとっちゃこれ、ちょいと最高な眺めなんですなァ、実に。



 一旦パーキングエリアに戻って全員のクォク引き出し、ヤニさんの指示に従って彼女の持ち船の格納庫に移動させる。

 その船ごと、大気圏突入用の、もの凄まじく巨大なフェリー船に積み込ませ。

 搭乗手続きにヤニさんの書き込んだ書類を見せてもらったら、なんと俺たちは『宇宙で散った両親の遺品を母なる大地へ返しに行く』健気な青少年御一行さまで、何でも運んじゃう惑星間自由貿易人 "火喰い竜のヤニ" の、『積み荷その一。』なんだそうな。

 思わずのけぞって笑ってしまった。

 その他にちゃんと銘々の偽パスポートを見せ、料金払って切符を買う。一等席ね。

「うわォ、俺いちど船旅ってやってみたかったんだ♪」

 広いホールにかけ出してしまう。

「お、どっちかってと宇宙船タビてんだろ、これ。」

「いーっていーって。細かいことには拘らない。」

「わお♪ テレビゲームがあるっ!」

 栗原、小銭ひとつかみ貰ってゲームコーナーへすっ飛んで行き、ひろと先輩はと云えば切符と一緒に渡されたパンフだけでは満足できないと見えて、そこら歩ってるボーイ捕まえて根掘り葉掘りこのフェリーの構造を質問し始めた。

 て、言ってもなにせ未来?文明である。

 ひろと先輩でさえ知らない専門用語がポンポン出て来て、日ごろイジケさせられている俺としては快感なぞ覚えてしまう。

 でもって先輩がまた解んない言葉を全部説明させようとムキになったりするのだ。うっくっく。

 相手は航宙士ならぬただのボーイだもんね。返答に窮した挙げ句、怒って逃げて行ってしまった。タチの悪い客に、からかわれたとでも思ったんだろう。

 ゆかり姫、ホールの反対側での栗原の奇声を気にして、落ちつかない風。

 あいつがTVゲーム始めると、もう果てしもなく騒ぎまくるから…

 あ、ゆかり姫って、あーゆう "ムダな" お金の使いかた、毛嫌いしてるんだっけ…

 文芸部用の雑記帳使って几帳面に出納記録作りはじめた。

 曰く "アルバトーレ" とPoint.Pの両替率にその手数料。あ、クォクの駐車料金もありましたわね。それからチケットが6×2,5000Point.Pデマイア。

 ヤニ・シュゼンジシカさんと彼女の船の分は別料金になっているから…

 それじゃ最初にアルヤ・アラムさんから貸して頂いた額が…

「き…磯原さん。たしか電卓持ち歩いていらっしゃいませんでしたかしら。」

「あるよ、よく知ってるね。ホイ。でもさ。」

「ありがとう。なんですの?」

「アルヤさんから渡された金って…俺は単に貰った、て理解してたんだけどさ、違うの?」

「あら。だって。頂く理由がないのじゃありません?」

「えー、う~と。そうかなァ」

 それを言うなら「借りた」んだとして「返すアテ」のほうがよっぽど無いような気がするけど。

「さ、できた。ユミコさんは何を読んでいらっしゃるの?」

「え。あ、医療関係のテキストです。クォクに積んであった薬の半分も使い方がわからなくて困ってたら、ミス君が医局から届けさせてくれたんで。」

 ………なる程ね。みなさんシッカリしていらっしゃる。

 俺もしっかり…

 昼寝でもしよーかなァ。

「あれ? 好は?」

「ボケ。ここにいる。」

 頭の上で声。

「あ。なんだ何処行ってたん?」

「クォクのね。固定具合が心配なンですってサ、その若旦那は。」

 ヤニさんがすっと入って来て手近の椅子に腰かけた。

 ここは1等席。広いホールの前部中央にあって、6人に12~3人分の座席が用意してある、円形の小居間。

 周囲との仕切りは堅いツイタテにすぎないけれど。

「あたしが MISS SHOT 号の擁すを見に戻りましたらねェ、あんたさん方の荷物ににバクダンをでも仕掛けるかと思ったようで。

 ま、それっくらい疑ぐり深くできあがっていりゃァ、地表に降りてからも長生きできるってもんでしょうョ。」

 くすくす無責任に笑っている。

「しかしまァ、面白いったらありゃしませんね。1人はゲーム機械とムキになって喧嘩してるし、ヒロトとかいう若旦那は機関室に忍びこんでツマミ出されてたし。戻ってくれば帳簿つけにお勉強ときた。

 どなたさんも余裕のお有り余りになることで。」

 やんわりしたからかい口調に嫌味がない。むしろ目一杯好意的に楽しまれちまってる。

「お昼寝ボーヤも度胸が座ってて結構ですねェ。ママがひとつ子守唄でも歌ってあげましょうか。うん?」

「ぼっ、ぼーや?! あのなっ!!」

「おや怒った。ぉお恐い。」

 俺が頭にきて絶句してるところに出港のアナウンスがはいる。

 地表到着予定は約7時間後だ。

「あんたさん方は一体どういう時代の住人なンです? 別にスパイや傭兵稼業で喰ってた人間だとも思えないのに、まァ、肝っ玉の太いこと。

 これから敵がいっぱい危険がウジャウジャの世界へ降りてくんだってェことが果たしてホントに解っているのやら」

 んなことを言われましても、先のことは気に病まない主義なので。

「………解っちゃいねェからこうして呑気に構えてられるのサ。」

 投げやりに好がつぶやいた。

「あんた知りもしねェもんを恐がれるか? オレぁできねえな。」

「おやおやァ。想像力のマズしい御仁だ。」

「何とでも云うさ。」

 そして静寂。

 船の加速する微かなGの変動。






>「わお♪ テレビゲームがある♪」

…てれび…w(^◇^;)w…げーむ…☆


https://www.youtube.com/watch?v=ogl0EzFnLcE
【東方ボーカル】 【凋叶棕】 幽明境を分かつこと



(おあとは「有料」で~?)


(ちなみにこの「フェリーの1等席」部分は、
「青函連絡船」が、モデルでありました…www)

https://www.youtube.com/watch?v=XiL8xlmKJoY
思い出の国鉄(青函連絡航路)

…この頃、年に3回は関東から北海道に、遊びに「来てた」な…w


コメント

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2016年11月9日18:37

あのころずっと言ってた、

「いつか北海道に移住する!」夢が…

曲がりなりにも、何故か? 期せずして…

実現して、しまって、いるので…☆(^^;)

いつか「プロ作家になってアファンの森を持つ!」夢も…

きっと、叶うに違いない…ww
 

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2016年11月9日19:36

…そぉいえば、ゆかり姫は「紙のお金と硬貨」を勘定しているな…www

(1980年代…まだ、「クレジットカード」は、無かった…w)

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