https://www.youtube.com/watch?v=DiMsr_lGgVw
銀河烈風バクシンガー

(前項まちがえて26日付で入れてしまいましたが、
 作業してるのは28日です…☆)
 ↓
http://85358.diarynote.jp/201610281303393550/
2.ムーン II (セカンド)・会田正行、ゆきかたしれず。 (6)+(7)
(2016年10月26日)

で、続き…。(^^;)





 翌朝、 "教習所" へ行ってみると、今までの練習機とは違って、見るからに特別仕様のクォクが8台、ズラリと並べてあった。

「特殊改造車です。科学省工作局が大急ぎで造りあげました。」

 ミステリアがチャッと朝の敬礼をとばしながら誇らしげに云う。

「…2台… ムダになっちゃったね。」

 ユミちゃんが呟く。

「え? どういうことです。」

「えと、つまり…」

「あのさ、悪いんだけどさ、」

 俺、ことの顛末を報告する。

「成程、そういう事ですか。それは良ろしかったですね。」

 えぇい、良ろしくなんかちっともないわいっ。

 この男、なんだってンな嬉しそうな顔するんだよ?

「実は自分も少し心配していたんです。あの気丈な姫宮はともかくとして、いくら何でも一番お小さいかたまで地上へ連れて行かれるなんて気違い沙汰ですからね。何より危なっかしくって不安で仕方ありませんし、失礼ながら実戦力としてはとても役に立ちそうには見受けられませんから。

 …でも意外だったな。残るんならあのお嬢さんひとりか、さもなきゃこっちの方と、だとばかり思っていたのに…」

 最後のほうは半ばひとりごと。

「何か言ったっ?」

 ユミちゃん、睨む。

「いえっ何でもありません! どうも申しわけありませんでしたっっ

 とにかく、そういう事でしたらばアルヤ殿には自分から報告しておきましょう。大丈夫です、ユミコ様。自分が責任をもってお預かりいたしますよ。」

 このヤロ―。必要以上に何故か張り切っているのが、とっても気に喰わない。

  "くっちゃん" 達は俺たちを見降ろせるバルコニーまで出て来て遊んでいた。

 自分が乗らずにすむことに決まったとたん、まりちゃんのクォドラシクル恐怖症はぴたりと治まってしまったらしい。少々の轟音なんかにはビクともせずに、キャア栗原先輩カッコいい~~♪ なんて、はしゃぎまわっている。

「ばかね、女史ったら」

「 え?」

 ユミちゃんが心配げな顔で舌打ちしていた。

「少し熱があるのよ。寝てなきゃダメよって云っといたのに。」

「熱?」

「………ううん。なんでもない。」






https://www.youtube.com/watch?v=7FMMIn5hjMs
疾走感のあるカッコイイ和風BGM集






 そして翌日。

「それでは… どうぞお気をつけて。」

 アルヤさんが低く頭を下げる。

 それを合図に、銘々で会釈を返しながら、俺たちは出発した。

 楠木女史、とうとう見送りにも来なかったな…

 そんな感傷にふけっている暇も、今はもうない。

 先頭に立つ好のクォクが凄まじいスピードでぶっ飛ばして行くので、ちょっとでも気を抜けば置いてかれてしまう。

 ユミちゃん、ゆかり姫、だいじょうぶかな…

 でもどちらもなんとか喰らいついている。

 俺たちが乗っているのはいかにも金のかかっていそうな大型のクォドラシクル(四輪単座車)。ひとりひとりのデザインが違う。むろん用途も異なるし、女の子たちのはちゃんとパワ・ステになっていた。

 きのう一日乗りまわして、およそのクセは飲みこんだと思うけど、さすが大きいだけあって馬力からして違う。まず、バイクの比じゃない。1500ccにはなるんじゃなかろうか。全身むきだしで走っているとかなりの恐怖感がある。

 風の音がすごい。

 この緊張感がたまらない。

 腰から伝わってくる鈍い震動。

 城門を抜け、市街地を抜け、緑地帯を抜け、関門をくぐる。

 一旦ちょっと停まって、気密性と生命維持装置、燃料、通信器、救難キット、等々の確認。

 朝まだきのこととて殆ど往来のない公道を少し走って、いよいよ二重構造の気門から "外" へ出る。

 真空空間。

 不意に、風の音が、聞こえなくなる。


{ 異常は? }

 レシーバーから洩れる短い好の声。

{ ないわ。}

{ 大丈夫でしてよ。}

{ 万事オッケ }

{ モンクなし }

{ 全員生きてるみたいだぜ、好。}

 しんがりの俺が確認する。

{ アホ。}

 短い返事。

{ 跳ぶぞ。}

{ らじゃー。}

 ここで操縦パネル上部の切り換えを倒す。

 クォクの外部構造が少し変型して、周囲に檻かジャングルジム状の金属パイプが張り巡らされる。

 閉じ込められたみたいで何か嫌な気分だけれど、パイプとパイプの間には特殊なバリアを流して、微小隕石による宇宙服破損などの危険から人体を保護する。

 また事故った時に乗り手が振り落とされるのを防ぐ為でもあるんだ。

 宇宙空間のまっただなかで救難キットや通信器の積んであるクォクから置いてけぼりを喰らったら、まず生きては帰れないから。

 改めて救命ベルトをパイプに繋ぎなおす。

 車輪は既にたたまれちゃってるから、内燃機関を "SPACE" に切り換えて。

 …あ、ちぁった。まず "UP" の逆噴射をかけて、それから "SPACE" だ。

 ともあれ宇宙空間。

 5km程も急速上昇するとあとは慣性だけでも《ムーン II 》を離脱できる。

 航路標やら通信中継衛星やらをかいくぐって、すいた空間へ。

 もう必死。

 途中みじかい休憩をはさんで3時間半くらいで、大気圏降下者用の一大中継ステーション、Point.Pにたどり着いた…。



「やはり地上の情勢を何も知らないかたばかりでの探索行には無理があるかと思われますので、こちらからも一名都合をつけさせて頂きました。

 正規の諜報要員ではないのですが、私どもは絶対の信頼をおいていますし、むしろこういった仕事には向いているだろう特殊技能をそなえた人物です。

 中継ステーションPoint.Pのアルファ回廊で合流する手はずになっておりますので。」

 アルヤさんが云っていた。どんな人なんだろう…。








https://www.youtube.com/watch?v=GEbfffVOhAs
【公式】銀河烈風バクシンガー ED「アステロイド ブルース」

https://www.youtube.com/watch?v=a2GujJZfXpg
スパークル [original ver.] -Your name. Music Video edition- 予告編 from new album「人間開花」初回盤DVD
 ↑
まだ視てない(^^;)

なにやら「観るのがコワイ」ようなオハナシ…??

コメント

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2016年10月28日19:08

>その下部には必ずTVパネルがあって、情報サービスの役を果たしている。

はははw(^^;)w

再び秘密日記いん文中への注釈なんですけどw

これ書いてたの、1983年?でーす☆彡

まだ私の知識には、「パーソナル・コンピュータ」も「いんたあねっと」も、
むろん「検索機能」というものも、ございませんでしたのですが…

なぜか「見知って」おりました…そういうモノ類が「未来に在る」ことを…☆

最新のコメント

日記内を検索