２．ムーン II （セカンド）・会田正行、ゆきかたしれず。　（１）＋（２）。

(本気を出したおじさん） ‏@Aki_8ara · 17時間17時間前
(本気を出したおじさん）さんがモトケンをリツイートしました
木星磁気圏に突入させてやりてええ！　特に衛星イオの近所ｗ　（注　ガリレオ探査機がセーフモードにシステムダウンするくらいの放射線を観測　50Svとかもっと上かな？）

ごめん。（＾＾；）まだ月。

https://www.youtube.com/watch?v=dsUXAEzaC3Q&nohtml5=False
Michael Jackson - Bad

２．ムーン II （セカンド）・会田正行、ゆきかたしれず。



　なんだか現実感がない。

　ガラス一枚をへだてて物を見ているみたいだ。

　軽い、めまい。

　俺が状況を許容しきれなくなった時の、これは拒絶反応。

　すぐ目の前にアルヤさんが立っている。

　真っ白い、目に痛いほどの三角巾。

　吊られた右腕。

　…何故こんなことになったんだろうな。

　一旦活動を停止してしまっていた脳が再びゆるやかに息をふきかえす。

　…………そう……





　どうしてだか知らないけど俺は好の部屋のベッドで寝ていた。

　で、きのうと同じにユミちゃんに叩き起こされ。

　きのうと同じに早すぎる朝食をすませ、きのうと同じに朝早く好ン家を出る。

　でもユミちゃん、たしか今日は朝練ない日のはずだったのに…



　結局、誰もゆっくりなど寝ていられる気分じゃあなかったんだ。

　俺、好、ユミちゃん、くっちゃん、まりちゃん、そして、ゆかり姫。

　みんなきのうと同じ時間、きのうと同じ場所へ集まって来てしまった。

　ただ、会田先輩だけが、いない。

　そこの傍らで、ひろと先輩と栗原が地面に膝をついて何かしらやっていた。

　地磁気の測定か何か。

「よっ。早いな。」

　そういう彼らはまた熱中して徹夜したんだろう。服が泥だらけ。

　…若いなぁ。

　好とゆかり姫が２人に混ざって何やら議論をはじめる。マッドサイエンティストとラグビー部主将とＯ市影番 "喧嘩の杉谷" に、黒髪豊かな大名息女という異色のとりあわせ。

　他の女の子たちはまた３人でかたまって。

　俺はといえば寝不足（２日連続で６時起きだぜっ）と疲労（これは好が悪いっっ）で、目一杯ぐでっとして、皆とは逆の方をぼんやりと眺めていた。

　タバコの火つけようとした時に、視た。

　思わず叫ぶ。

「好ッ。あれッ！！」

「何だ？　おっ！」

　好もそれを見る。

　つまり、なにも見えなかったのだ。

　道の上にひろがる、例の空白。

　肉眼には決して映らない煙。

　…俺の第六神経を痛いほどに刺激する…

「 "あれ" だわ…!!」

　姫の短い叫び声。

　そして全員が、駆けこんだ…





　今まで見えていた景色が消える。

　まぶたの映像が未だなくなりもしないうちに俺たちは "部屋" に立っている。

　目の前にアルヤさん。

　三角巾。蒼白な顔。双眼の下に暗い翳。

　あれは…　たぶん怪我してごっそり血をもっていかれた後で、痛みをおして不眠不休、少なくとも丸一昼夜は飲まず喰わず座りさえもせずに働きとおしていたという、表情。

　こわいほどにはりつめた瞳の光。

「からだに毒ですよアルヤさん。」

　つい口が動く。

　声を出したことでついでに自分の頭も正常にまわりはじめる。

　アルヤさんの表情が一瞬俺をとらえ、ほんのかすかだけ…緊迫感がうすれた。

「有難うございます。御心配頂くほとのことではございません。」

「ゴザイマセンって、あのですね、俺の友達に昔そう言い続けてあげく倒れちまったバカが居て…痛てっ★」

　云いさして好にぐいと肩をひっぱられる。

「会田サンを何処へやった。返して貰おう。」

　お～～～、こわ。

　なまじ秀麗っぽい白面なだけに、殺気が冷気にばけて背中あたりでただよっている。

「アイダどの…　あの勇敢な御方ですか」

　アルヤさん、痛々しいほどに蒼冷めた顔で、相変わらず冷静に表情を動かさず、それでも瞳の奥にちらりとなにかが浮かんだような。

　好意…　というにはためらいがちな、称賛まじりの微苦笑。

　対する好のほうはそんなものには一切の注意も向けはしなかった。

「そうだ。どうしたのかと尋いている。」

　無防備な学者っぽいアルヤさんを相手に、好はすでに完全に "喧嘩の" 杉谷としての凄味のある態度。

　これで俺と同じ齢だって言うんだもんね。生まれつき、見えない牙のむきかた、てやつを心得てるんだ。

　こいつがこういう表情をしはじめたら、も、俺じゃ手に負えない。

　アルヤさん御愁傷サマだけど大人だからなんとかすんでしょう。…俺パス。

　で、ヒマつぶしに "部屋" の中などざっと見渡してみる。

　…おわ～…

　修羅場、だったんだろーな、この有りさまじゃ。

　あっちこっちの焼け焦げ。昨日アルテミスが楠木女史の足もとに作ったようなやつ。

　正面の操作パネルが２つ３つぶっ飛び、無惨な断面をさらしている。

　え？

　あれで俺たち、飛ばされて来たワケ？？

　技師も科学者もみんなして部分的ミイラ人間になっている…

　緊張して。全員がこちらを見て。

「…ここには居られません。」

　ごくゆっくり、どこまで話していいのかと迷うような口調でアルヤさんは話し始めた。

「いずこかの手の者の奇襲により我らが宗女アルテミス様をさらわれ…　会田どの、とやらもまた、逃走し去る飛行艇に跳びつかれて、自ら乗りこまれたまま…

　行方不明です。」


　…ユクエ・フメイ…

　おそろしい単語があまりにもさらりと口にされるので、一瞬、意味がつかめない。

「…ハッ。どうせンなこったろうと思ったぜ。」

　吐き捨てるような好の言いぐさ。

「…正行さん…！」

　細く呟く姫の声。

「つきましては、公女陛下がこの件に関してあなた様方と御話されたいと仰せられておいでです。

　御同道、願えましょうか。」

「………皇女？」

　好が問い返す。平然として。

　ダメージなどまるで受けていないかのよう。

「はい。アルバトーレ公女ミネルバ様。アルテミス姫の姉君にあたられる御方です。」

「イヤダと申し上げ申してもどのみち引き連れて行くんだろうが。

「はい。ただし今ここには負傷しておらぬ衛士はひとりもございません。みな宗女姫をお救い申しあげるためならば命をも楽々と投げ出せる者たちばかりですから。」

　アルヤさん、『ただし』の条件節をむしろ逆説的に使っちゃってる。

　ほっそりして、おまけに今にも貧血おこしてぶっ倒れそうな顔色してるくせして、完全に好に張りあってる。

　…うわ～～～～。

　学者肌っぽいこの人の、この強さ。てのは、地？

　それとも、 "宗女姫をお救いする" ため…？

　なんにせよ俺、行方不明の４文字にこだわるのはしばらく止めて、好がどう出るつもりなのかを、待つ。

　ふっ、と好が笑った。

　野卑でフテブテしくて、げすにさえ見えてしまう片頬笑い。

「いいだろう。行こうじゃねェか。」

　アルヤさんがゆっくりと頭を下げた。

「有り難うございます。」

（続きは有料で～ｗ）


https://www.youtube.com/watch?v=Ym0hZG-zNOk&nohtml5=False
Michael Jackson - Beat It


https://www.youtube.com/watch?v=F2AitTPI5U0&nohtml5=False
Michael Jackson - Black Or White
　↑
どひゃひゃひゃひゃｗ

https://www.youtube.com/watch?v=mkBS4zUjJZo&nohtml5=False
The Jacksons - Blame It On the Boogie

https://www.youtube.com/watch?v=0P4A1K4lXDo&nohtml5=False
Michael Jackson - Scream

https://www.youtube.com/watch?v=QNJL6nfu__Q&nohtml5=False
Michael Jackson - They Don’t Care About Us



https://www.youtube.com/watch?v=PivWY9wn5ps&nohtml5=False
Michael Jackson - Man In The Mirror


（画像は無断借用のアルドナリス様とハーロックとキッドさんで～す…ｗｗｗ）