(前項参照w)
 くやしいので「有料」にしてきちゃいましたがw
 ↓
http://p.booklog.jp/book/109754/read
リステラス星圏史略
古資料ファイル
5-2-5-0
「街の外れの高い壁」


なんかまだ数段階分の「没原稿」があるので…★

無料で大航海~…www

https://www.youtube.com/watch?v=6zTc2hD2npA&index=27&list=RD9UfT0jVzNkw
Pirates of the Caribbean (Auckland Symphony Orchestra) 1080p



「烏合の衆、邂逅」

(街のはずれに高い灰色の壁がある)



 何処を間違ってしまったのか… 彼は闘い続けていた。

 チェーンや、メリケンサック、ジャックナイフ。

 御馴染みの凶器が無数に視界を飛び回る。

 手にしているのが1本の鉄パイプきりとは言え、彼は決して負けてはいなかった。

 少なくとも今はまだ。

 ………不利だ。

 彼の動物的な勘が警報を鳴らしている。

 有利な足場を、逆転のチャンスを、探し求めて深夜の街路を乱闘の場は移動して行った。

 逃げようという考えが思い浮かばないのはいつもの事だ。とは言えこのまま走り闘い続けられる訳もないのは、目に見えていた。

「糞っ!!」

 彼は毒づく。

 もともとが市街の外れで始められた騒動だ。

 意図とは逆に追いつめられて行くのはO市の北辺、何処ぞの重工の口上と研究施設以外に何も無いと言う、彼のこれまで訪れた事のない地帯だった。

 道の突き当たり、高い塀の手前でいきなりダッシュする。

 積んである木箱を足台にして彼は跳んだ。

 刑務所をでも想わせるコンクリに有刺鉄線の堅固な塀だ。

 ………跳びきれるか…?!

 不安が頭を掠めた瞬間、服の裂け散る音がして何かの衝撃が襲った。

 しかし直ぐに彼は本能的に身を翻し、すたりと、無傷で身長の優に3倍はある高所から降り立っていた。

 すかさず背後の追手の気配を窺う。

 逃げなければならない。

 何故か、不意に彼はそう考えていた。

 塀を乗り越えようという騒ぎが聞こえる。

 先頭切った1人が木箱に登り、頂部の鉄線に手を伸ばした。

 と、

「ギャアアーーッ!!」

 凄まじい悲鳴を残して、男は、高圧電流に感電して燃え上がっていた。

 恐ろしい光景がそれ自らの放つ炎で闇に浮かび、周囲を照らす。

 沈黙… それに次いで、塀の外では混乱と敗走が始まろうとしていた。

 いずれタチの悪いチンピラ予備軍どもの集まりである。

 つい今しがたまで仲間の1人だったモノを、たすけ降ろそうとなど考えつく筈もなく、ただただ予想外の異常事態から、目の当たりに見た凄惨な死の恐怖から、逃げだそうとする本能が先に立っていた。

 それを、逃げて行こうとする怯え切った小獣達を、見送る様に豆を弾くに似た音が軽く断続して響いた。

 彼はそれを聞いた事がある。

 軽機関銃の発射音なのだ。

 短い悲鳴が幾つも空を裂いては同時に消えて行った。

「………全員殺ったか?」

「は。」

「死体を直ぐに始末させろ。絶対に痕跡を残すな。」

 闇を伝わって塀の向う側から低い声が届く。

 声は、こんな夜更けに街外れに突進して来たのがただの不良学生達と知るとその理由をいぶかしんでいるようだったが、やがて死体処理班達と共に遠去かって行った。

 ざわりと、彼の背筋を悪感が走る。

 逃げなければならない… しかし、塀のこちら側には。

 足掛かりになりそうな低い立木一本、見当たりはしないのだ。



   O


 空っとぼけた貌の男が





(未完)



https://www.youtube.com/watch?v=u0ow4tGgZWk&index=27&list=RD9UfT0jVzNkw
Ghost in the Shell OST - Torukia

コメント

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2016年9月29日22:03

…それにつけても、なんつぅ殺伐としたハナシを書いてた、
「JK」だったんでしょうか…w(--;)w…★

最新のコメント

日記内を検索