https://www.youtube.com/watch?v=NshQKDfFPlw
Alabama - Mountain Music
https://www.youtube.com/watch?v=mvCgSqPZ4EM
Garth Brooks- Friends In Low Places
https://www.youtube.com/watch?v=WkYIrj03fso
Alabama - Dixieland Delight
https://www.youtube.com/watch?v=8u7-Ht05v2M
Fishin’ In The Dark- Nitty Gritty Dirt Band with lyrics
https://www.youtube.com/watch?v=gKjZQ7kJdZY
Papa Loved Mama; Garth Brooks
https://www.youtube.com/watch?v=asxrMSVrJ08
Blake Shelton - Ol’ Red (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=OGoiiwxTWeE
Blake Shelton - Hillbilly Bone [feat. Trace Adkins] (Official Video)
…本日ここまで~☆
http://p.booklog.jp/book/108257/read
リステラス星圏史略
古資料ファイル 3-1-9
『優等生-サイラス-』
https://www.youtube.com/watch?v=1mzpuUzLKx4
Blake Shelton - Footloose (Official Video)
Alabama - Mountain Music
https://www.youtube.com/watch?v=mvCgSqPZ4EM
Garth Brooks- Friends In Low Places
2.緑光(仮)
芽吹きはじめた條々をわずかに見降ろす窓だった。薄皮張りの戸をたてきり、燈明の煙があわくたれこめていた、長い冬を過ぎて、からりと開け放された図書館の中はうそのように明るい。
緑の輝きが目の前の柱に映じ踊るのを、見るともなしに眺めやってサイラスは休憩をとっていた。
今日の自主課題はもう終わった。ので、あとは、前々から興味のあった神学書に手をつけてみようか、それとも史学の予習をもう少し進めておこうかと、考えながら。柱と書架に他の場所からさえぎられたそこは…優等生のいつもの席は…吹く風以外は訪れるものもなく、静かだった。
時折そn風にのって斜め下の食堂からかすかなざわめきが聞こえてくる。
"不良のトルカ" 、トイラーカ・サルマスベインはこの10日間というもの、ろくにサイラスと口をきいてはいなかった。ほとんど部屋に戻って来もしない。
教室の片すみでいつも誰かしらが聞こえよがしにささやいている噂では、 "街の女たち" のところを泊まり歩いているという話だったが…
そう言われても優等生には、いまひとつ実感としては意味を把握できかねていた。
彼の留守を見はからって、授業中、一日部屋で寝ていくことなどもあるようだ。
彼(サイラス)に解っているのはトルカは部屋に帰りたくないのだろうということ。時折り着替えや荷物を取りに現れては、寝台に放り出したままだった筈の荷物がきちんと片づけられているのを見て(サイラスの穏やかな謝罪には耳も貸さずに)腹立たしげに鼻をならし、また御丁寧にすべてをひっくり返して去って行く、その態度だけだった。
何年も続いた静かな舎監生室での一人暮らしから彼を俗世にひき戻した、若い教授は、、しきりに迷惑をかけるねと気に病んでいたが…
サイラスはまだそれほど苦にしてはいなかった。どうしていいのか解らないだけで。ただ、誰かトイラーカからそれほどまでに嫌われるということに、胸の痛みにも似たかすかな途惑い感じているのだった。
ふと、そのトイラーカが幅広い斜面をはさんで反対側の、食堂室の窓辺に席をしめているのに、サイラスは気づいた。一緒にいるのは去年同室だったという温和しいジュノ・ペッデゼンだろうか? 目立たない弱々しいジュノーと、すでに "不良" と呼ばれるにふさわしいだけの振る舞いをしはじめていたトイラーカとの部屋割りが発表された当時も、学年中がいろいろな取り沙汰をしていたことをサイラスは思い出していた。
トイラーカたちは席を立ち、やがて5分ほどしてジュノ・ペッデゼンが、校庭とと図書館のあいだに広がる緑濃い土手にぶらぶらと姿を現した。
「……トルカ。」
おずおずと彼の隣りの席に指を置いたのは気の弱いジュノの方だったのだ。
「お、よお。どうだ? 新しい部屋割り。まあ座れよ。」
「いいの?!」
ぱっと頬を輝やかせて、遠慮がちに腰を降ろすのを、トルカはいつものようにすこしけげんそうな顔で見つめていた。ジュノの態度は、いつでも少し彼の理解を越えるものだったから。
その沈黙を、話を求められているのかと解釈してジュノーが呟く。
「……うん。あのね。タオ=カイと同室だよ。」
「あの鼻とんがりかよ? げぇ。…そういや、奴らに今朝、泣かされてたんだって? おまえ。」
「…聞いちゃったの? やだな。」
コトンと、かゆをすくうさじを置いて、ジュノーは目を伏せる。
「また、やっちゃったんだ… ぼく…」
「……ばか。」
「え。」
ぎくりとして、小柄な体を、ジュノはますます逃げるようにちぢこめた。
この一年、トルカはジュノをそんな風に言ったことはなかった。
だけど、とうとう…。
泣いたりしちゃだめだ。魔法の時間は、いつかは終わるのだから。
同室ではなくなった瞬間から……
「まだ、恐かったのか? 夜中にひとりで便所行くの。ならなんでおれン所に来ねぇんだよ。」
「え……」
予想していたのと、それは逆のセリフだ。
「でも… トルカ、でも…」
「階段ひとつ降りるだけだぞ。それくらいなら、ひとりでも歩けるだろう? 松明だってあるんだぜ。」
「だって…」
小さな声でぱくぱくと口をあけて、いきなりジュノーは涙をこぼしていた。
そんな筈があるだろうか?
「お、おい!」
トルカはうろたえた。
「悪かったよ。来ようにも、ここんとこおれが部屋にいなかったんだもんな。悪かったよ。悪かったってば。おい! 泣くなよ!」
「……違うよ。トルカ、ごめん…。」
ごしごしと袖で目をこすった。
「だけどきみ、また忘れてるんだ。ぼくもう同室じゃないんだよ。dから、きみが門限やぶっても、教授にごまかしておくのも出来ないし、窓の鍵あけておくのもできないんだ。だから……」
臆病者が優しくしてもらえる権利も、もうないのだ。
「……………………。」
トルカが唖然として口を開けるのを、ジュノーは見なかった。
「……おまえ。……しまいにゃ本気で怒るぞ。……」
そう言いつつ既に本気で怒っているらしい声に、ぎょっとして目をあける。
「それじゃなにか? このトルカ様は利用価値がなくなりゃ友達(ダチ)と縁を切るような、安っぽい男だったのかよ? どうりでこのところひとりでうだうだメソメソやってやがると思や…… え~い、おれもう知らね! 勝手にしろってんだ… たくぅ…。」
どーせおれえは見かけは軽薄だよ、とかなんとか。
「トルカ! ごめん! ぼくそんな意味じゃなくて、ぼくが……。ぼくは… 」
「だから泣くなっつーんだよ。おまえときたらまぁ、いちっち死ぬの生きるのって感じの大騒ぎにしやがって、まぁ。」
((…だもん。ぼくには…。))
胸のなかのささやきを、トルカには知る由もなかったが。
二階にいるサイラスには気づかず、登ってきたジュノーは土手の頂上に腰を降ろして、見るともなし空を見上げたり、草をもて遊んだり、していた。
その華奢な後ろ姿がなぜか至福の光とでも言うべきものに包まれているようにと感じたのは、あながちサイラスの気のせいとばかりは云えまい。突然に澄んだ細い歌声が流れだすのを耳にしても彼は驚かなかった。
古い古い友情の詩(うた)に聞き覚えのない節をつけて、ジュノーはひとり静かに口ずさんでいた。
〇
教授(おとな)たちへのイラだちの、やつあたりなのだという自覚は持っていたから、部屋や廊下で出会うたびにトルカに見せる、困ったようなすこし悲しいような優等生の表情はぐさぐさと良心につきたたっていた。
ジュノーの問題もあるし、毎日あちこちを泊り歩くというのもさすがに大変だったし。
と、いうわけでトルカは今日、早い時間にいつもの飲み屋で二、三杯、景気をつけると門限通りに寄宿舎まで帰って来たのだ。
扉を開けると案の定、かすかに驚いた顔でサイラスが振り向いた。
「トイラーカ。」
「……え~とっ。…今日、ジュノーが助けてもらったそうで、…一応礼を言っとく…。」
「……ああ。」
困ったようにあいまいに優等生は微笑を浮かべた。
それは朝食時のできことだった。ジュノーと同室のタオ=カイが、嘲いながら彼を食堂までひきづってきたのは。
「諸君っ! 見てくれたまえ。」
得々としてタオ=カイはそれを抱えさせられて泣いているジュノーを皆の前につきとばしたものだ。
「おれたちはもう14だぜ。14にして……お・ね・しょ。…寝小便だ。誇りあるオイゲンクロークの学生としての自覚があるのかどうか、を、おれァこのふぬけにおうかがいしたいねっ!」
「……臭えぞ、このチビっ!」
「退学だ!」
「放り出しちまえっ!」
そこは少年ばかりの学校ということで、気の荒いものも多い。タオ=カイの仲間たちの間でたちまち飛びかいはじめたヤジや、怒号のなか、もともとが弱弱しい少年は哀れなほどに小さく見えた。
救けに行こうとは思ったのだ、とトルカの友人たちは云った。もとから秀才ぶったタオ=カイの一派とは折り合いが悪かったし、ジュノーは一応、トルカの保護下にあるということになっていたから。
が、それよりも速く、誰かがひそやかに席を立った。
「……やめたまえ。」
静かな、けれど食堂中に響いた、とおる声だった。
それもその筈、毎朝全校生徒の前で教書を朗読する声なのだ。
「イロンド・タオ=カイ。人の生理的条件を誹謗のたねにする態度はどうかと思うな。」
あくまでも穏やかに。けれどこういった学生間のいざこざに…口の悪い連中に言わせれば "俗世間の" できごとに…学院一の優等生(おきにいられ)が関心を示すなど、かつてない出来事だったのだ。
一瞬、食堂は静まり返った。
なりゆきに関心のあったものもの、無視していた者も。
「デュ=ヨカナイン…?」
タオ=カイは自分では怪物(サイラス)に次ぐ優等生だと信じている秀才だった。で、しばしば「デュ=ヨカナインとぼく以外は」みんな馬鹿だ、という風にカッコでくくった言い方をしていた。
(そういった彼の考えは、サイラスには知るところではなかったが。)
それだけにショックも大きかったのだろう。くるりと振りむくと、取り巻きたちに声をかけるのも忘れてき然と食堂室から去って行った。ごう然と、紅く燃えた頬をもたげて。
皆が見守るなか、サイラスは静かに、自分の慎ましい食事に注意を戻していた。
〇
「さし出たマネはしない方が良かったかも知れないね。きみの友人達も、なにか手を打とうとしていたようだったし。」
「連中がタオ=カイの奴とやりあうと騒ぎが大きくなるからな。ジュノーのためにゃ、良くないだろ。」
かすかにほっとしたような、表情を読みにくい優等生を前にして、2、3杯ぽっちの酒じゃ、
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Alabama - Dixieland Delight
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Papa Loved Mama; Garth Brooks
https://www.youtube.com/watch?v=asxrMSVrJ08
Blake Shelton - Ol’ Red (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=OGoiiwxTWeE
Blake Shelton - Hillbilly Bone [feat. Trace Adkins] (Official Video)
…本日ここまで~☆
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古資料ファイル 3-1-9
『優等生-サイラス-』
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