おばんです。19:14。
中食(?)たべて仮眠して、起きたら風がやんでたんで窓全開にして、大急ぎでハタキかけとナンチャッテ床掃除まで片づけてきましたよ…☆彡

寝る前に靴下を洗濯しないとなので、今から22:00までに、

古原稿21p!(400字詰め手書き☆)

一気にアップして、「成仏」させますよ~っ☆

…w(^へ^;)w…☆

https://www.youtube.com/watch?v=di-_n05tppo
Big Country - In A Big Country

https://www.youtube.com/watch?v=GeeUSDW3tcA
恋のマイアヒ Full



   優等生(サイラス) ~窓辺にて。


1.部屋替え騒動。

 鼻唄をうたったり悪態をついたり、ぶつぶつひとり言をまき散らしながら、ひょろっとした長い指で彼はけっこう器用に引っ越し荷物をまとめているところだった。

 ときおり、手の動きをとめては物欲しそうに(なかばうらめしげに)陽光のふりそそぐ窓のそとの、新緑の季節をながめやり…それからまたやれやれという風で、腰に両手をあてて雑然混沌とした自分の荷物の山をにらみつけ、えいやと仕事にとりかかるのだ。

 ごわごわした栗色の前髪が額(ひたい)におちかかる度にうるさそうに払いのけていたが、やがてあきらめたように腰の紐帯(キープ)をほどくと、それでくるくると撒いて邪魔な髪をおさえつけた。
 彼がよくやるもので近頃流行(はや)ってきた例の型だ。

 制服の、縛ってあったウエスト胴のあたりが自由になったもので重い冬服の布地がゆらりと揺れて、いかにも教授たちの怒りを呼びそうなラフなスタイルいい加減な恰好になった。

 軽い足音がして、ちょうど最後の荷に紐をかけ終わったところで背後の扉がひらく。

「トルカ、見て来たよ、新しい部屋割り。」

 入って来たのは白と見えるほどにうすけた茶の髪の小柄な少年で、どことはなしに全身の雰囲気が、よわよわしくて、痩せていた。

「おう、ごくろう、ジュノー。おれ何室だった?」

「308。」

「げっ! あすこまでこの大荷物を運べてェのかよ~~」

「うふふ、僕の倍はあるね」

 ジュノと呼ばれた少年は小さな顔で静かに微笑んだ。

「あ、おまえは?」

「407」

「ああ、じゃ、良かったな。結構近いじゃないか。中階段はさんで上下だ」

「そう? うん… ね…」

 呟くように言った小さな声をトルカが聞きとるよりも早く、けれど騒々しく扉を蹴りあけて一団がなだれこんできてしまった。

「よーおトルカ、まだいたのかよ。さっさとこの部屋あけてくれよなっ!」

「悪い。いま出るところだ2人とも。ジュノー、ちょい、これ持たしてくれよ。」

 全部をいちどきに運んでしまおうとあがいている彼に、ひとりがニヤリニチャッと笑ってつけくわえた。

「なんでしたらお引っ越しは我らトンネル団にお申しつけを。おひとりさま20リードで引き受けま~す」

「ばかやろー、おまえらに任せた日にゃ、秘蔵のあぶな絵(ポスター)が途中で全部消え失せらあ」

「ちぇ~っ。しっかりバレてやがる」

「あったりまえだ。…じゃな、ジュノー、またそのうちな。」

「……トルカ! それでね! きみの同室… あ…」

 大荷物を腕いっぱいかかえたトルカの姿を隠して重い木の扉はしまる。

「おら~。邪魔なんだよ。さっさと行けよ。」

「あ、ご、ごめんなさい。僕…」

 威勢のいい少年たちに囲まれて、ジュノーは頼りなく自分の物をひろいあつめた。



 エオランジュの国のリノの街の、すこしばかりむかしの寄宿学校での話だ。

 オイゲンクローク学院はリノの街でも古くて有名で、だから国中から若い男の子たちが集まっていた。名門なだけに躾けも厳しく、特に寄宿舎ではうるさく言われる。

 その、オイゲンクロークで、今は一年中でも最も騒々しい季節…新学期と部屋替えの時期なのだった。

 のそのそとトルカは本の山に視界をさえぎられながら階段を昇って行く。

「トルカ、騒ぎや(トールッカ)、お調子もん(トールンカ)!」

「トルカ、騒ぎや(トールッカ)、お調子もん(トールンカ)!」

 わあっ!と、度胸のいい下級生がふたりばかり、すれちがいざまにはやしたてながら駆け降りて行ったりする。

 両手がふさがって身動きのとれないトルカも、さすがに階段なので足をひっかけてやるのは遠慮した。

「カロン! トイラ! 覚えてるからな!」

「トルカ! トールッカ!(騒ぎや!)」

「このやろ~~っっ」

 右にぶつかり、左にぶちあたり。がたがたと本当に騒がしい季節だ。



「……よっ。」

 そういう事態を予測してなのか、わざわざなかば開け放たれてあった扉をつま先でこじあけて、

「おう、一年間よろしくなっ!」

 一歩、部屋に踏み入れるなり、ずるう~~…

 トルカは、思わずぐらついて戸柱にもたれかかった。

 そこにいたのはトルカと同じほどの年恰好の少年である。背はすこしばかり小さく低く、筋肉もトルカほどはついてはいない。どちらかといえばすらりとした痩せがたで、おちついた青色の下衣に、制服の貫頭衣(トーガ)をきちりと身につけていた。

 トルカのように締紐(しめひも)をほどいてしまったり、よくやるようにゆるめて結ぶことすらせず、ましてその帯で伸ばし放題の頭をまとめておくなどということもない。

 そこにいるのは…すこし長めに切りそろえられた髪が漆黒の射干玉(ぬばたま)色である、ということをのぞけば……どこからどこまで、一分のすきもない、教授連が絵に描いて皆に見せたがるだろうほどの完璧な模範生図、だった。

「やあ。」

 生きてあるく模範生図が口をきく。窓辺に立つその少年はちょうど机の周囲をかたづけていたところらしく、初夏の日差しを背に受けて、トルカには、それがほとんど後光に見えた。

 …

「サ、サイラス・デュ=ヨカナイン? 優等生(おきにいられ)の!?」

 荷物をふたつみっつ取り落としながらトルカは唖然として呟く。

「……ぼくはそんな風に呼ばれているの? 知らなかったな。」

 ひとを見下したような落ちつき払った無機質な微笑、だとトルカには思える様子でばけもの(サイラス)はわらった。

「一年間よろしく。きみがトイラーカ・サルマスベイン?」

「…聞かなくてもどっせ判ってんだろ。『不良』のトルカだよ、おれァ」

 すねたちょうに答える彼をいぶかしげに見つめて、優等生(おきにいられ)と呼ばれた少年は机の整理へと意識を戻した。

 トン、と教科書類をそろえて棚に入れる動作が、不思議なほど穏やかだ。

「君が、来るのが遅いから、勝手に右の机に決めさせて貰ったけれど、もし不満があれば…」

「んで? 誰の指し金だよ? リガーオか、それともルクナス? …ま、先公なんてどれも同じよーなもんだけどな」

「……なんの話だい?」

 ばさっとトルカは寝台の上に荷物をぶちまけた。

「ばっくれないで欲しいんだよね、おれとしちゃあ。何の意図もなしにこうゆう部屋割りが成立すると思うか?」

「確かに、門限を守らなすぎる生徒がいて、困っているという風には聞かされていたけれど…」

「 "門限を守らなすぎる" 。はっ!」

 あきれたように叫んでトルカは寝台の上に荷物をぶちまけた。

「模範生どのは修辞学までも御優秀でいらせられる! ずいっぶんと手ぬるい表現をしてくれるじゃないか、ええ?!」

「きみが、なにを怒っているのか、わからないんだけれど、」

 真面目に困惑しているらしい表情の、相手の顔をトルカは睨みつけた。

 トルカにだって解らない。ただ、 "学院一の優等生(おきにいられ)" と呼ばれるほどの人間を目の前にすると自分の不良めいた格好がなぜだか後ろめたく、その反動でむしょうに腹がたってくるのだった

 個人的に模範生(いいこ)なんていう人種は大嫌いだったし、 "門限をまもらない" からと監視役をつけられた、罠にはめられたという感覚は、あたりまえ以上にトルカの癇(かん)にさわった。

「………………。」

「、何処へ? トイラーカ。」

 黙。

「もうすぐ点検の時刻だよ。それまでに整頓しておかないと…」

「おれァ "不良の" トルカだよっ!」

 くるりとふりむいて捨てゼリフにそう怒鳴る。

 今夜はもう帰らないつもりだ。と、…

 不思議な……傾きはじめた淡い黄金(こがね)色の陽光のなか……サイラスが、はかなげな、さびしげとさえ思える気弱な微笑を浮かべて立ちつくしているのを、トルカは見てしまったのだ。

「え……?」

 それは、いつも生徒代表として壇の上に立つ、無機質な優等生(おきにいられ)の顔を相手にするのとは、ずいぶん勝手が違っていた。

 その一瞬、トルカはなにかを……おそらくは以前にジュノが言っていたなにかを……思いかえすともなく思い出していたのだ。トルカ自身は意識さえすることなく。

「ここに、いてくれるね? トイラーカ。」

 頼むような口調にそれは近かった。トルカは鼻を鳴らし、途惑い、…それから急に、卑怯な教師どもに腹を立てていたことを思い出して、叫んだ。

「知るか!」

 扉の音たかく閉まった後の部屋で、ただひとり優等生は、立ったままでいる。

 …





(根は純粋な不良と、屈折した根暗な優等生)
(あたしのパターンは、いっつもこれだ。けっけっけ。)


https://www.youtube.com/watch?v=O7qCT8sg1bs
The Bee Gees 映画「小さな恋のメロディ」 Melody Fair

https://www.youtube.com/watch?v=ufsH8dOH0Zo
若葉のころ  /  ビージーズ  歌詞

https://www.youtube.com/watch?v=ybyAgZtWLh8
Buffy Sainte-Marie 映画「いちご白書」 The circle game

https://www.youtube.com/watch?v=Z8mHRuaU13E
Joan Baez 映画「死刑台のメロディ」 Here’s to you

https://www.youtube.com/watch?v=qGEubdH8m0s
Dolly Parton - Jolene (High Quality) sound

https://www.youtube.com/watch?v=1vrEljMfXYo
John Denver - Take Me Home, Country Roads

https://www.youtube.com/watch?v=eOB4VdlkzO4
John Denver - Rocky Mountain High

…お♪ (^w^)g

さっきから何か「ぴったり」を探してウロウロしてたんだけど…

ジョン・デンバーでしたか…ッ☆

https://www.youtube.com/watch?v=diwuu_r6GJE
John Denver - Sunshine On My Shoulders

…ところでこの2人、エルと白熊さん(サキとレイ)だったり…

…w(^■^;)w…

するような、しないような…ッwwww☆

https://www.youtube.com/watch?v=NshQKDfFPlw
Alabama - Mountain Music

コメント

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2016年7月8日21:56

ところで以前にもどこかで書いたと思いますが、これ、「夢で視た」のは

「トルカ、トールッカ、トールンカ!」の悪口?部分だけが鮮明で…

「夢のなか」の私は、
「片思いで叶う見込みも全くなくて卒業しちゃうしもう会えなくなるので悲しい」しか覚えていない、ほとんど地縛霊のよーな夢(--;)だったんですが…★

その後の検証作業?で、こいつら実は「帝国における絶対身分差別制度」(成文法)を「廃棄する」という、歴史的大転回点の立役者?

だったんじゃん…?というような後付設定が出来上がりましたが…w

このハナシ自体は完全に「BL的色彩」しかないですしw

後の世の全国議会ひっくり返しての根回し&弁論合戦なんて、小説に描けるものでもないし…★

w(^□^;)w

「没!」

…「商業用」に、将来完成させる、という見込みは…おそらく、無いでしょう…☆



(なので、これにて「成仏」して下さい、没原稿の紙サマ…★)

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2016年7月8日22:07

洗濯して(漫画読んで)
寝まーす☆

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