森の小径。木の間ごしの日差し。(高校~同人誌時代?)
2016年4月14日 リステラス星圏史略 (創作)https://www.youtube.com/watch?v=UdajGPuZ5dY&ebc=ANyPxKpH7wYTbKVshjmKGVhL6KYctKYkJwVOn5nDXXdbY5iqisFHXnqByW43ymesOdZWlQs9q7P_9BfkRf4i63pbVLg3nzkzPw&nohtml5=False
(Remake & Update2)Ar Tonelico 2 EXEC_with.METHOD_METAFALICA/. with lyrics
https://www.youtube.com/watch?v=pKw1sbKCEAA&ebc=ANyPxKpH7wYTbKVshjmKGVhL6KYctKYkJwVOn5nDXXdbY5iqisFHXnqByW43ymesOdZWlQs9q7P_9BfkRf4i63pbVLg3nzkzPw&nohtml5=False
Ar Tonelico EXEC_PHANTASMAGORIA/. with lyrics
(Remake & Update2)Ar Tonelico 2 EXEC_with.METHOD_METAFALICA/. with lyrics
森の小径。木の間ごしの日差し。曲がり角のむこうで2人の人間が言い争っている。しげみにさえぎられて、白いほっそりした脚と、真っ黒なマントのすそしか見えない。
少女「何度言われようと無駄ですわ。大体、誇り高き大地の乙女あいてに、よくも恥を知らずにそんな話をもちかけられたものですわね!」
鬼王「わたしは忍耐深い方だが、それもそう長くは続かぬぞ。おまえが心良く承知すると言えばよし。この"道の果ての村"の者どもは花嫁の親族として、無理な税も手下どもの略奪狼藉からも免れよう。したが本気で否と言うのならば…」
少女「卑怯者!」(唇を噛む)
鬼王「判っておろうな。…人が来たようだ。おまえは未だ幼い。婚礼もすぐにとは言うまい。だが、自分がこのわたしの妃となるべき身なのだということだけは、十分にわきまえておけよ。」
黒い影、煙となって消える。怒りを抑えてふるえている、白い服、黄色い髪の少女の後ろ姿。ゆるやかに近づいて来るひづめの音。
少女の足もとに村と谷の光景がひろがっている。
黒馬にまたがり、疲れた旅人姿の若者。
若者「もし、すこしお尋ねしたいが、この村はなんという…」
少女、髪をひるがえしてあざやかに振りむく。意志の強い、幼いけれども見事に整った表情。
どこといって似たところもないのだけれども、一瞬、妹と面影が重なり、若者は驚く。
しばらくの沈黙。少女、微笑む。
少女「お礼を申し上げますわ。旅の御方。あなたのおかげでとりあえず助かりました。」
若者「助かる? そういえば、なにか言い争う声が聞こえていたようだが…」
少女「なんでもありませんの。それより」
少女、しげしげと若者を観察し、やがてつと細い腕を伸ばして若者の右肩に触れる。
若者(痛そうに)「うっ!」
少女「…やっぱり。なにかの怪我を、なおりきらないままに無理をして、こんな山奥にまで旅をして来ておいでですのね。疲れがたまって熱も出ておいでなのでしょう。たぶん、相当ご気分もよくないはずですわ。」
若者(驚いて)「…な…。よく、貌を見ただけで、それだけ…」
少女「わたしはこの村の薬師を務めているんですわ、旅の御方。医薬を司どる神ヨーリャ様の御名にかけて、お怪我がすっかり治りきるまでは、あなたをこの村からお出ししませんから、そのおつもりで、どうぞ。」
にっこり笑ってさっさと馬のくつわをとる少女。若者、その横顔を見おろしながらやれやれという風に苦笑して、大人しくひかれていく。
部屋の中。むりやり寝台に寝かされている若者と、包帯を巻きなおしている少女。
少女「想った通りですわ。あと3日も放っておけばえそを起こして、お命を落とすところです。無茶ですわ。これほどの刀傷をろくに養生もなさらず、手当さえおざなりなのですから。」
若者「すまない。つい心が急いてね。」
少女「それならばなおさらですわ。何をお急ぎの旅かは存じあげませんけれども、まさか "神々のおわしたまわぬ死後の世界" が目的地なわけでもございませんでしょう?」
少女、心配そうにのぞき込む。若者、笑う。
若者「まったくだ。…」
その手に杯がさし出される。
少女「どうぞ。薬酒ですわ。とても効くんです。」
若者(香りをかいで)「ミアマアセラスだ。さすがミアトの国だなぁ!」
少女「平地の方ななのに、この薬をご存知?よほど裕福な家でお育ちになりましたのね?旅の御方」
若者「あ、いや、そういうわけでは…」
不必要に慌てる。少女、キョトンとして、若者の肩に布団をかけなおす。
少女「とにかく今日はもうお休みなさいませ。ミアマアセラスの薬効はとても高いのです。明日には熱はもう下がっているはずですわ。」
立ち上がって戸口まで行く。
若者「あ。待ってくれないか!」
少女(振り向く)「はい?」
若者「礼を…まだ言っていなかったと思うのだが。わたしは、ミルドーとメレアの息子、ミヤセル・アテナムンという。戦の前にはルア・マルラインに住んでいた。」
少女「ルア・マルライン…失われた皇さまの都!」
(さっと蒼ざめる)
若者「そう。…あなたは?」
少女「わたしは、ただマシカとだけ呼ばれています。この村の薬師ですわ。」
若者「マシカ… "お星さん" ? それはまた、ずいぶん変わった…」
少女「ええ。でも、礼を欠いて申しわけありませんけれど、わたしの名前の話をはじめると、長くなるんですわ! お治りになったら、ゆっくりお話ししてさしあげます。今日はもうおやすみなさいませ。」
すこしおどけたように優雅に宮廷風の礼をして出て行く。それを見送って、
若者「…本当に似ている…」
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Ar Tonelico EXEC_PHANTASMAGORIA/. with lyrics
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