https://www.youtube.com/watch?v=vhfUmVMcNnA
Nobel Peace Prize Lecture Musical Performance by Burmese Harpist Nei Wah

++++++++++++++++++++

彼女の決心を変える事はできないと村人が納得し、真里砂が女の長の手で、亡くなった娘さんのものだという暖い衣服を着せてもらって馬上の人となったのは、それから小一時間程しての事だった。
 彼女用に用意された馬はごく大人しそうな灰色の牝馬で、おまけに女鞍が付けてあり、おかげで少し長すぎる裳をたくし上げるようにして横座りに乗らなければならない。あまりに馬が御しにくいもので、彼女はとうとうらくだ乗りよろしく片方の膝をあぐらにして座ってしまった。
 途中で熱がぶり返すようなら使うようにと言って、女の長が毛皮と毛布を一枚ずつよけいに積んでくれる。鞍袋に薬草と食糧、それに真里砂がダレムアスに連れて来られたあの最初の日に、翼人の少年から渡されたあの背嚢を受けとってしまうと、もう一行の出発を後らせる理由は何も無いのだ。
 真里砂は、自分の成人さいた息子よりも彼女の方に気をつけてを繰り返す女の長を見ているうちに、亡くなったという娘さんの替わりに一冬だけでも一緒にいてあげたいようにも感じたが、村人たちと言葉の通じていない雄輝と鋭から離れてしまうなど考えられなかったし、老婦人の優しい年老いた面ざしを見ていてより強く思い出されるのは、血のつながらない娘と息子たちの行方不明で夜も眠れない程心配しているであろう、大事な養母(ママ)の事なのだった。
 馬7頭、驢馬4頭に村の青年4人の行列の、丁度真ん中にはさまれた馬にゆられながら、村を出てからしばらくの間、真里砂たちは自分たちの立場が一体どういうものなのかと、あとの2人とてんでに意見を出し合っていた。が結局のところ、解ったのは、「捕虜か、囚人か、罪人かのどれかだわね」という事だけだったである。上ろうと見なしている真里砂に遠慮してか監視の青年は雄輝にあえて再び縄をかけようとはしなかったし、彼らが理解できない言葉でしゃべっていても別に邪馬だてしようとはしなかった。
「罪人、てこたないだろう?俺たち何もしちゃいないんだぜ」雄輝が言う。
「どうだか。あのヨリモとか言う人の包帯はあなただって聞いたわよ」と、ようやく慣れてきた横座りの鞍の上から真里砂。鋭がそれを聞いてあぶなっかしげに笑う。
 ブルジョアばかりの私立学園で育った雄輝と真里砂は、いずれも体育正科で乗馬も抜群の成績を納めているが、鋭にしてみれば初めてである。それに気がついた真里砂たちは、しばらくの間こつを教えるのに時間を費やした。

 辺りの地形は山にはさまれた狭い盆地というところで、わりあいに平らな、さして広くもなく耕地の続く中を、振り返ってると一昨日(さきおととい)のあの森の縁と30m程の高さの草地のスロープが見える。
右手にはその森の続きらしい茶色の帯、左手少し離れた所からは山地が急に始まっている。
道は凍れた赤土の道で、冬枯れの畑の中をわずかづつ右に向かう曲線を描きながら続いて行き、雑木林を一つ抜けた所で、村の姿が見えなくなった。
そこから、冬の訪れを告げる灰色の空の下に、左手の山地が迫るように近づいて来て、道はそれまで沿っていた3m幅程の川から離れ、低い土手状の所をしばらく登りつめて右手の森の中へと通じている。
そこまで来るのに時間は3時間程だったろうか。真里砂は最後に馬を




(未完)


++++++++++++++++++++

https://www.youtube.com/watch?v=dYi6EcEkLmQ&list=PLHkYgHA8kU5L41iXYJr0URzKVCAJmRmek&index=4
調子の良い鍛冶屋 作曲:ヘンデル Full HD高音質(チェンバロ演奏)

https://www.youtube.com/watch?v=Qfls95AuArI&list=PLHkYgHA8kU5L41iXYJr0URzKVCAJmRmek
【チェロ8本で】 自由の翼 【演奏してみた】

https://www.youtube.com/watch?v=AFTsBJ-WYJw
和楽 千本桜

https://www.youtube.com/watch?v=JgSzcoJc3S4
新宿路上でやってたすごすぎるバイオリン演奏


コメント

最新のコメント

日記内を検索