(作業中毒)(^^;) 「大地世界物語 1」
2015年11月13日 リステラス星圏史略 (創作)参照:http://85358.diarynote.jp/201511122209059059/
ってことで、メンドウなので旧型機から直接ネットにつないでみましたが……
遅いです!(^^;)!そしてキーボードが、でかくて重い……!
(よくこんなので、日野はともかく、軽井沢のあの超劣悪ネット環境を、生き延びたよなぁ、私……w(--;)w……★)
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リステラス星圏史略 Ⅰ
『 大 地 世 界 物 語 』 (四部作)
森 羅 万 象
生 々 流 転
序 章 四界神話(概略)
上 古 神 代
* 上古神代または神つ世と呼ばれる世界《センサリィティヤ》については、普遍自在神《マンマ・ワァガ》が治める諸々の神々の世界であるということ以外、後の世の大地世界の伝承にはつまびらかでない。
0 界産み
上界神《マンマワァガ》が子産みをなした。
子である界は四つ子であった。
ゆえに四界の養育を託すがため四柱の神々が選ばれ、
それは上つ界に集える諸々の神々のなかでも、
とりわけ秀でた若き神々らであった。
1 姉なる神
若き神々のなかでも最たる叡智をそなえしと
称えられし姉神《リィス・シへン=サァラ=ル》、
一の界の司の職を賜る。
みずから研鑽を求める神々ら仙族ら、また聖霊ら精霊らが慕い集い、
彩なる光なす内求の都《エルゥ・シアム=リア》と名付けられし。
2 兄なる神
兄神《グァヒギルグ》が《一の界》を拝領した。
かの神は武と勇を称え、競い争うものたちの勝者を善しとした。
祖神《マンマワァガ》より賜りし界を
強固なる岩鋼にて覆い、不落の城塞と築き上げ、
厳窟界《ボルドガスドム》と号した。
3 次妹神
三の界はいまだ稚き女神《マライアヌ・ディア=ドライム》に託されました。
その熱き願いを主神《マンマ・ワァガ》が善しと思し召してのゆえでありました。
女神はおのれの未熟をわきまえ、あまたの優れた神々に力添えを請い願い、
歌と踊りと笑いと食物の絶えることのない、豊かで美しい世界を育て、
大地世界《ダィ・レム=アァルス》と美称しました。
4 末弟神
末の弟神《てぃあすらぁる》、四の界を治めよとの命を固辞すること三度。
四たび重なる召還をも謝絶との返にあいて主神その由を訊ねる。
一礼して一言返す。「面倒」なりと。
主神、苦笑し厳命す。「なれば、さようなる界に育てよ」。
かくて末弟神は小さき珠界をただ星の大海に放り出し、
後の世のひとびと仮にそれを《泥球界》と呼称す。
5 聖 瓏
一の女神は叡知に秀で、和を尊びて、いさかいを望まず。
清らかにして丈高き白き肌のその姿、金の髪、氷青の眸を、
二の男神は常に欲しきと邪にて望みしを、
一の女神、災いとしてこれを避け、
界壁を鎖して男神とその眷属を、一の界より斥く。
6 惨 劇
男神逆上して二の界の軍これを挙げ、
一の界の叡知と和合を求めし神々また天人仙族らを、
ことごとく槍に刺し蛮刀に断ち斧に割り、
なべて血肉の湖泥とこれを化す。
男神ついに姉神に到りて聖なるを汚さんとす。
女神これを厭いてみずから命鎖を絶ち帰天す。
6 襲 撃
危急、逃れ落ちし天球族、とりわけあまたの飛仙ら、大地平界の妹神に庇護を求む。
妹神、聞き驚きて馳せ参じるも時遅く、
息絶えし姉神を抱き嘆く兄神を、言を尽くし諫め怒り、
男神逆上し、厳洞界軍を大地平界にさしむく。
和と楽を求めし豊の大地にいくさの備えなく、神々、人々、ただひたすら逃げ惑う。
妹神哭き叫び兄神を諌めるも聴かず。
7 終 焉
ついに母界神、観かねて天月救神《レ・リナル・ディ=アイム》を遣わす。
月女神、兄神を鎖して厳洞界奥津城に囚す。
姉女神を失いし《エ・ルーシア・ムー・リア》これより月女神の差配下となる。
四界をつなぐ天路閉ざされ、昔日の往来絶える。
かくて四界神代終わり、三界たがいに孤立す。
大地世界物語 第一部 女神と神々
第 一 夜
のちの世の大地世界、辺境地方の
母親たち、祖母たち、
また父親たち、祖父たちは、
〈この世の始まり〉とはこのようであったと、
子どもらに話した。
むかぁし、むかし。
最初のむかし。
ママワガという偉い偉い神様が、
大地の奥の奥の奥にいて、
ぽんぽんぽんぽんと勢いよく、
元気な四つ子の卵を産んだ。
四つの卵は世界の卵。
マンマワァガは考える。
四つの卵に子守りがいるね。
はてさて、誰に頼もうか?
かぁさんここまで名調子。
だけど末子が大地を叩く。(*)
「かぁさん、かぁさん、卵を産むなら、
マンマワァガは小鳥なの?」
かぁさん笑って咳払い。
「そうだね、そうかもしれないね」
すぐに上の子ことばをはさむ。
「卵を産むなら蛇かもよ?」
「蛇の卵は四個じゃきかない。
亀の卵も山のよう。」
兄さん賢く意見を言えば、
姉さん大地をぽんと打つ。
「わかった、そんならトカゲだよ。
トカゲの卵は三つか四つ。
自分で育てず陽に任す。」
なるほと子どもら頷けば、
母さん声あげ大笑い。
世界の卵の母だもの。
大きなトカゲにちがいない。
婆様すかさず歌いだす
「むかぁし、むかし、最初のむかし……」
まんまわぁがというえらいえらい
大地の奥の奥にいる
大きな大きな美しいウロコもようの
偉大なトカゲの神様が
ごろごろ ごろごろんと
大きな四つの世界の卵を産んだ。
だけどもかみさま子育て嫌い。
誰かに子守を頼もうね。
ひとつめ卵は賢い姉神に
ふたつめ卵は剛毅兄男神に
みっつめ卵は愛くるしい妹神に
よっつめ卵は末弟に。
これが大地の世界の始まり、始まり。
ばあさま息継ぎ、そのすきに
母さん負けじと歌い取る(※)
いもうと女神は喜んだ
たいそうたいそう歓んだ
跳ねて転げて歌って躍った、
「世界の卵を貰ったわ!」
女神が歓び歌うので
仲間の神々やって来て
一緒に跳ねて、歌って躍った
「世界の卵を育てよう!」
女神が歌うと、大地ができた。
仲間が歌うと、泉が湧いた。
女神が躍ると、天空ひらけ、
仲間が躍ると、日月湧いた。
タンタタ、
タンタタ、
タンタタ、
タン!
「たんたた、たんたた、たんたた、たん!」
この物語が歌われたときにはいつものことですが、
音律につれられて子どもたちと若者たちがいっせいに
神々と一緒に踊り始めてしまったので、
焚き火のまわりは賑やかに、
手の舞い、足の踏むところもたりないほどになりました。
みなみなそれぞれの大好きな神になりきって
たいそうな舞の名手ぶり。
とうとう眠くなってしまった婆さまが
焚き火に灰をかけました。(*)
「今日の語りはもうおしまい。
続きは明日、またあした!」
第 二 夜
のちのちの世に大地界を訪れた球地人《楠木律子》は、
その手記のなかでこのように大地の神話を書き残した。
「大地世界の神話」聞き書き・一
昔々、四世界の元となった〈界卵〉を「産んだ」のは、始源界の女神《わんがまぁま》。
その一の球を預かったのが《リースヒェン・サラル》、叡智界の女神。
その二の球を拝領したのが《グ・ァヒィ・ギルグ》、暗洞界の男神。
その三の球を賜ったのが、我らが大地の主女神、《マライアヌ・デア・ドライム》。
その四の球を任せられたのが、末弟、と呼ばれる《てぃぁす・らぁる》。
のちに四界の界境監視に配置された仮の守護神が、月女神《レ・リナルディ・アイム》。 この神は始源神《わぁがまんま》の腹心で、ここまでが「掌界神」という位を持つ。
大地の世界の源である界の卵を賜り、それを無窮の大地の世界となすと定め育てたのが、大地界の主女神《マライアヌ・ディア・ドライム》。
その大地の世界に「泉がいるでしょう?」と、やってきた第二神が、知神とも呼ばれる治水神《ヨォーリヤ・スウィルトウィト》。この男神はまた大地の副主神とも呼ばれた。
地がひらき泉が湧くに際して「緑が欲しいよね?」とやってきた女神が、大地界すべての樹木と草花の母とも呼ばれる女神《あるまーりえ・えるー・むーりあ》。この神はまた主女神の親友であり、大地界の幸運数である「第三女神」とも呼ばれ、慕われる。(同じ「第三」だが、主女神とは別の女神である。)
四番目にやってきたのが、すべての「うごくもの」の守である両性の神《タ・マル》。
この四神を「大地の世界の四主神」と呼ぶ。上級の神々である。
大地の女神《マァ=ラィア》のもとに豊穣なる土壌と砂礫と岩石と地盤と岩盤と岩山や山脈などなどの〈めったに動かぬもの〉たちを育て保つ下位の神々が群れ従い、治水神《ヨォ=リーヤ》のもとには泉や小川や滝や大河や沼や湖や海や、靄や霞や霧や雨や雪や雹や霰や風や嵐などの〈つねに動き回るもの〉たちを司る下位の神々が群れ集い、緑の神《ア=ルゥマ》のもとにはすべての樹木や草花や苔たちやを守り育てる下位の神々が寄り集い、命の母《タ=マァ》のもとにはすべての生命を育み見守る神々が集まり集った。
大地世界の子どもたちの命名のさいにしばしば語頭に〈マ〉〈ヨ〉〈ア〉〈タ〉の音が付け加えられるのは、これらのそれぞれの神々の守護を望むことを意味している。
「大地世界の神話」聞き書き・二
四主神たちと下位の神々とは実際には分け隔てられることも支配や指図を受けることもない気軽で対等な間柄で、和気藹々と群れ集い、歌い踊り楽器を奏し、笑いあい愛しあいながら世界を広げたと伝えられている。または、昼はそれぞれの作業に分かれそれぞれに歌いながら額に汗して大地を広げ生き物を育てる作業にいそしみ、夜は群れ集って野営を築き、よごと歌い踊り宴と祭をくりひろげて物語や器楽のうでを磨き、披露しあいながら、大地を育てる巡幸の旅をつづけた、とも伝えられている。
そのなかで神々や精霊達が特に気にかけ好んでいた噂話があった。
本来なら〈始めの四世界〉のうち一つを賜り、その界主神になると目されていた実力者《ヨォ=リヤ》が、《マァ=ラィア》と離れがたく思うがために界掌神の位を蹴って大地界の副主の座を選び、格下の女神の補佐役にまわったのではないか、という憶測であった。
当の大地女神は笑って「まさか!」と答え、治水神も笑うばかりで内心を明かすことはなかったが、神々と精霊たちと樹族や草族たちはことあるごとに集まっては、その秘かな恋の進展に憶測をめぐらし、あれこれと物語り、やきもきと気をもみ気を回したりするのが常のことであった。
ところですべての〈うごくもの〉の母である《タ=マァ》とその眷属たちは、小さき命から初めて順々に、ありとあらゆる這虫や羽虫や鳥や獣や魚や獣種人たちを生みだし育て増やしていったが、ついに自分たちの姿に似せた二本足のつるりとした生き物を生み出すところまで進んでいった。
そのころには無窮の大地世界の上にも下にも緑の命が満ちあふれ、そのさなかに生まれ出たばかりの二本足二本腕たちは「女神の愛し子」を意味する〈マ・リアヌ〉(=人間)と名付けられ、大地と泥のなかをころげまわりながら、元気に育ち、愛し合い、子どもを産み育てて、いきおいよく増え始めていった。
そのマリアヌたちのうち特に新しく生まれ育った若者らが、見目よく利発で素直なよいできばえであったので、《た=まぁ》は、その頃すこし離れた場所で《大地の背骨山脈》を育てていた大地造営を業とする神々らのところへ、自慢がてらに見せに連れていった。
「まぁ…」大地の主女神はうっとりと呟いた。
「あの黒髪の巻き毛の男の子がとても気に入ったわ。私に育てさせてくれない?」
女神があまり熱心にその人間の子どもを溺愛するので皆が少し呆れて見ていると、数年ほどして、女神がころころ笑いながら言った。
「私、妊娠しちゃったわ!」
下位の神族と上位の人族とが性愛をもって交わることは異界においては先例がないでもないとはいえ、やはり界主神ともあろう高位の女神の放逸に、大地界の神々と精霊たちは驚倒し、まずとにかく水神ヨォリヤの心情を案じたが、当の水神は「そんな気はしていたよ。」と、にこにこ笑いながら女神の豊穣を祝うばかりで、傷心のようには見られなかった。
次に神々は上界神マンマワァガの心証を案じたが、これもまた「おのが界内では好きに振る舞うがよい」と容認したとの報を伝え聞いて、大地世界の神々らもまた安堵して半神半人の愛子の誕生を祝う支度を始めた。
ただ、秩序と潔斎を好む知求界の主神リーシェンソールだけはこの放縦を秘かに忌み、それ以後、大地世界への訪問が絶えた、と伝えられている。
とき満ちて女神はすこやかな娘を産み落とし、《半神女マァ=リス・テア》と名付けられ、大地世界のすべてのものたちから愛されておだやかに育っていった。
女神の娘の父親たる男人はその誠実なる人柄と女神への敬意から、自然と人族マリアヌの束ねの長をつとめるようになった。その彼を深く愛し、ながく我が元にとどめたいと願った女神の界寿命を分け与えられて大地界では初の《長寿人》となり、わが娘の緩やかな成長をむつみ、女神と誠心誠意をこめて穏やかに愛し合い、幸せな暮らしをしていた。
大地と山脈はすこやかに広がり、緑は豊かに伸び育ち、動くものらは自由に遊び回り、神々と精霊族と人族や樹人たちは、日ごと夜ごとに愛を語り合い、食べ呑み、歌い踊った。
このころが大地世界のもっとも豊かで笑いに溢れた時代であったと語り伝えられている。
「大地世界の神話」聞き書き・三
神界において女神マライアを親しく教え導いていた姉神リーシェンソルトは秩序と純潔を重んじる性格で、豊穣にして自由な大地世界では神族と人族の恋慕も混血もありという放縦を快く思わず大地への訪いも途絶えがちとなり、ひきこもって天球界の奥深く、学求と瞑想のみの日々を過ごすようになった。
これを不興としたのが闇洞界ボルドムの長、男神グァヒギルグである。この神はかねて女神リーシェンに邪恋を抱いていたが、清冽な女神は闘争と流血を好む武勇の神を忌避し、暗洞界に足を踏み入れることは絶えて無かったため、男神が女神にまみえる機会といえば、ともに大地世界の祝祭などをを訪れるときしか無かったからである。
女神がますます気むずかしい日々を送り、恋情に耐えかねた男神が天球界を訪問すると冷たく門前払いを喰らうばかりで、ついに逆上して暗洞軍を率いて界境を侵し、力づくで攻め入り、これを遮ろうとした天球族らを情け容赦なく血祭りに上げ、女神のこもる奥城へと押し寄せた。
あまりの掟破りに女神は憤って即座に天球界の存続を不可とし、現界での写し身を放擲して魂の輪廻回廊へと神去り帰還してしまった。男神がこれを嘆き悲しみ、女神の亡骸を抱いて身も世もなく泣き喚き、おのれの苦しみに対する報復として、天球界をことごとく焼き滅ぼせと自らの軍に命じた。
はじめ闇洞界軍はまっしぐらに奥の院をめざし、そこから逆に攻め広がってきたので、光球界の周辺部にいて自力で界間を渡ることのできた者たち、とくに翼光族と飛仙族らは、危急を告げ救いを求めるために急ぎ大地世界へと界廊を渡り落ちのびた。
ことを聞いて驚愕した大地女神が光球界へ向かい、兄を厳しく諫めると、逆上した兄神は、光球界を瞬時に殲滅せしめた闇洞大軍を、血に飢えた勢いもそのままに、大地世界へと送り込んだ。
大地に戦の備えなどなく、あるのはただ器楽と舞踊を愛し楽しんで生きるための大地の十箇条の一、「食べないものは殺さない」という基本の掟だけであった。
「あんな不味そうなもの、食べられない!」
押し寄せてくる敵の大群をみて神々と人々は慨嘆して一斉に逃げ出し、動くことを厭う樹人族たちもこのときばかりは一斉に根を抜き枝を振って大地の上を疾駆して逃げ出した。
もちろん力あるものは振り向き振り向きして強風を起こし激流を涌かせ、大地を裂き、断崖絶壁を穿って押し寄せる闇軍族を追い払い攻め防いだが、数の極まりを知らぬ敵たちをひとたりも殺すことなく防ぎきることは不可能だった。
兄神は泣き叫ぶ妹神の腕を掴んで引き留め、そのさまを見せて娯しみ哄笑していた。
逃げ遅れた大地の一族の弱い群を救出するために馳せ戻った強い者らが、追撃する闇軍に追いつかれて討ち滅ぼされた。その時、敵陣に倒れようとする大地女神の夫をとっさに、水神が庇い、落命した。
事態の収束を太神マンマワァガに訴え請うた。太神は裁定者として高位の女神《レ・リナル・ディ・アイム》を遣わし、
大地世界物語
第二巻 女神の遠き孫
大地世界物語
第三巻 皇女戦記
大地世界物語
第四巻 大地と地球の物語
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