生体用三次元物質推進装置には肩か腰につける一点大型ものと手首足首の計4か所に装着する分散型とがあって、使い分けは人それぞれの生活習慣や居住環境にもよるが、惑星内長距離移動を必要とする業務や生存限界挑戦型の観光や動楽に参加する者たちにとっては大型2連(肩腰連動)と手首足首の合計6点を同時装着するのが定番で、航空気密泡と併用して高度数千mの惑星上空を生身で駆けぬける楽しみはなにものにも代えがたいと、年収の大半を費やして最新型の高級商品を買い求める者があとをたたない。

 複数の最高研究機関によって「タイムパラドックスは創れない」ことが実証され、航時航次機の汎用普及型が販売許可されて以来、六翼を派手に輝かせて地球古代史上空を飛び交うものが一気に増えたのは、まぁ、いたしかたのない現象ともいえた。


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