最低賃金
 引き上げ 待ったなし

 貧困解消にも 景気回復にも

 全国の最低賃金額の「目安」を答申する中央最低賃金審議会(略)の審議が大詰めを迎えています。

 働いても、まともに生活できない貧困状態を解消するために決定的な役割をもつ最低賃金。
 生活の改善と景気回復に向けて、大幅引き上げが緊急に求められています。

 最低賃金額が生活保護費より少ない「逆転現象」が、昨年の3道県から今年11都道府県に拡大した-。今月10日、厚生労働省が発表した資料で明らかになりました。

 これは、生活保護費のうち住宅扶助が増えたことなどによるもので、生活保護基準が改善されたわけではありません。

 生活保護は、憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するものです。
 しかし、現在の生活保護は最低生活が困難な水準です。

 働いて手にする賃金が、その生活保護水準すら下回るという異常な状態を解消するために、2007年に最低賃金法を改正し、「生活保護に係わる施策との整合性に配慮する」(9条)と規定しました。

 しかも、最低賃金の引き上げは、景気回復に直結します。
 大企業系のシンクタンクや幅広い識者から、デフレや円高の原因は、労働者の非正規雇用化と賃金の低迷があると指摘され、内需拡大にむけて賃上げが必要だとする主張が相次いでいます。

 政府も、10年6月に(略)2020年までに達成すべき最低賃金の目標を「全国最低800円、全国平均1000円」としました。(略)

 なのに、現実の最低賃金額は、全国平均で737円です。

 最高で東京の837円。最低は岩手、高知、沖縄の645円です。(略)

 政府の目標は、「最低限度の生活」を保障する額から見れば通過点でしかありません。全労連や加盟労組などで実施した最低生活費調査では、どこでも時給1200~1300円台(単身世帯)が必要だという結果が出ています。

 貧困と格差の拡大を解決するうえでも、景気回復にとっても、最低賃金の大幅引き上げは、もっとも優先して、すぐに実現すべき政策です。

(行沢寛史)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2012.07.21.)


 欧米主要国に比べ最低水準

 日本の最低賃金は、欧米主要国に比べて最低の水準です。(略)
 日本の最低賃金は、平均時給が737円です(2011年)。
 これに対し、
 アメリカは0831円、
 イギリスは1099円、
 フランスは1265円、
 オランダは1296円(略)です。
 欧米では、1000円を超える水準があたりまえになっています。

 しかも欧米諸国では、さらに水準を上げようと、毎年のように最低賃金を上げています。(略)米国は、07年から09年までの3年間で41%も引き上げました。
 この引き上げで実際に賃金がアップした労働者は、540万人にのぼります。

 最低賃金が低いアジアでも、最近、大幅に引き上げる動きがめだっています。
 中国は、15年までの5年間で2倍にします。(略)

 このように、世界各国は、貧困と格差をなくし、人間らしい労働を実現するために、また健全な経済成長のために、最低賃金を大幅に引き上げています。

(日本共産党国民運動委員会・筒井晴彦)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2012.07.21.)


◇「市政を考える、コーケイヤクを考える公開授業」

 25日(水)午後0時40分~2時10分、
 北海学園大学豊平キャンパス7号館3階D30番教室
(札幌市豊平区旭町4)。

 ゲスト=上田文雄=札幌市長。

 参加無料。

 問い合わせ=同大学経済学部・川村雅則研究室(略)

(くらしの情報・北海道)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2012.07.21.)



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