(2012.02.01.00:33~入力)
 善き人たらん、と

 映画「善き人」(独・英)をみた。

 母親の介護と、病気がちな妻に代わって2人の子の面倒をみるベルリンの大学教授ハルダーは、過去に書いた小説をヒトラーに気に入られてナチス党への入党を勧められた時、断れる状況になかった。

 ずるずるとナチに協力させられた結果、ヒトラーの親衛隊(SS)幹部の地位にありながら親友のユダヤ人医師の強制収容所送りを止められずにがくぜんとする。

 もし善き人たらんとナチへの協力を拒否したらどうなるか。

 エリートの歴史学者ストラスブール大学教授のマルク・ブロックはナチスに銃殺された。

 同じく歴史学者のフランクフルト大学教授E・カントロビッチは故国を捨て渡米を余儀なくされた。

 ナチズムによって学問も痛恨の歴史をたどった。

 映画から、欧州では今日も過去の歴史を忘れずに向き合う姿勢を感じた。


 昨年末の日韓首脳会談で、イ・ミョンバク大統領は日本軍「慰安婦」問題の解決を野田首相に迫った。

 野田氏は、「慰安婦」問題は解決済みと表明し、逆にソウルの日本大使館前の「慰安婦」を象徴する「少女の像」の撤去を求めた。

 国際社会が一致して求めているのは、ドイツのホロコースト、日本の「慰安婦」問題への 反省 である。


 過去の歴史に向き合わないで未来はない。


(春)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2012.01.31.)


>映画「善き人」
 http://yokihito-movie.com/

>逆にソウルの日本大使館前の「慰安婦」を象徴する「少女の像」の撤去を求めた。

 アンブリッジ・野田……(--#)……★
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B8#.E4.BA.BA.E7.89.A9

 文芸時評(略)
 変化の方向を見定める重さ

 守るべき生活を考えることが未来に向かうものだとしたら、過去をふりかえり、そのときの生活が守るに値したものだったのかの検討をしなければならないときがくる。

青木陽子「紫陽花」(『民主文学』)は、かつての植民地の町に育った女性の目を通して、過去と現在、未来をつなぐものを見定めようとしている。

 大連で育った喜久子は、当時の経験を「九条の会」で話すことになるのだが、それが現在の活動とどのようにつながるのかを考えあぐねている。

 回想のなかの大連は楽しい思い出であり、それが日本の植民地支配の上に成り立った生活であることを、みずからの感覚としてつかみきれない。(略)

 当時のことを話しながら、そこにあった〈理不尽さ〉を、あらためて思い起こす。

 日本の敗戦で変わってしまった現地の人たちとの関係を、今まで支配者としてやってきたことを考えると仕方のないことだと納得した。(略)

 植民地をもち、他国を侵略することを当然のこととした時代(略)を、このまま続けていいのかという問いかけになる。(略)

〈自分にとっての戦争〉を考えることは、〈戦争体験〉の多様性を実感するとともに、「九条の会」や、それ以外の社会にかかわる活動を通して、これkらの生活の姿を考え、かつてあゆんだ道を繰り返さないことでもある。

 そこにいたるまでに60年以上の月日が必要だったとしても、喜久子の認識の深まりをとおして、過去・現在・未来を連続したものとしてとらえて変化の方向を見定めることの重さが語られているのだ。

(岩淵 剛)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2012.01.31.)


>「九条の会」
 http://ja.wikipedia.org/wiki/9%E6%9D%A1%E3%81%AE%E4%BC%9A
 =「エクスペリア~ムズ!!」の、会。
 (^w^)g


>『民主文学』
 http://www.minsyubungaku.org/minbun/index.htm

 「民主主義(文学)に乾杯!」w


※このへんも、「参照」で……。
 http://elitwindmw.diarynote.jp/201201311923149589
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-08-27/2005082707_03_3.html

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