Ｓさんは店長といいながら、年収は３００万円だった。／「“安い”“便利”の裏では、働く人が犠牲にされている。」

　ＳＨＯＰ99　「名ばかり管理職」裁判
　勝利の報告集会

　安売りコンビニエンスストア「ＳＨＯＰ９９」元店長のＳさん（＊原文本名）（３１）が権限のない「名ばかり管理職」だったとして、未払い残業代と健康を害した慰謝料の支払いを命じた東京地裁立川支部判決に対し、会社側が控訴を断念し、Ｓさんの勝利が確定しました。

　首都圏青年ユニオンは１５日夜、東京都内で勝利報告集会を開き、５０人が集まりました。
　Ｓさんは、「“安い”“便利”の裏では、働く人が犠牲にされている。私以外の争議にも連帯して、運動を続けていきたい」とあいさつ。組合の仲間から笑顔で花束を受け取りました。

　Ｓさんは２００６年入社後、わずか９カ月で「店長」にされ、残業代なしの過酷な長時間労働で健康を壊し、休暇を余儀なくされました。
　判決は、会社側に対し、未払いの残業代や慰謝料など１６４万８３７６円を支払うよう命じました。

　笹山尚人弁護士は、「Ｓさんの支援が広がることで、業務内容を証言してくれる元店長も名乗りをあげてくれた。運動で勝利した」と述べました。
　河添誠書記長は、「Ｓさんは店長といいながら、年収は３００万円だった。低処遇の正社員も多い。勝利を労働条件を改善する力にしたい」と強調しました。

　Ｓさんは、健康を回復させて復職したいと望んでおり、組合では、ＳＨＯＰ９９を運営するコンビニ大手ローソンの完全子会社、九九プラス（本社・東京都新宿区）と団体交渉を続けていく予定です。

（日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
　機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
　2011.07.17.）