「保険」つながりで。
 受給者の立場で考える
 厚生年金掛け捨て問題

 60歳から65歳まで払った年金保険料が掛け捨てになるケースがある-厚生年金をめぐって、こんな問題が浮上し、反響が広がっています。1986年に構築されたオンラインシステムの欠陥だ、との指摘を独立行政法人・日本年金機構は否定しません。どういう問題なのか、年金受給者の立場から考えました。


 「システム欠陥は明白」

 東京都町田市在住の(略)さん(65)は、65歳を目前にした2010年2月27日に退職。前年の11月、年金相談センターに年金見込み額を出してもらいました。その額は、加入期間470カ月で約204万円(年)。ところが退職後のことし4月に届いた年金決定通知書は、同411カ月で約179万円。加入期間59カ月分をカットし、約25万円も少ない額でした。
 「なぜか」。この問いに、年金機構側は、繰り返し「間違いだった。改定する」と(略)さんに回答してきました。ところが、10月になって突然、「間違いではなかった」と理由も示さず、それまでの回答を180度変えました。これが、問題の出発点です。
     ◆
 年金見込額や決定額を算出する同機構のオンラインシステムは、同様のデータを前提に計算します。見込み額も決定額もほぼ同額のはず。違っても、納付保険料と推定保険料との違いなどによるわずかな額です。
 にもかかわらず、25万円も違う年金額が出るのは、「システムに誤りがある」(略さん)からです。つまり、オンラインシステムの欠陥以外考えられないということです。
     ◆
 問題を複雑にしているのが、「退職改定」という制度。(略)さんは2月27日に退職した時点で、60歳から65歳まで支払われる、特別支給の老齢厚生年金を受給しようとしました。この年金は、在職している60歳以降の加入期間が、年金額に反映されません。退職すると、1カ月の経過観察を経て、在職していないことが確定すると、1カ月前にさかのぼって60歳以降の加入期間も年金額に算入します。これが退職改定です。
 これまでは、(略)さんのようなケースでは、「特別支給の老齢厚生年金」の受給権を認め、退職改定してきました。社会保険庁時代のパンフレットでも「退職して再就職することなく1カ月が過ぎたときは、退職までの期間を含めて年金額が自動的に改定されます」と退職改定を認めています。いまのオンラインシステムでも年金見込み額は、退職改定された年金額が出てきます。
 ところが、年金機構側は、(略)さんは3月に65歳になった時点で老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給資格を得て、特別支給の老齢厚生年金の受給権は失効するため退職改定はしない、としています。
 (略)さんは「オンラインシステムの欠陥が明らかになることを恐れて、それを隠すために、退職改定をしない年金決定額は正しいという解釈を押し通そうという意図を感じる。しかし、一方で現在も見込み額は退職改定をした年金額となっている。システムの欠陥は明白だ」と話しています。
     ◆
 (略)さんのように、65歳を前にして退職し、1カ月以内に65歳になるという人は、数多くいます。しかも、年金機構によると、現在のコンピューターシステムが作られたのが1986年。過去24年間、そして今も掛け捨てという事態が繰り返されていることになります。

(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2011.01.06.)


>過去24年間、そして今も

 ……あ~……★

 ウチ(実家)の愚母も、多分、これだ……★(==;)……★



コメント

最新のコメント

日記内を検索