(2010.10.05.未明入力)

 話は飛びますが、こちらは「一方的に上げまくる」そうです……
 ★(==#)★
 国保広域化 何をもたらすか (上)

 いま市町村が運営している国民健康保険(国保)。その運営主体の「広域化」を民主党政権がおしすすめています。厚生労働省は、期限を区切って全国一斉に都道府県単位の運営に変える方針を打ち出し、着々と準備を進めています。「広域化」は国保加入者に何をもたらすでしょうか。



 際限なく保険料上昇

 国保の保険料(税)は市町村ごとに違いますが、高すぎる保険料が滞納者を増加させる悪循環で、どこも財政難に陥っています。


 一般財源入れず

 全国の市町村は一般財源を国保会計に繰り入れ、保険料の上昇を抑制する努力をしています。年間の繰入額は全国で約3700億円に上ります。
 ところが厚労省は広域化にあたって、都道府県ごとの標準保険料の算定方法を法令で定め、一般財源の繰り入れをなくす方針です。そうなれば、今でさえ所得200万円の4人家族で年間40万円にもなるような高い保険料が、さらに高騰します。高齢化などで医療費が増えるにつれて、際限なく保険料が上がる仕組みになります。
 現在、保険料滞納世帯は2割を超え、31万1千もの世帯が正規の保険証を取り上げられています。無保険状態に陥り、受診が遅れて命を落とす例が後を絶ちません。
 保険料がさらに上がれば、滞納増加→財政悪化→保険料上昇→滞納増加という悪循環に拍車がかかります。国民の命を支える最後の砦(とりで)である国保の「崩壊」を加速する道です。
 懸念は保険料の値上げにとどまりません。
 現在、国が定めた保険料の減額制度に上乗せして独自の減免を行っている市町村があります。患者の窓口負担に対しても市町村で減免が行われています。住民が運動で勝ち取ってきた成果です。


 住民から遠のく

 広域化されると、これらの独自減免が失われかねません。
 また、保険運営組織が住民から遠のき、声が届きにくくなります。現在でも大きな自治体ほど、保険料滞納者の実情を無視した機械的な保険証とりあげを行っていると指摘されます。
 もう一つは保険料の強引な徴収です。
 厚労省は広域化に向けて保険料の収納率を上げるようせき立てています。5月19日には、収納率の向上、保険料の引き上げ、医療費「適正化」(抑制)などを進めるよう都道府県に通知まで出しました。市町村ごとの収納率のばらつきや国保財政の赤字、一般財源の繰り入れを「早期に解消」するためです。
 すでに各地で強引な取り立てが行われています。福岡市では滞納者の預貯金などの差し押さえが3年間で9倍化。わずか2千円の郵便貯金を差し押さえる事態も起きています。
 厚労省の広域化案では、都道府県ごとに標準保険料率を決めた上で、収納率の低い市町村の保険料率を高くする方向です。広域化後も保険料徴収は市町村の役割とされています。市町村は無理な取り立てに駆り立てられます。

(つづく)
(杉本恒如)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2010.10.04.)



コメント

最新のコメント

日記内を検索