朝鮮学校無償化除外に反対して
さらに 「私たちのうた」 を
さる8月1日、私が呼びかけ人となり、詩人・歌人・俳人(以下詩人と総称)79名による『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』を刊行した。(略)昨今、内向きと言われる詩人が差別問題に対し、集団で、しかも作品で抗議をするというのは、異例であり快挙である。(略)
参加者のうち24名は在日の詩人である。かれらの多くはこれまでハングルのみで書いてきたが、「ここで日本社会に対し声を上げなければ」と、日本語による詩作に初挑戦した。もちろん、かれらの胸には日本語で書くことへの違和感はよぎったはずだ。だが自分たちの魂の故郷である学校を奪わないでほしい、という切実な思いが、大きな一歩を踏み出させたのである。24名の詩には、読者に直接的な感動を与える力強さがみなぎっている。
一方、日本の詩人がこの問題に向き合うのも、簡単なことではなかった。政治と歴史の複雑が絡まるから、というだけでなく、根底にある差別という問題が、限りなく内省を強いたからだ。差別への憤りは必然的に、それに無関心だった自分への怒りとなる。
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私たちはまず、自分が朝鮮学校について何も知らないという事実を突きつけられた。なぜ朝鮮学校が日本にあるのか。朝鮮人はバッシングに傷つきながらも、なぜ朝鮮学校を死守しようとするのか。そこで朝鮮語を学ぶことが朝鮮人にとってどうして大切なのか-。それらの問いかけに答えるためには、まずみずからの経験と日常を振り返る必要があった。
世代と生き方によって、在日朝鮮人問題の認識はさまざまである。また受け止める感受性や資質の違いもある。その結果、寄せられた作品の切り口とモチーフはじつに多様多彩となった。戦前強制連行されてきた労働者との交感や、戦後差別に追われ祖国へ帰国した友人への苦い思い、あるいは教育者や被爆者や母親の立場からのまなざし、急増する児童虐待と除外問題の連関を看破する視点、そして差別を許してきた社会への分析と怒り-。それぞれが固有な切り口で、まるで切り立った壁をよじ登るように書き上げた、と言える。
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(略)解き放たれたのは私の方だった。除外問題を通し、日本人こそは、えたいの知れぬ力によって他者から分断され、孤独に陥っていると私は痛感したのである。問題の背景には、この社会に蔓延(まんえん)する深刻な孤独があると確信している。
今回、私たちは朝鮮学校を守らなくてはという思いで結集した。その過程で日朝双方の詩人の心から解き放たれたものは、大きかった。この共鳴の波動を絶やしてはならない。さらに「私たちのうた」を模索し、共にうたい続けていきたい。
※ 『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』についての問い合わせは、刊行会事務局(略)
(河津聖恵)(かわづ・きよえ 詩人)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
2010.09.10.)
旧石器研究の今 (中)
明治大学教授 安蒜政雄(あんびる・まさお)さんに聞く
- 日本列島の旧石器時代は、一体どこまで古くさかのぼるのでしょうか。(略)
朝鮮半島から大きな移住
朝鮮半島を経由か
安蒜政雄 (略)その確認は学界に与えられた課題の一つです。そして、この課題に取り組むとき、朝鮮半島の旧石器時代が一つの参考になるでしょう。なぜかというと、朝鮮半島には、後期旧石器時代はもちろんのこと、中期旧石器時代以前の遺跡も数多く残されているからです。そのうえ、日本列島の後期旧石器時代は、朝鮮半島を経由した移住民がもたらせた可能性が高いのです。また、後期旧石器時代の中頃にも、朝鮮半島から日本列島への2度目の大きな移住がありました。
- その朝鮮半島の後期石器時代は、どのようにして始まったのでしょうか。
安蒜 調査が進んでいる朝鮮半島南部(韓国)の湖南地域では、後期旧石器時代の遺跡の約3割が、中期旧石器時代の遺跡と同じ場所に重なり合っています。いいかえると、残る7割ほどが後期か中期のどちらかの遺跡で、その数は中期旧石器時代を1とすると後期旧石器時代がほぼ5の割合です。そうしたことから、はじめは中期旧石器時代の立地を受け継ぎ、やがて数を増やしながら新しい居住環境を生み出していった、後期旧石器時代の遺跡の在り方を知ることができます。
- 日本列島にも当てはまりますか。
安蒜 関東平野では、これまでに数千カ所にのぼる後期旧石器時代の遺跡が発掘されています。朝鮮半島の事例にもとづいて中期旧石器時代の存否を探ろうとすれば、後期旧石器時代の遺跡を掘り下げて、武蔵野ローム層中に同じ立地の遺跡があるかないかを確認するのも一手立てだと思います。(略)
- 日本列島最古の遺跡を見極めるためには、隣接する大陸や半島との関連性をよく理解する必要がありそうですが。
ヒトとモノの動き
安蒜 地球は後期旧石器時代の中頃に最終氷期で最も寒冷な時期を迎えて、海面が下がる海退がおこり、日本列島と周辺の大陸・半島との距離がせばまったり陸続きとなりました。このとき、日本海を取り巻く東アジアのヒトとモノの動きが活発となり、環日本海旧石器文化回廊が開いて、左回りで朝鮮半島を起点とする石器づくりが九州へ、右回りでシベリアを起点とする石器作りが北海道へと、それぞれ伝わります。
(つづく、「上」は8日付に掲載)
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2010.09.10.)
……私には、左回りと右回り、両方の血脈が入っているんだよ~♪
o(^w^)o 考古学って、スゲェおもしろいよね!
東学農民革命
戦跡を訪ねて
(大阪・吹田市(略)62歳)
今年は「韓国併合」100年。亡き父が1910年生まれで、中学・高校の歴史の教科書では、覚えやすい出来事でした。連載「『併合』100年 日本と韓国」を期待して読んでいました。
8月12日から韓国旅行に行ってきました。「東学農民革命の戦跡を取材する旅」でした。
1894年に全棒準(チョン・ボンジュン)たちは王朝にたいして反封建を掲げて蜂起しましたが、出兵してきた日清両軍を撤兵させるため、王朝と和約を結びます。
しかし、日本軍による王宮占拠事件が全国に伝えられるや、東学農民軍はソウルをめざして再蜂起します。農民軍は近代的武器を装備した日本軍と各地で激戦をくりかえしながら珍島で全滅します。
いまもその教えは「天道教」として韓国各地に伝えられています。3.1独立運動は、この東学農民革命運動からもその精神を受け継ぎました。第3代東学代表の孫乗照(ソン・ビョンヒ)が、3.1独立宣言を朗読しました。いまもタプコル公園には独立運動の様子を描写したレリーフが立っています。
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2010.09.10.)
「くたばれ! カイザー!」
(……笑……)
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