不明の高齢者
 行旅死亡人か

   (東京・杉並区(略)74歳)

 100歳を超えた行方不明の人を「行旅(こうりょ)死亡人」というそうです。新しい言葉だと思っていましたが、『広辞苑』には「旅行中に死んで引きとるものがない者。行き倒れ」とありました。しかし、いまの行方不明の人々は、決して旅行中の死者ではないように思います。
 生死不明のまま30年以上も家族と顔をあわせていない人、死んだとわかっているのに、家族に年金をもたらしている人、近所づきあいもないまま死体で発見された人。そういう人に行旅死亡人という呼び名はふさわしくありません。
 プライバシーを守ることは大切かもしれませんが、その裏で高齢者や弱者につらい思いを強いる社会になっていないでしょうか。行旅死亡人は、旅に病んで夢は枯れ野をかけめぐる世界のような呼び方で、悲惨な実態を隠してしまうように思えてなりません。
 実態をきちんと表現する呼び名を考えてあげることが、社会の矛盾点を明らかにすることだと思います。

(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2010.09.06.)


 ……ユリアン、言葉は大切に使いなさい……。




 (^^;)”

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