軍拡の口実/軍事同盟の正当性は仮想敵を「つくること」/ソ連崩壊後在外米軍は半減/「中国・北朝鮮脅威論」/ウソで固めて強行した戦争/イラクで大量破壊兵器は見つからなかった。
2010年8月29日 ★【 戦争 反対 】★ + ★【 圧政・強制 反対 】★従属の同盟 安保半世紀
日米同盟の行方 ①
仮想的なき世界で
あらゆる軍事同盟の正当性は、「仮想敵」によって説明されてきました。
日米同盟は旧ソ連を最大の仮想敵とし、米国によって、アジア全域を視野に入れた「反共の砦(とりで)」として位置付けられてきました。「ソ連脅威論」は、日米同盟強化・自衛隊軍拡の口実でした。
しかし、ソ連崩壊により状況は一変します。旧ソ連を中心とした東側軍事同盟は崩壊し、米国を中心とした西側同盟も存在理由を失いました。ソ連崩壊後、在外米軍兵力は約61万人から約28万人と半数以下に減少し、現在、実態的に機能している軍事同盟は日米、米韓、米豪、北大西洋条約機構(NATO)だけです。
平和の枠組み
ソ連に代わる新たな脅威を探りつづけてきた日米両政府にとって、千載一遇の機会となったのが2001年9月の米同時多発テロでした。これを契機に、日米同盟は地球規模に深化しました。しかし、「対テロ」戦争は無残に失敗します。
一方、仮想敵を前提としない地域共同体や、平和の枠組みが広がりました。なかでも、主権尊重、紛争の平和解決、武力行使の放棄を掲げる東南アジア友好協力条約(TAC)は世界54カ国が加入し、世界人口の68%に達するなど、大きな広がりを見せています。
世界規模での相互依存の高まりにより、「仮想敵」をつくること自体、現実性を失いつつあります。
日米同盟を支持する複数の専門家に、「同盟関係の終わりはいつか」と質問しました。共通する答えは、「米国の国力低下が顕著になったとき」です。
米国の情報機関を束ねる国家情報委員会(NIC)が08年11月に発表した「グローバル・トレンド2025」は、中国やインド、ブラジル、ロシアなどの台頭で世界が“多極化”する一方、25年までに「軍事力を含め、米国の力は減少し、影響力は限定的なものになる」ことを、始めて認めました。
新しい基軸を
米国はいま、イラク・アフガニスタン戦争の失敗による深刻な戦費負担と戦死者の増大に苦しんでいます。08年の金融危機で、経済面でも米国の優位は崩れ、何でも米国の思い通りになる時代は過ぎ去りました。
日本では、日米同盟の強化を最重要任務としてきた自民党政権が終わりました。日本は、日米同盟に代わる外交・安全保障の基軸を見いだす時期に来ているのです。
しかし、一時は「緊密で対等な日米関係」を掲げた鳩山民主党政権の無残な変質に見られるように、日本政治における日米同盟依存の根深さは相当なものがあります。
それを合理化する最大の根拠として拡大・再生産されているのが「中国・北朝鮮脅威論」です。新たな自衛隊海外派兵の拡大も模索されています。
今回の連載では、日米同盟合理化論の実情を見ながら、日米同盟のゆくえを考えます。
(つづく)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
2010.08.29.)
主張 米戦闘部隊 イラク撤退
憲章違反の侵略進めた責任
イラクから今月、米軍の戦闘部隊が撤退しました。オバマ米大統領は31日、ホワイトハウスの執務室からテレビ演説を行う予定で、イラクでの「戦闘作戦」の終了を宣言するとみられます。
今回の区切りまで、戦争は7年半近くに及んでいます。イラクの国土は荒廃し、民間人の犠牲者は約10万人。戦火を逃れ厳しい暮らしを強いられている人々は国内外に350万人もいます。米兵の死者も4400人を超えました。
「誤った戦争」
オバマ大統領はイラク戦争を「(米国が)選択した戦争」と呼びます。強いられた戦争ではなかったとすることで、戦争に突き進んだ判断の誤りを認めています。
開戦前、米国はイラクが大量破壊兵器を保有していると主張しました。それが戦争の口実にすぎなかったことは、国連査察による疑惑解明の可能性を、開戦によって強引に断ち切ったことでも明らかです。実際、イラクで大量破壊兵器はみつかりませんでした。
米国はイラクに対して、自らがつくった青写真による「体制転換」を押しつけようとし、意にそわないフセイン政権(当時)を軍事力で転覆したのです。イラク戦争は米国が自ら望んで、ウソで固めて強行した戦争でした。
これが違法な戦争だったことはとりわけ重大です。ブッシュ前米政権は国連安保理事会にイラク開戦への同意を迫りましたが、それは国連を都合よく利用しようとしたにすぎませんでした。安保理は開戦を認めませんでした。米国は世界の世論を振り切ってイラクに侵攻したのです。それは侵略行為そのものであり、国連憲章に反した違法な戦争でした。
国連憲章は紛争を平和的に解決するよう求めています。そのうえで、平和に対する脅威、破壊、侵略行為に対しては、安保理の決定によってのみ軍事措置がとれるとしています。
イラク戦争を「誤った戦争」としてだけでなく、「違法な戦争」だったと認めることが必要です。それこそが、国連を中心とした真の多国間協力の基礎を築くことになります。
ブッシュ前政権は、違法な戦争への“国際的支持”を装うためにも、米国に追随する同盟国などに派兵を求め、「有志連合」に組織しました。当時の小泉純一郎政権もその先頭に立ちました。
「どこが非戦闘地域で、どこが戦闘地域かと、今この私に聞かれたって、わかるわけないじゃない」-「非戦闘地域」に限るとされた自衛隊の派兵が米政権の言うがままだったことを、小泉首相自身の発言がさらけ出しました。
政府はいまも「誤った戦争」と認めていません。戦争を無批判に支持した政府判断の検証は不可欠です。
派兵の検証を
自衛隊派兵の検証について、岡田克也外相が「将来の課題」としていることは、国民の期待に反するものです。派兵は国連憲章と憲法を踏みにじる重大決定であり、日本政府はいまこそ真剣に反省すべきです。
戦闘部隊は撤退したものの、イラクにはなお5万人の米軍が駐留しています。米国防総省は「戦争が終わった」との見方を否定しています。完全撤退まで動向を監視するとともに、イラクの復興を支援していく必要があります。
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
2010.08.29.)
>「どこが非戦闘地域で、どこが戦闘地域かと、今この私に聞かれたって、わかるわけないじゃない」
参照>http://85358.diarynote.jp/201008270858341759
>「オレだって機会があれば殴りたかったっ!」
……ってことで、オリジに戻り?ますよ……☆
w(^w^;)w
コメント