(2010.08.23.入力)
 ALD(副腎白質ジストロフィー)親の会
 “障害は不幸じゃない”

 患者数が全国に200人足らずの難病・ALD(副腎白質ジストロフィー)。「ALDを多くの人に知ってほしい」とALD親の会の代表(略)は、日々奔走しています。
 (略)弟で長男の光太郎さん(20)は幼いころ、元気な子どもでした。かけっこはいつも1番。5歳でアルファベットが読めました。
 ところが、幼稚園の年長クラスのとき、上履きのまま帰宅する、ひんぱんにおねしょをするなどの変化が。壁をよじ登ったり降りたりを繰り返すなどの行動障害が現れ、医療機関を受診。ALDと診断されました。
 ALDは、遺伝子異常で中枢神経と副腎が侵される難病です。知的障害、性格の変化、運動障害、聴覚・視力低下などが現れます。注意欠陥他動性障害(ADHD)や学習障害(LD)と誤って診断され、病気が進行することが多いといいます。
 光太郎さんの命を救うため、姉の骨髄を移植し成功。しかし、病気の進行が早く、寝たきりになり無表情で声も出さなくなりました。


 治療法探して

 (略)活発だったころの光太郎さんの写真を胸に涙を流し、「こうちゃんは食べることもできないのに」と自分の空腹感さえ疎ましく思いました。
 「こうちゃんと気持ちを共有したい。こうちゃんが必死で生きているのに、私が立ち止まるわけにはいかない」-。光太郎さんはまばたきやわずかな首の動きで気持ちを表し、(略)さんはそれをとらえられるようになりました。
 24時間態勢の必死の看護が7年間続きました。世界中で行われている訓練法や治療法などを探し、試す日々。疲れ果て、光太郎さんのそばにいられなくなってしまった時期もありました。
 不安な毎日を過ごすなか「悩みを分かち合いたい」と2000年、親の会を立ち上げました。3家族からはじまり、現在、50家族に。
 親の会は、年に数回の会報で、会員の生活情報交換や最新治療研究の報告などを発信。5年前から夏に勉強会を開くまでになりました。


 仲間が広がる

 全国各地から(略)さんに相談の電話がかかってきます。「そばにいてあげるだけでいいのよ」。不安や悩みに寄り添うように答える(略)さん。「仲間が広がり、親の会が、大きな支えになっています」
 会員は「一人じゃない、がんばれる」「勉強会は私にとって一番の元気の源です」などの声を寄せています。
 昨年7月、家族で行った静岡・伊豆の水族館でのこと。
 群をなすイルカのうちの1匹が、プールサイドにいる光太郎さんのそばを離れようとしません。やっとの思いでそのイルカに触れた瞬間、普段は声を発しない光太郎さんが「あ~」と歓声をあげました。それから徐々に笑顔に。
 「あきらめずに毎日を大切に生きていると、すてきなことが実現するんです」(略)
 「障害のある生活はとても不便だけど、決して不幸ではない。究極の幸せがある」。(略)さんは、活動を通して発信し続けます。

(岩井亜紀)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2010.08.22.)


 障害のある子どもの
 教育改革提言

 荒川智 編著
(全障研出版部・1700円)

 全国障害者問題研究会が3月に発表した「教育改革提言」に関する解説を中心に、乳幼児期の療育システムやフィンランドの実践にも触れながら、インクルーシブ(包摂的)な学校や地域社会をどう創造すればいいかを論じています。「提言」が目指す「社会への完全かつ効果的な参加」のためには、障害のない子も含めた学校教育全体との連動が大切だといいます。

(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2010.08.22.)


◆多田富雄著『寡黙なる巨人』
(集英社・571円)

 今年4月に亡くなった免疫学者の渾身(こんしん)の書。旅先で脳梗塞(こうそく)に倒れ右半身不随と声を失い、一時は死の誘惑にかられます。リハビリを始めてから、「巨人」と著者が呼ぶ、内なる「新しい人」が生まれるのを実感する闘病記を含むエッセー集。

(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2010.08.22.)


 段差解消の駅増える

 国土交通省はこのほど、1日あたりの平均利用者数が5000人以上のJR、大手私鉄・地下鉄の駅2808駅のうち、段差解消(バリアフリー)した鉄道駅が2329駅(83%・3月末時点)となり、前年度比5ポイント増加したと発表しました。
 JR四国は全駅が段差解消し、JR九州は84%の駅が解消。JRで最も低い解消率は、JR北海道(71%)でした。JR6社全体では79%です。
 大手私鉄・地下鉄の鉄道会社では、小田急電鉄、仙台市交通局、京都市交通局、福岡市交通局で全駅が段差解消。解消率が低いのは、南海電気鉄道(63%)、東京地下鉄(66%)、近畿日本鉄道(69%)となっています。
 鉄道全駅の9484駅のうち段差が解消しているのは4613駅で、48.6%となっています。

(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2010.08.22.)


 「バリアフリー」なんて言葉すらまだ知られてなくて、「障害者は施設か家に閉じこめておけ!」と公然と怒鳴りつけていた我が愚母のよーな下劣なやからが横行していたほんの20年前から比べると、48.6%の解消率でさえ、「それが計算され、注目されている」という一点で、もはや「隔世の感」である……。

 医師や看護師ら
 結核に集団感染

 茨城

 茨城県は21日、同県龍ヶ崎市中里の龍ヶ崎済生会病院(略)の医師や看護師ら16人が結核に集団感染し、うち3人の発病が確認されたと発表しました。患者への感染は確認されていないといいます。
 同病院などによると、30代の女性看護師が5月に肺結核に感染。看護師にはぜんそくの持病がありますが、2月ごろからせきやたんなどの症状を訴えていたため、同月以降に接触した可能性のある職員ら計126人の健康診断を行った結果、ほかに医師1人と看護師7人、事務職員4人の幹線が判明しました。また看護師の家族3人の感染・発病も確認、これとは別に職員ら15人に感染の疑いがあることが分かりました。
 県によると、感染した医師や看護師らは投薬治療を受けており、患者らに結核菌を感染させる可能性は低いといいます。

(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2010.08.22.)



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