弁当(500円)/孤独死を身近に感じる人は42.9%/生活に困窮する生徒が「100円朝食」の授業実践/「100円あればちゃんとした朝食が食べられるんだなと思った」
2010年8月20日 【 反 ★ 貧困 ! ! 】高齢者の孤立化防ぐ
手渡し弁当サービス
全国各区地で100歳以上の高齢者の所在が不明になっています。その背景には、地域社会で孤立化する高齢者世帯の増加があります。高齢者の孤立化をどう防ぐのか-。ある地域の取り組みに同行しました。
“「こんにちは!」の声が楽しみ”
東京・東村山
「こんにちは! 浪漫亭です」。ドアを開けてカラフルな布に包んだ弁当を会員の高齢者に手渡します。
浪漫亭は、NPO法人「結」(黒田誠理事長、東京都東村山市)が運営する事業の一つ。1人暮らしの高齢者などを対象に弁当(500円前後)の配達サービスを行っています。
現在、年間約7万7000食を配っています。
黒田理事長は「会員の安否確認もできるので、原則、手渡しで配達しています」と話します。浪漫亭の目的は、「誰もが安心して住める街づくり」です。
東村山市内の公団住宅の3階に1人で暮らす女性(87)は、毎日昼食を注文。「1人でいると心細い。『こんにちは!』の声が楽しみなんですよ」。腰が悪く、つえを利用しても歩くのが困難なため、ほとんど外出しないと話す女性。「近くに住む民生委員さんが気にかけてくれて、ちょくちょく訪問してくれるのがありがたいです」
毎日だから安心
同市内の都営住宅の3階に住む男性(70)は、6年前に離婚しました。同じ棟に浪漫亭の弁当仲間が3人います。「弁当の配達に来ると、冷たい飲み物をあげたりして、話をしているんだよ。毎日来てくれるから、万一のときも安心だよ。所在不明の事件は、ひとごとではないね。弁当がいくつかたまっていたら、民生委員に連絡してくれよ」と笑って言います。
男性の緊急連絡先は民生委員。浪漫亭の会員登録書には、緊急連絡先の欄がありますが、男性のように親族ではなく民生委員や病院職員などの場合も少なくないといいます。
「親類も知人の連絡先も明らかになっていない人が、一番気がかりです。所在不明の高齢者の多くは、こうした人たちではないのか」と黒田理事長は指摘しまっす。
内閣府が全国60歳以上の男女5000人に行った調査(4月発表)によると、孤独死を身近に感じる人は42.9%にものぼります。
同調査では「地域で高齢者が困っている家庭があった場合、しようと思う手助けがありますか」との問いに80.3%の人が「何らかの手助けをしようと思う」と回答しています。
行政支援もっと
しかし、同調査によると、実際に取り組んでいる人は半数にも満たないのが現状です。
「地域の高齢者を守りたい」という地域住民の思いを実際の取り組みに結びつけるためにも、「住民の福祉の増進を図ること」が使命である地方自治体の積極的な支援が重要になっています。
浪漫亭は2006年度に、それまで徐々に削減されていた東京都の助成金が完全に打ち切られ、厳しい運営を強いられています。
黒田理事長は「財政が厳しいからと助成金を打ち切るようでは、きめ細やかな地域づくりはできません。行政の支援がもっと必要です」と訴えます。
(岩井亜紀)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
2010.08.20.)
安価で手づくり 元気出そう
100円朝食 実践報告
教育のつどい きょう閉会
「100円でも、ものすごくたくさんの料理ができた!」。生活に困窮する家庭や安定した家族関係を築くことが難しい生徒が少なくない札幌市の札幌白稜高校では、「100円朝食」の授業実践をすすめています。(略)
2年生の家庭科を担当した(略)教諭は、簡単な「朝食アンケート」を行いました。朝食を食べる習慣があるか、どんなものを食べているかなどを聞くものです。
「朝食はほとんど食べない」が37%、「時々食べないことがある」が32%でした。「時間がない」「食べる習慣がない」などが理由です。
「ハンバーグは冷凍(が)あるっしょ」という生徒の言葉。「おれ、3カ月、テイクアウトばっかり食べてて、家では料理してない」という生徒もいます。
「食の安全・安心、鮮度、家庭の味付けなどを話しても、安価で手間がかからず、なるべく料理しないで食べられる生き方をしてきた生徒には絵空事かもしれない」と(略)さんは悩みました。
そうしたなか、朝食を100円で学生に提供している大学の学食を試食する機会があり、これが家庭で可能かどうかを考えて練り上げたのが「100円朝食」の実践です。
「家庭科の授業で、将来の自立につながるような体験をさせる」というのがねらいです。
(略)さんは、冬休みに「100円朝食」を考えて作るという課題を出しました。自分で作る、栄養バランスがよい、安くて早くできる、できれば一汁三菜で-というのが献立の条件です。休み明けにリポートを提出させ、そのなかから選んだものを調理実習で作ることにしました。
選ばれた「100円朝食」は、「ご飯、卵焼き、鶏ささみのわさび和え、しらすおろし、ポテトスープ」でした。ちゃんと一汁三菜になっています。
生徒から出された自習リポートには次のような感想が述べられていました。
「かかっているお金は安くても、おなかいっぱい食べられることがわかった。休みの日などは自分からすすんで作るようになりたい」「100円あればちゃんとした朝食が食べられるんだなと思った」「こんな簡単な献立でも、栄養バランスがいいのがわかった」
学年末には保護者への郵送物に、この「100円朝食」の授業を紹介した「家庭科通信」を同封しました。
(荻野悦子)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
2010.08.20.)
>かかっているお金は安くても、おなかいっぱい食べられる
>100円あればちゃんとした朝食が食べられる
>簡単な献立でも、栄養バランスがいい
不肖ワタクシ、ここ数日間、「一日100円」の食費で、(それなりに元気に健康に満足して)生き延びておりますが……
なにか? w(^w^;)w””
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