強大な軍事力を誇示／挑発策動／米国はすべての対話を拒否し、戦争演習と圧力強化へ進んでいる

　米韓、日本海で演習開始

【ソウル＝時事】韓国哨戒艦沈没事件を受け、米韓両軍は２５日、北朝鮮への対抗措置の一環として、日本海で過去最大規模の合同軍事演習を４日間の日程で開始しました。これに対し、北朝鮮は「許し難い軍事挑発」などと反発しており、一段と非難を強める恐れがあります。
　今回の演習は米韓両軍の結束と強大な軍事力を誇示し、北朝鮮の新たな挑発行動を抑止するのが目的。米韓はこれを皮切りに、今後数カ月間にわたって韓国および黄海を含む周辺海域で一連の合同演習を実施する計画です。
　演習には米韓の陸海空軍と海兵隊の約８０００人、イージス艦や潜水艦など艦艇約２０隻、航空機約２００機が参加。米海軍横須賀基地（神奈川県）を事実上の母港とする原子力空母「ジージ・ワシントン」が展開したほか、米空軍嘉手納基地（沖縄県）に一時配備中の最新鋭ステルス戦闘機Ｆ２２も初投入されます。
　演習では、北朝鮮の攻撃を想定した潜水艦の探知・攻撃訓練や会場射撃訓練を実施。また、空中給油や空対地攻撃訓練のほか、サイバー攻撃への対応訓練も行う予定です。
　日本からも、米韓海軍から招待を受けた海上自衛官がオブザーバー参加。背景には、米韓両軍と自衛隊の緊密な連携を示し、朝鮮半島有事の際は日米韓の協力体制が整うことをアピールする狙いがあるとみられます。
　米韓は８月にも年次演習「乙支（ウルチ）フリーダムガーディアン」と対潜水艦訓練、１０月には大量破壊兵器拡散防止構想（ＰＳＩ）に基づく海上封鎖訓練を行う計画。
　北朝鮮は「核抑止力に基づいた報復聖戦を開始する」と警告し、米韓を強くけん制しています。


　北朝鮮が反発

【ソウル＝時事】朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省報道官は２４日、米国の対北朝鮮追加制裁措置や米韓合同軍事演習の実施に対し、「われわれは核抑止力をさらに多角的に強化し、強力な物理的措置を取ることで対応する」と警告しました。同通信記者の質問に答えました。
　北朝鮮は同日午前に発表した最高権力機関、国防委員会の声明でも「核抑止力」に言及しており、３回目の核実験の可能性を改めて示唆することで、自国への圧迫を強める米国を重ねてけん制した格好です。
　報道官は「米国の挑発策動は、われわれが定めた禁止ラインを越えるものだ」と強調。「米国は朝米会談や６カ国協議をはじめ、すべての対話を拒否し、戦争演習の強行と制裁を通じた圧力強化へ進んでいる」と主張しました。（略）

（日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
　機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
　2010.07.26.）