「メディアが伝えないイラク」
 放送フォーラム
 高遠菜穂子さんが語る
 真実が伝わらない「報道の壁」

 高遠菜穂子さん。2003年のイラク戦争直後から、イラクや周辺国でボランティア活動を続けながら、日本国内では伝わらない「イラクの真相」を発信し続けてきました。このほど市民団体「放送を語る会」が開いた放送フォーラムで、「メディアが伝えないイラクの現状」と題して語りました。


 すさまじい破壊
 
 トラックから次々と降ろされる黒い袋。中から現れたのは、真っ黒に焼け焦げウジ虫に覆われた遺体…。「これがイラクで起こった現実です。目をそらさないでください」。映像を映しながら、高遠さんは静かに語ります。
 映像を撮影したのは、高遠さんとともに活動しているワセック・ジャシム氏。04年の米軍による「ファルージャ総攻撃」直後、米軍が市民に77体の遺体を引き渡した時の模様を撮影したものです。
 「すさまじく破壊されたファルージャの街や、米軍が遺体をミートフックや装甲車で引きずる光景を見て、ワセックさん自身『レジスタンスになろうと思った』と語っていた」
 しかし、当時のイラク報道の構図といえば、“正義”の米軍(多国籍軍)対テロリスト(武装勢力)。高遠さんが初めてイラク入りした03年5月、日本では暴徒が文化財を略奪する映像が流れていました。一方、高遠さんが活動するファルージャ市民は「略奪しているのは米軍」「市民が意味もなく殺されている」と証言していたといいます。
 なぜ、真実が伝わらなかったのか。背景に「報道の壁があった」と高遠さんは指摘します。“動くものは標的”にするほどの米軍の無差別攻撃。外国から乗り込んだ武装勢力のアルカイダは自爆テロで市民を巻き添えにしました。「外国人はみんな同じだと、市民は取材を拒否したのです」
 ジャーナリスト側も、虐殺の事実を隠そうとする米軍や武装勢力の標的となりました。「当時、ジャーナリストが一番気を付けていたのが米軍に捕まること」。高遠さん自身、米軍に2回捕まった経験を持ちます。とくに、米軍が市民を大量虐殺したファルージャ市を含むアンバール州では、多くのジャーナリストが狙撃され命を落としたといいます。


 戦争の検証必要

 04年4月、高遠さんはファルージャ近郊で地元の抵抗勢力に拘束されます。解放後、待っていたのは「自己責任」というバッシング。苦しみながらも、イラクの隣国・ヨルダンを拠点に医療・生活物資などの支援活動を継続しています。
 いま、日本で力を注いでいるのが、日本政府に対して大義なきイラク戦争を支持・支援した是非を検討するよう求める活動です。
 「イラク戦争では15万人もの命が奪われました。子どもたちに奇形や先天性疾患の割合が激増しています。彼らの無念を晴らすためにも検証が必要です。民主党は自衛隊のイラク派遣に反対したのなら、ぜひ実行すべきではないでしょうか」
 高遠さんの訴えは、国内メディアの「イラク報道」にも向けられています。

(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2010.06.15.)


>04年の米軍による「ファルージャ総攻撃」直後、米軍が市民に77体の遺体を引き渡した時の模様

 この映像を私も(高遠さんの解説で直接)見たことがあります http://85358.diarynote.jp/200803230403440000/ が、「直後」には遺体の引き取りも埋葬も「許可されず」に…… 死後1~2カ月も野ざらしにされ、野犬に手足や内臓を食いちぎられて骨がむきだしになり、腐敗ガスで内部からパンパンに膨れあがり、親族が身内を必死のおもいで捜そうとしても元の人相の判別も全くつかない状態で、1km先まで届くようなすさまじい腐臭を放っているため、DNA鑑定などと考えるどころではない、とにかく一刻でも早く埋めてしまうしかない、しかし、米軍がいかなる残虐な行為をしたのか、せめて非人道兵器による損傷遺体の実像などを、映像だけでも残そう…… という、悲惨な状態のものでした。

 テレビで放映できたのは、ごく「無害な」部分のみであろうと思います。

 国際刑事裁規程 再検討会議
 「侵略犯罪」を定義

 ウガンダの首都カンパラで行われていた国際刑事裁判所(ICC)の設立条約「ローマ規程」再検討会議は12日未明、侵略犯罪の定義と訴訟手続きを含む同規程改訂に関する決議を全会一致で採択、閉会しました。新規程は締約国での承認手続きを経て2017年以降に発効します。


 “提訴の安保理決議”の制約も

 侵略犯罪の定義は、1974年12月の国連総会決議に基づき、「国連憲章に明白に違反した武力の行使で、侵攻、爆撃、封鎖あるいは他国に第三国を攻撃させるための領土利用の容認を含む」と規程されました。
 しかし決議は、「侵略行為を判断する権限は第一義的に国連安全保障理事会にある」とし、ICCへの提訴には国連憲章第7条に基づいた安保理決議が必要だとしています。安保理決議がない場合には、ICC検察官あるいはローマ規程締約国も提訴できるとしていますが、安保理決議で裁判手続きを停止できるとしています。
 アムネスティ・インターナショナルなどの人権団体は、ICCの独立性を脅かすと強い懸念を表明しています。
 また、再検討会議決議は、国際紛争での毒ガス、特殊弾など残虐兵器の使用を戦争犯罪とした規程第8条を改定、国内紛争にも適用することを決めました。
 一方で、「自国民による犯罪または自国の領域内で行われた犯罪」についてICCの裁判管轄権を逃れる宣言を締約国が行うことができる「経過条項」(124条)については、撤廃期日を当初の今年から15年まで5年延期するという妥協が成立しました。
 ICCの活動は、米ロ中の安保理常任理事国のローマ規程不参加で大きな制約を受けています。しかし、今回の会議には米国が代表を派遣し、藩基文(パン・ギムン)事務総長が開幕演説のなかで「オバマ大統領の下での再参加の意向の表明」として歓迎を表明しました。一般討論が終わった4日に採択された同会議のカンパラ宣言は、非締約国の加盟促進によるICC強化を訴えています。

(夏目雅至)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2010.06.15.)


>他国に第三国を攻撃させるための領土利用の容認を含む

 自国内に米軍基地を多数「存続」させている日本も、当然この規程に違反しています……。

 ベトナム戦争勃発から50年
 映画で見る戦争の真実

 過去の過ちに学ぶ
 
(飯田雅子)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2010.06.15.)


 ……長いので本文省略……☆(後日、余裕があったら入れるかも……☆)

 (^^;)””


 追記情報/たまさんの日記より。
 http://wiredvision.jp/news/201006/2010061522.html


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