横須賀港
放射性廃棄物を搬出
米原子力空母
日米合意踏み破る
米海軍は16日、横須賀基地(神奈川県横須賀市)を母港とする原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)艦内っから、今年1月から行われている原子炉などの定期修理に伴う放射性廃棄物を搬出しました。(略)
作業は強い風雨のなか、午前10時45分ごろに開始。放射性廃棄物が入っていると見られるコンテナがGWの格納庫からクレーンを使って艦の外に運び出され、米海軍MSC(軍事海上輸送軍団)がチャーターした米国籍の貨物船ハリエットに積み込まれました。(略)米ワシントン州のピュージェットサウンド海軍造船所で最終処理される予定です。
「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」の(略)代表は、「明らかに日米合意であるエードメモワールに違反する」と批判。「コンテナの中身や量も明らかにされず、日本政府が確認する手続きもない。危険な1次冷却水などが含まれている可能性もある」と指摘しました。
米の放射性廃棄物搬出
「安全性」の根拠をすりかえ
(略)これまで日本政府は放射能事故に対する住民の不安をかわすため、GWの定期整備は「放射線の管理を必要としない通常のメンテナンス」(略)だと説明してきました。
しかし、昨年1~3月に原子炉の修理や放射性廃棄物の搬出が行われ、これが虚偽の説明だったことが明らかになったため、日米両政府は新たな偽りの論理を持ち込みました。
それが、GWからの「放射能にさらされた固形廃棄物の横須賀における移送に関する合衆国政府からの説明」なる文書(4月10日付)です。
同文書は、米原子力艦船の「安全性」の根拠とされる1964年8月17日付エードメモワールなどに示した「合衆国政府のコミットメント(誓約)に合致している」として、放射性廃棄物の搬出を正当化しています。
しかし「説明」は、エードメモワールの重大なすりかえを行っています。
第一のすりかえは、「固形廃棄物は、…通常の原子力潜水艦によって合衆国の沿岸の施設又は専用の施設船に運ばれたのち包装され、かつ、合衆国内に埋められる」という記述に関するものです。素直に読めば、艦船自体g、放射性廃棄物を米国まで運ぶと解釈できます。
ところが、「説明」は、「通常の原子力潜水艦によって」の部分を意図的に省略して引用。GWから放射性廃棄物を搬出して貨物船に移し変えることが、エードメモワールに合致しているかのように見せかけています。
第二は、「放射能にさらされた物質は、通常、外国の港にある間は、通常の原子力潜水艦から搬出されることはない」との記述に関するもの。これも、GWの横須賀停泊中は、放射性廃棄物の搬出は行わないと読むのが常識的です。
ところが、「説明」は、「この『搬出される』とは、日本の陸上に搬出されるという意味と理解される」としています。
さらに、「通常の原子力潜水艦の燃料交換及び動力装置の修理を日本国又はその領海内において行うことは考えられていない」との記述に関して、「動力装置」を「推進装置」に、「修理」を「メンテナンス」に言い替えるという“小技”まで使っています。
もともと、64年のエードメモワールは、原子力潜水艦の日本への一時寄港に関する覚書であり、原子力空母の常駐を想定したものではありません。矛盾が生じるのは当然です。しかし、エードメモワールを「安全性」の根拠とした以上、これを明文通りに守る責務が日米両政府にはあります。
(略)
(竹下岳)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
機関紙「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
2010.04.17.)
Tweet
最新の日記
<<
2025年5月
>>
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
27 | 28 | 29 | 30 | 1 | 2 | 3 |
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
日記内を検索
コメント