イラク派兵
 鳩山内閣が正当化

 政府は19日、2003年に当時の米ブッシュ政権が主導する「有志連合」が開始したイラク戦争を小泉・自公政権が支持し、イラクに自衛隊を派兵したことにつちえ、「違憲となるとは考えていない」などとする答弁書を閣議決定しました。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が提出した質問趣意書への答弁。20日はイラク戦争開始から7年になります。


 戦争支持の検証棚上げ
 赤嶺議員に答弁書
 野党時の主張翻す

 鳩山由紀夫首相は昨年11月の臨時国会で「イラク戦争は誤り」と答弁していましたが、今回の答弁書の内容は、この首相答弁や民主党が野党時代に主張してきたことと相反するもので、自公政権時の姿勢と何ら変わらないものです。
 質問主意書は
 ①イラクに対する武力行使は国際法に違反するか
 ②自衛隊のイラクへの派遣は憲法に違反するか
 ③イラクへの武力行使を支持し自衛隊を派遣した当時の政府の判断は誤っていたか
 ④イラク戦争を支持し自衛隊派遣にいたった経緯を検証すべきだ-
 というもの。
 答弁書は、イラクへの武力行使は「国連安全保障理事会の決議により、国際法上正当化されるというのが当時の政府の考え方であった」とし、現政権としての判断を回避。イラク特別措置法に基づく自衛隊のイラク派兵については、活動の実施区域が「非戦闘地域」であるなど同法の規定に従えば「違憲となるとは考えていない」と表明しました。
 イラク戦争を支持し、自衛隊を派遣した当時の政府の判断については「異なる判断もあり得たのではないかとの考え」もあるなどとしながら、検証については「将来の課題である」と答え、鳩山政権として行う考えのないことを表明しました。
 民主党は野党時代、イラク戦争について、国連憲章をはじめとする国際法の原則に違反していると主張。イラクへの自衛隊の派遣は憲法上の疑義があるとして、イラク特措法に反対し、当時の自公政権の対応を批判しました。
 政権発足後も、鳩山首相は、「イラクに対し戦争を始めること自体が誤っていた」(09年11月2日、衆院予算委員会)と発言していました。


 前政権と同じ対米追随
 赤嶺議員の話

 米兵によるイラク攻撃は、国連憲章に基づく世界の平和秩序に重大な汚点を残し、イラクの人々に甚大な犠牲と苦しみを与えてきました。今回、鳩山内閣が、イラク戦争を支持し、自衛隊を派遣してこれに加担してきた当時の政府の対応について、過去の民主党の主張にも反し、何らまともに答弁しなかったことに強い憤りを覚えます。これでは、自公政権時代の対米追随外交と何も変わりません。

 日米両政府は、日米安保条約改定から50年を迎えた今年、日米同盟を深化させるとしていますが、この問題は、今後の日米関係と日本外交のあり方にかかわる重大問題です。鳩山内閣が、イラク戦争と自衛隊派遣に関する検証と総括に正面から取り組むことを強く求めたい。


 何のための“政権交代”だったのか
 イラク戦争答弁書

 数十万人とも100万人ともいわれる死者と、国内外で数百万人もの避難民をつくりだしたイラク戦争開始から7年。それと時を合わせたかのように閣議決定された今回の政府答弁書は、その犠牲を悼み、平和への新たな決意を表明するにはほど遠いものとなりました。
 そして、半年前に民主党中心の新政権が誕生したのは、いったい何のためだったのかということを、改めて考えさせられるものでもありました。


 自公の考えなぞる

 答弁書は、日本政府によるイラク戦争支持と自衛隊派兵について、当時の自公政権の考え・判断をなぞることに終始し、その検証を「将来の課題」に追いやってしまいました。
 米国と一体にイラク戦争に加わった英国でさえ、独立調査委員会が設けられ、政府高官らの証人喚問が進んでいるのに、です。
 沖縄・米軍普天間基地問題での迷走・逆送、日米核密約はなかっとする立場の表明につづく今回の答弁書。イラク戦争を、現地を含め間近に取材したものにとって、新政権の政策的後退は、わずか半年でここまで来てしまったのかという感すらあります。
 重大なのは、イラク戦争の評価に現れた政府の姿勢が、日米軍事同盟をめぐるすべての問題に連なっているということです。


 数千人の民族殺害

 2004年11月、イラク中部ファルージャ。米軍は1万5000人もの兵力を投入し、数千人の住民を殺害するという、まさに殲滅(せんめつ)作戦を行いました。
 このファルージャの悲劇は、大量破壊兵器除去、テロリスト掃討という戦争の「大義」がまったくのうそっぱちで、侵略戦争そのものだということを象徴するものでした。そして、虫ケラのように動くものすべてを銃撃したその攻撃の最前線に立ったのが、沖縄の海兵隊の部隊だったのです。
 自公政権と同様、鳩山政権もこのイラク戦争の無法を認めないのであれば、それは結局、“侵略力”としての米海兵隊の役割にも目をふさぐことになります。
 そうなれば、必然的に、普天間基地の“移設先探し”をさらに混迷させ、絶対に解決できない袋小路に自らを追い込むことになります。
 何よりも、戦争の誤りを認めないということは、その誤りを再び繰り返すことにつながります。
 果たして、新政権にその自覚はあるのか。(小泉大介)


 緊急に検証するべきだ
 元自衛隊イラク派兵差止訴訟弁護団事務局長
 川口創 弁護士

 民主党が野党時代からいっていたことは何だったのでしょうか。検証の必要性について、将来のこととするという姿勢では不誠実。英国やオランダなどもイラク戦争について検証をおこなっています。今、日本政府がやるべきことは、イラク戦争とそれへの当時の政府の対応について、緊急に検証をおこなうことです。真摯(しんし)な態度を示すことが必要です。


(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関誌「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2010.03.20.)


>検証については「将来の課題である」と答え、鳩山政権として行う考えのないことを表明しました。

 自前の頭を使う気がないなら、もぎとって、捨てちまえ★

 民主党は、与党じゃなくて、夜盗だ。

 ★(==#)★

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