もんじゅ耐震性を承認
経産省作業会合
運転再開今月中か
経済産業省原子力安全・保安院審議会の作業会合「地震・津波、地質・地盤合同ワーキンググループ」が11日、同省内で開かれ、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」の耐震性について、同院がまとめた報告書を最終的に承認しました。
もんじゅは、1995年12月にナトリウム漏れ・火災事故を起こしてから止まったままですが、原子力機構は今年度中の運転再開をめざしています。医院から出された質問に、原子力機構が「今後、努力したい」と答えるにとどまる場面もありましたが、「およその合意が得られた」として審議を終了しました。
原子力安全・保安院がまとめた報告書は、今後、内閣府の原子力安全委員会が保安院の結果を審議します。同委員会の承認が得られれば、原子力機構は地元の福井県と敦賀市の同意を得て運転を再開する構えです。
活断層地帯に立地の異常
解説
高速増殖炉「もんじゅ」がある敦賀半島とその周辺には、多数の活断層があります。もんじゅは、燃料に毒性の強いプルトニウムを使い、冷却材に見ずや空気にふれると激しく反応するナトリウムを使うなど、さまざまな危険性を抱えています。活断層が集中する場所にもんじゅをつくること自体、異常です。
原子力機構が耐震安全性を評価するために選定した活断層だけでも五つあります。
このうち、白木-丹生断層は、原子炉建屋の西側、数百メートルを南北に走っており、長さ15キロで、マグニチュード(M)6.9の地震を引き起こすとされています。M6.9は、東京電力柏崎刈羽原発に大きな被害が出た2007年7月の新潟県中越沖地震(M6.8)を上回ります。
原子力機構は、08年3月になって初めて直近に活断層があることを認めました。
そのうえで、想定される地震の最大の揺れ「基準地震動」を、それまでの466ガル(ガルは揺れの強さを表す加速度の単位)から、600ガルに変更。09年2月には、さらに760ガルに引き上げました。今年2月に国に提出した改訂版では、それでも安全性は確保されるとしました。
施設は、基準地震動をもとに、ある程度、余裕度を持たせてつくられています。しかし、度重なる基準地震動の引き上げで、一部の設備は余裕度が小さくなってきています。
この間、原子力安全・保安院の審議会のワーキンググループや原子力安全委員会は次々、再開を容認する結論を出しています。この日の会合でも、「今日が最後ですから」などの発言が終了以前から出るなど、原子力機構のスケジュールに合わせたとしか思えない場面がありました。
原子力機構の都合に合わせて結論を出しているのだとしたら、もんじゅ運転再開に対する多くの国民の不安を解消することはできません。
(間宮利夫)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
機関誌「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
2010.03.12.)
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