(2010.02.23未明入力)
 テレビ・ラジオ 番組をみて
 NHKスペシャル
 ランドラッシュ
 (NHKテレビ、11日放送)
 解決の道に程遠い

 食糧危機が進むなか、世界規模で農地の奪い合いが進んでいます。番組は、外国企業の農地買収に伴って1万人に立ち退き命令が出されたアフリカ・タンザニアの事例やロシアなどに農地を求めて進出する日本、韓国企業の動向を伝えました。
 「信じられないようなことが起きていた」「背筋の凍る番組だった」-インターネット上にはこんな感想が目立ちます。
 番組が一定の問題提起になったのは事実です。しかし、その角度にはおおいに疑問があります。
 ウクライナやロシア沿海部を舞台に進む企業の農地争奪競争と日本の「敗退」を描き出し、このままでは日本人の食糧確保が危うくなるというのが番組のトーン。
 しかし、問題の本質はアフリカやアジアなど飢餓が深刻な国の農地が収奪され、さらに飢餓が促進されることのはず。ウクライナは飢餓国ではないものの、地球温暖化などの影響によって食料生産の変動が激しい国であり、2007年には輸出規制によって食料価格危機の引き金を引いた国です。
 飢餓大陸アフリカからの悲惨な農地収奪を伝えた「きょうの世界」(衛星①、1月9日放送)と異なり、この番組はアフリカやアジアの人々の命にかかわる農地争奪競争をあおりたて、政府と企業の尻たたきに終始していたという印象をぬぐい去ることができません。
 異常に低い自給率の結果、世界人口にして2%の日本は、世界貿易に出回る食料のうち10%を買いあさっています。これでも足りずに、前政権は日本企業の海外農地取得を後押しする仕組みをつくりましたが、番組はこれを継承し「官民一体で農地投資を進め、食料を多角的に確保する」と述べる現政権の政務官の姿も映しました。飢餓の解決の道筋から程遠いといわなければなりません。

(真嶋良孝 農民運動全国連合会副会長)
 日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関誌「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2010.02.20.)


>農地争奪競争と日本の「敗退」
>このままでは日本人の食糧確保が危うくなる

 だったら、そもそも、国内で「減反」だの、農政無策による農家の「廃業」だのに、さっさと歯止めをかけやがれ……!!

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