米原子力空母
整備時期なぜ隠す
神奈川県の米海軍横須賀基地の原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)の定期整備が、日米両政府が実施時期を発表しないまま1月から始まっています。地元住民や平和団体から「住民の安全を守るためにも公表すべきだ」と批判の声が上がっています。
横須賀基地
常時出撃の拠点に
GWの定期整備は放射線管理の必要な原子力プラントの整備を含め毎年1月から5月の4カ月実施することになっています。昨年11月23日にGWが横須賀へ帰港した際の米海軍ニュースでは「この冬、2回目の特別限定整備(SRA=年次4カ月整備)が横須賀で始まることが予定されている」としていました。
横須賀市基地対策課では「原子炉関連以外は始まっているようだが、米軍から連絡はない」としています。神奈川県平和委員会の菅沼幹夫事務局長は「原子炉プラント整備の台船にもテントが設けられ、準備が進んでいる」と指摘しました。
19日に在日米海軍横須賀消防署とGWの乗組員が整備期間中の事故を想定した救急訓練を艦上で行ったことが米海軍のホームページに掲載されましたが、整備自体についてはふれていません。
20日、原水協や神奈川県内の平和・市民団体が外務省に公表を求めたのに対し担当者は「時期は承知していない。(知っていても)米軍との関係で言えない」と答えました。
日米政府が整備時期を明らかにしない背景に、米軍が抑止力の名目でGWを西太平洋地域での軍事作戦に即応する態勢を維持することがあげられます。
米軍は空母全11隻のうち、アジア太平洋州地域で常時2隻程度の空母が作戦行動できる態勢を構築しようとしています。太平洋側に配備された6隻の空母のうちニミッツはアフガニスタン軍事作戦をほかの空母に引き継いだばかりで、まだ中東方面で行動中、カールビンソンはハイチ地震救援を行うなど太平洋での作戦行動が可能なのはステニスのみ。同艦は19日に母港のワシントン州ブレマートを出港し、日本近海に到着するまで1カ月近くかかります。GWが整備に入ればアジア地域で作戦可能な空母がいない空白状態となります。
GWは整備期間中でも30日以内に出撃できる即応態勢をとっています。整備期間を公表しないのは放射線管理の必要な危険な整備の実態を国民から隠し、横須賀を常時出撃可能な空母の母港として米軍の戦争の拠点にしようとしていることを示しています。
(佐藤つよし)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
機関誌「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
2010.01.30.)
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