ひと
 生活保護申請ガイドの本を
 配りホームレスを支援する

 信木美穂(のぶき・みほ)さん(42)

 「中学生のころから、年末には路上生活者に毛布を配るなど夜回りにいきました」
 大阪市東成区に生まれ育ち、カトリックの学校でホームレス問題を身近なこととして学びました。ボランティアの長い経験から、路上生活者を見る視点は的確です。「何もしていないのではなく夜中に仕事に行ったり、段ボールや空き缶を集めたり、必死に働いて生き抜こうとしている」
 東京都在住。上野公園などの路上生活者たちに臆することなく声をかけます。「貧困が見えなくされています。こうした社会がある限り、かかわり続けます」
 相談会にはお茶やお菓子を用意。「殺伐とした雰囲気にならないように。ホッとしてハッピーになってほしい」
 周りの人たちは「言い出したらきかない」と。本人は「優しい人と言われたことはない」と笑います。高校生の時、学んだ海外の難民問題。大学では社会福祉学を専攻。ソーシャルワークについて勉強しました。
 『路上からできる生活保護申請ガイド』は、生活保護の基礎知識や、路上からアパート入居までにぶつかる問題を想定。対処法を、自ら描いた4コマ漫画で解説しています。弁護士・司法書士が中心の「ホームレス総合相談ネットワーク」事務局長です。
 「路上生活から抜け出すと人間力を回復します。会話やあいさつにも、笑顔と元気が戻る。体は人であることを忘れていないんです。」

(文 菅野尚夫)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関誌「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2010.01.25)

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