(091214未明入力)
 フードバンク
“食べものの命大切に”が合い言葉
 広島・あいあいネット

 賞味期限が近い、包装の印刷ミス…。そんな理由で、まだ食べられる食品が大量に捨てられています。そんな食品を役立てる「フードバンク」という活動があります。広島市で活動するNPO法人「あいあいねっと」を訪ねました。

 築80年以上の古民家を拠点に活動する「あいあいねっと」(賛助会員58人)は07年に設立し、昨年5月から本格的に活動を始めました。
 事務所には、海苔(のり)がぎっしり入った段ボール箱、菓子やジュース、型抜きした野菜の残りなど、捨てられる予定だった食品があふれていました。
「集まる量の多さに改めてびっくりしました」ちおうのは理事長の原田佳子さん(57)です。
 フードバンクのおおまかな仕組みはこうです。(略)
 製造・卸売・小売業者から提供された、品質には問題ないのに廃棄予定の食品(余剰食品)を「あいあいねっと」が点検・整理し、福祉関係などのNPOや団体に無償で渡します。「あいあいねっと」は双方の団体と、食品の取り扱いに関する確認書を交わしています。
 提供する食品関連業者は7社、食品を渡すNPOなどは16になりました。「単に受け取る、渡すだけの関係ではなく“食べ物の命を大切にする”という活動の趣旨を理解して参加してもらいたい」(原田さん)と、業者もNPOなども会員になるのが条件です。
 「生協ひろしま」は、ラーメンや菓子など「独自の商品管理基準を超えた賞味期限内の商品」(略)を2月から出しています。捨てずに利用された食品は10カ月で1.3トンになりました。
 市内の海苔会社は、販売期限の短くなった在庫品などを提供。「食べられるのに市場に出せないため、これまでは廃棄していました。利用者に直接商品が渡る最前の方法です」と歓迎します。
 こうして現在までに扱った食品は10トン余に。
 食品の提供を受けるNPOオレンジハウス(心を病む人の作業所)の理事長、飯田勉さんは、「市の補助金で運営していて余裕がないので助かります。蕎はニンジンやサツマイモが来たのでサラダや豚汁をつくりました。調理実習をみんな楽しみにしています。と言います。
 ホームレス支援団体はホームレスの人が急増し、食事提供を毎日に増やしました。「野菜やパックごはん、調味料…、本当にありがたい」(略)



 食品廃棄=米収穫量

 製造・販売段階で出る食品廃棄物は全国で年間約831万トン(農水省調べ)。年間の米収穫量とほぼ同じです。このうち、まだ食べられる食品は300万~500万トンと推計されています。原田さんは「廃棄されたものは焼却され、二酸化炭素を出します。地球温暖化防止からもフードバンクは大事」と強調します。(略)

(君塚陽子記者)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関誌「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2009.12.13日号/日曜版)

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