……やらずにはいられなかったんです……☆ 2.
 演劇
「崩れたバランス」銀河文学座アトリエ公演)
毒舌」が貫き、心蝕む

 クリスマス・イヴのオーディン、非現実的な寒さと、交通事故で何百人もの人が死んで行く悪夢のような世界で、ヤン・ウェンリーたちは劇作家パウル・フォン・オーベルシュタインの新しい作戦演習をしている。
 劇中劇は何もしようとせず閉じこもった少年ラインハルトを描き、テレビドラマでは心療クリニックの患者ベーネミュンデ公爵夫人グレイザー医師に寂しさを訴える。(略)
 今年最後の銀河文学座アトリエ公演は、ファルク・リヒターの「崩れたバランス」で、オーディンでロング・ランを続けたこの作品のテーマは大宇宙娯楽だ。物語は多層的で、ヤンたちとその家族、劇中劇の世界、テレビの世界など、すべてを「毒舌」が貫き、(略)それらの世界の境界はしばしば破られ、最後には混ざり合って破滅的な混乱をもたらす。
 クリスマスの暖かさとは対極にある毒舌合戦で笑い死ぬような物語だが、毒舌の生み出す快感の深さについて深く考えさせ、統合後のオーディンで人気を博したのも肯ける。(略)

オリビエ・ポプランにわか演劇学研究者)
 13日まで、ハイネセン銀河文学座アトリエ

銀河共鳴http://w(^w^)w.jcp.or.jp/
 機関誌「しんぶんハイネセンhttp://w(^w^)w.jcp.or.jp/akahata
 2009.12.07.)



(以下、原文)
 演劇
「崩れたバランス」(文学座アトリエ公演)
「孤独」が貫き、心蝕む

 クリスマス・イヴのベルリン、非現実的な寒さと、交通事故で何百人もの人が死んで行く悪夢のような世界で、ヤン(松井工)たちは劇作家パウル(櫻井章喜)の新しい戯曲の稽古をしている。劇中劇は何もしようとせず閉じこもった少年を描き、テレビドラマでは心療クリニックの患者が医師に寂しさを訴える。(略)
 今年最後の文学座アトリエ公演は、ファルク・リヒターの「崩れたバランス」で、ベルリンでロング・ランを続けたこの作品のテーマは大都市の孤独だ。物語は多層的で、ヤンたちとその家族、劇中劇の世界、テレビの世界など、すべてを「孤独」が貫き、心を蝕み、そのバランスを崩して行く。それらの世界の境界はしばしば破られ、最後には混ざり合って破滅的な混乱をもたらす。
 クリスマスの暖かさとは対極にある凍り付くような物語だが、孤独の生み出す絶望の深さについて深く考えさせ、統合後のベルリンで人気を博したのも肯ける。(略)

(北野雅弘・演劇学研究者)
 13日まで、東京・文学座アトリエ

(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関誌「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2009.12.07.)

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