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 米軍横須賀基地13号バース浚渫
 汚泥 陸のどこへ
 法律に照らし全容公開を

 神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地13号バースの浚渫(しゅんせつ)工事が11月27日から実施されています。原子力潜水艦が着岸・停泊する13号バースを、大型の原子力艦船が出入りできるようにする機知強化の問題とともに汚染された土砂1700立方メートルを米側が秘密裏に処分しようとしており、市民団体は全容の公開を求めています。


 市民団体

 米側は工事目的について「たまった土砂を除くための維持浚渫だ」といいますが、横須賀市の基地対策課担当者は市民団体の担当者に対し、米側が「やや大型の原潜のためのもの」と説明していると答えています。
 これまで大型原潜のシーウルフ級は、原子力空母不在時に12号バースに入港していました。大型のバージニア級は13号バースに入港していません。
 23日には原子炉2基を持つ原子力空母を含め原潜パサデナなど原子力艦線3隻が出入港しました。原子力艦船の横須賀基地滞在の延べ日数は年間最多記録を更新中で300日を超える見込みです。空母配備に伴い、原子力艦船の原子炉修理に関係する施設(台船)が接岸し、陸上には艦船に冷却水を供給する純水製造施設や発電所が整備されるなど機能強化が進みました。
 「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」の呉東正彦弁護士は「浚渫はシーウルフ級やバージニア級原潜の着岸を可能にし、空母停泊中でも原潜が入港できるようにするもの。原潜入港や滞在日数が増え、放射能事故の危険が増大する。基地機能の強化で市は反対すべきだ」とのべています。


 汚染物質が拡散

 浚渫工事のもつもう一つの問題は有害な汚染物質の拡散、処分です。同基地周辺のヘドロ、海水にはダイオキシン、水銀、ヒ素など検出され基地周辺のハゼには奇形がみられます。
 これまで12号バースの浚渫では汚泥を海洋に投棄していましたが、今回の工事について横須賀市の基地対策課担当者は「陸上で処分する。横須賀から船で土砂を川崎に運ぶ」ことを明かしました。
 しかし、米側は日米地位協定をたてに基地水域の環境アセスを行わず、独自に行った土砂の調査結果などを公開していません。呉東弁護士は「米軍は汚泥調査の結果や処分方法、場所などを公開して廃棄物として日本の法令に照らして適合するかを説明するべきだ」としています。

(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関誌「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2009.12.02.)

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