(今日の・5)
きょう放送/試写室
社会正義実現の勇気問いかけ
たったひとりの反乱
“食品偽装”を告発した男
NHKテレビ 午後10:00
3年前、日本を震撼(しんかん)させた北海道の食肉加工会社「ミートホープ」のひき肉偽装事件。会社は倒産し社長は懲役4年の実刑判決を受けたが、事件が明るみに出たのはある男性の内部告発からだった。その人物を主人公に、当時のニュース映像も交えた再現ドラマである。
男性の名前は赤羽喜六さん(現在73歳)。ホテル営業マン一筋の実績を見込まれてスカウトされ、マーケットを全国規模に広げた。ところが豚肉を牛肉と表示して出荷する。廃棄処分の肉を塩素に漬けて殺菌し、血液製剤で赤色をつけるなどワンマン社長の偽装工作は止まらない。これをやめさせるには行政処分しかないと赤羽さんは、実名で告白に踏み切った-と書くと一直線だが、実際には告発を受けた保健所や警察もマスコミも、会社の反撃を恐れて摘発を尻込みした。結局朝日新聞が、肉が牛か豚かDNA鑑定にかけるという方法で一面トップで取り上げ、ようやく大きな社会問題となったのである。
会社の倒産という大きな代償を払っても社会正義実現の勇気が持てるか。きびしい問いかけである。
(諫山 修 ジャーナリスト)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
機関誌「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
2009.12.01.)
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