できれば解雇は避けたい。
2009年10月4日 労働/対価 +( 因果 応報 )(091122未明入力)
赤旗 電話相談
年金・社会保険
従業員の首切り避けたい
中小企業に助成金あるのか
私は中小企業の経営者です。景気が悪いので、従業員を解雇しなくては経営が難しいのですが、できれば解雇は避けたいと思っています。小さな会社でも利用できる助成金があると聞きました。どのような制度ですか。
(大阪府・K夫)
回答者 社会保険労務士・長谷川陽子さん
長谷川 厳しい雇用情勢に対応するために、雇用保険に加入している事業主むけに創設された「中小企業緊急雇用安定助成金」という制度です。景気の変動などで売り上げが減り、事業を縮小しなければならないような場合に、従業員を退職させるのではなく「休業」を行う事業主に、助成金が支給されます。
--休業というのは一時的に休ませることですか。
長谷川 そうです。事業主の都合で労働者を休ませるのですから、労働基準法により平均賃金の60%以上を「休業手当」として支給する義務が生じます。そこで、事業主の負担を援助する仕組みがこの制度です。
主な支給用件は、
①雇用保険に加入している事業主であること
②売り上げまたは生産量が5%以上減少するか、赤字であること
③従業員が休業した日や休業した時間に対し、休業手当を至急していること、
などです。
この制度は従来、支給要件が厳しく提出書類も多い、手間のかかる助成金でした。しかし昨年秋以降の不況の影響で、支給要件の緩和や支給額の拡充が行われました。
中小企業主でも制度を活用し始めたので、対象となる労働者数は、2008年7月の約2400人から、今年7月では約243万人と急増しています。
--利用する場合の注意点は?
長谷川 対象となる従業員が
①雇用保険に加入していること
②解雇予定者でないこと
③日雇い労働者でないこと
などです。
ほかの助成金と重複できない場合があります。
ーー助成金の額はいくらですか。
長谷川 休業手当として補償される率(労使協定で定める)によりますが、中小企業の場合は、休業手当額のおおむね5分の4となります。また解雇等を行わない事業主へは10分の9になる上乗せ要件もあります。
ぜひこの助成金を活用して、経験豊かな人材の雇用継続を図ってはいかがでしょうか。
詳しい手続きは都道府県労働局か、ハローワークにお尋ねください。
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
機関誌「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
2009.10.04.)
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