(091009入力)
 長期被爆の実態を科学的に

 旧ソ連時代、巨大な核実験場があった中央アジア・カザフスタンのセミパラチンスク。1949年から91年まで450回の核実験がくり返され、大量の放射性物質がまき散らされた。カメラは実験場から100キロ以上離れた二つの村に今も残る後遺症の実態を伝える。
 どちらのケースも死の灰による長期被爆である。土壌の残留放射能を何十年も浴び続け、あるいは汚染された井戸水や作物でがんや心臓病にかかる。世界で唯一科学的調査ができる現地で調査を続ける広島大学の星教授によると、この60年間に村人が浴びた放射能は、爆心地から1.6キロの放射能に匹敵するという。旧ソ連は、この脅威に気づいており、周辺住民2万人の健康調査を30年間続けていた。カルテを分析したドイツ放射線防護庁の科学者は、死の灰とがんに因果関係ありと結論づけている。
 映像とともに次々に提示される科学データは説得力十分である。
 ちなみに64年前の今日、広島でも、原爆投下直後に周辺の町に降った「黒い雨」から放射能が検出されたが、国は公式には人体への影響を認めていない。

(諌山 修 ジャーナリスト)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/
 機関誌「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
 2009.08.06.)

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