新冠のユースホステルは海のすぐそば。
 排水は直行で垂れ流し。
 だから、

 合成洗剤が禁止だった。

 中学の時に新聞で『複合汚染』は読んでいたけれど、
 母はまったくそういうものに無理解で、
 「生協? 何分かかると思ってるの、遠いのよ!」と
 カガクブッシツの入っていない食料を買ってほしいという私の要求を
 つめたくあっさりはねのけた。

 高校へ行っても、
 専門学校へ行っても、
 社会に出て働いても、
 それまで、
 私にその話を、理解と共感をもって語ってくれる人は

 一人も、

 いなかった……。


 けれど。
 新冠には、その害のことを書いた本があった。
 そして。

 食べ物の、話も……。






 治る。

 直せる。




 帰京した私は、
 たべものを探した。
 このボロボロになった体に活力を返してくれる、
 
 にせものでない、
 本当の食べ物を。



 ……………………転機は意外に簡単に
 すぐ、ご近所にころがっていた。
 それまで仕事で疲れて遅くに帰る
 ただ真っ暗だと思っていた道に。

 仕事をやめて貯金を調べて

 「あと半年なら生きられる」

 そう思ってただぶらぶらと
 必死の決死の覚悟で「なまける」と決めた私の

 いつもの買い物とお散歩コースに
 実は有ったのだ。週3回
 有機農産物を売る、
「障害者」のお店が……。






 資料をもらって、芋蔓式に、あっちへこっちへイベントへ。
 それまで私は間違っていた
 働いて稼いで食べて貯金して
 いつか金持ちになるのが正しいと
 そんな方向を目指していたが。

 そうじゃない。
 そうじゃないんだ……。





 目が、さめた。
 そして
 目が、見えるようになっていた………………。





(まだ、人よりはかなり劣りまくっている視力ではあるけれど。)



コメント

どん太
2009年9月30日16:15

おお、そんな若い頃だったんですね!

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2009年9月30日16:25

 そうなんです。
 でも、本人の「つもり」としては「まだ若い」んですけど☆

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