(090807朝入力)
朝の風
済州4・3事件の記念館
韓国・済州島の4・3平和公園を見学する機会があった。広大な敷地に4・3事件の実相を伝える記念館、沖縄の平和の礎を思わせる犠牲者の刻名碑をめぐらした慰霊塔、慰霊祭壇などがある。
1948年、済州島では南朝鮮だけの単独選挙による分断国家樹立に反対する武装蜂起が4月3日におこった。以後朝鮮戦争もはさむ7年余にわたる過酷な弾圧によって島民の約1割におよぶ2万5千人から3万人が虐殺された。それが済州4・3事件である。
同年8月の大韓民国樹立後、長く続いた独裁政権の時代には、この事件の実態は公に語られることなく封印されてきた。しかし、韓国の民主化運動が進むなかで、事件の真相究明と補償、犠牲者の名誉回復を求める運動がはじまり、20世紀末の金大中大統領の時代から実現にむかう。2003年には政府による「真相調査報告書」が作成公表された。廬武絃前大統領がはじめて公式に謝罪し、「真相調査報告書」んもとづく展示がなされている記念館は、昨年春完成したばかりである。
戦争の実態も責任もあいまいにされたままの日本を思うとき、記念館のスタッフの方が、この事件は国家と軍隊によるものですと明確に説明しておられることには、深い感銘を受けた。
(比)
(日本共産党 http://www.jcp.or.jp/ 機関誌
「しんぶん赤旗」http://www.jcp.or.jp/akahata
2009.08.04.)
コメント