(090702未明入力)
ちゃんこダイニング若
月300時間超す勤務、
残業記録改ざん…
労組結成で解雇
料理人 立つ
「安心して働き続けたい」と労組を結成した青年労働者を名指しで解雇-。大相撲元横綱若乃花の花田勝氏が昨年十月末まで代表取締役会長を務めていた会社の経営する「ちゃんこ料理店Chanko Dining 若(ちゃんこダイニング若)」で、まかり通っていた残業代不払いなどに納得できないと立ち上がったのは若き料理人たちでした。(浜島のぞみ)
同京都四条店の勤務はランチの仕込みからディナーのラストオーダーまで、午前十時から翌午前一時。「月三百時間を超す長時間労働で、体を壊す人も出ていた」とO本(※原文は実名)元料理長(31)はいいます。
昨年四月下旬、花田氏が代表を務めていた「ドリームアーク」の関連会社「NHO」とフランチャイズ契約を結んで同店を運営していた「ディバイスリレーションズ」は突然、労働条件変更を発表。基本給を減額し残業代四十時間相当を含む「手当」を支給するというものでした。
一目瞭然
O本さんは同年五月、残業記録の改ざんを発見します。勤務時間を各自がパソコン入力すシステム。外部からも入力でき、修正すると色が変わります。大幅に残業代が減らされたのは一目瞭然(りょうぜん)でした。
「健康診断もなく、有給休暇もとれず、就業規則も各店に置かれていない。残業代のこと以外にも労働条件を改善したいと思っていました。歯車としてがむしゃらに働いてきたけど、改ざんというどうしても許せないことがきっかけで、会社と対等な立場で話し合おうと組合結成に至りました」とO本さん。
七月、他の店舗も含めたキッチンのスタッフ六人が加入して、全労連(略)労組ディバイス分会を結成しました。
申し立て
九月に初の団体交渉を行い、▽未払い賃金の支払い▽十月以降に労働条件を元に戻すこと-を合意しました。
しかし、九月末、直営店化によるドリームアークへの事業譲渡と解雇が通知されました。正職員約三十人とアルバイト職員は雇用を継承されましたが、労組員と組合とともに残業代を請求した計七人は不採用になりました。
四歳の子どもがいるO田さん(36)(※原文は実名)は、「ドリームアークでは残業代は支払わないが、納得できるのか?」と問われ、納得できない意思を示すと二度目の面接で「会社の方針に合わない」と不採用になりました。
労組員ら七人は昨年十月、過去二年間の未払い残業代約千八百万円の支払いを求めて京都地裁に提訴しました。
十一月には、O本さん、O田さんらは京都地裁に地位保全と賃金仮払いの仮処分申し立てをおこない、労組として京都府地方労働委員会に職場復帰を求める救済命令申し立てをしています。
O本さんは二年間を過ごした社員寮を追い出され、実家に戻りました。「労組を悪とみなす会社の態度は納得できない。従業員の残業代を削っている安い店、それは本当の繁栄ではないと思うようになりました。料理が好きだから、というだけの理由で(料理人を)続けられるようにしたい」
(「しんぶん赤旗」2009.01.20.)
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