雇い止めは解雇と同様。……【整理解雇4要件】。
2009年3月22日 労働/対価 +( 因果 応報 )(090702未明入力)
法律
回答者 弁護士 佐々木 亮 さん
契約社員として10年勤務
更新できないといわれた
大学を卒業してから今の会社で契約社員として10年働いてきました。上司から「会社の売り上げが落ちているから、次の契約更新はできない」といわれました。私は今の会社で働き続けたいのですが…。(埼玉県 K雄)
佐々木 契約社員であっても契約が何度か更新されてきたような場合、契約期間が満了したからといって会社側が簡単に契約を切ることはできません。
その場合の雇い止めは解雇と同様に考えられ、客観的に合理的な理由および社会通念上相当であることが必要となります。(解雇権濫用法理)
そして、業績悪化を理由とする雇い止めは、正社員を整理解雇するときと同じ要件(整理解雇4要件)が必要になります。
この要件を満たさない解雇は無効になります。
--契約の更新回数に決まりはあるのですか。
佐々木 決まりはありませんが、回数は多いほど労働者にとって有利です。
また、契約更新時に書面を作っておらず、黙示の更新を繰り返していただけなど、実質的に「期間の定めのない」契約とほとんどかわらない場合も解雇権濫用法理が適用されます。
--同僚は更新したことがありません。彼も契約更新できないといわれたのですが…。
佐々木 更新実績がなくても、契約時に更新が当然予定されている場合は同じように考えてよいでしょう。たとえば契約書に「更新あり」と記されている場合などです。
また、過去に更新拒否の例がなく、周囲の人たちは皆、更新されているような場合も、更新実績がなくても同様に考えることができます。
まずは労働組合へご相談ください。ほかにも、各地の労働局が設置している総合労働相談コーナーや弁護士など、相談場所はたくさんあります。
裁判をする場合は、3回以内の審理で結論を出す「労働審判制度」も活用できます。
【整理解雇4要件】
①人員削減に十分な必要性がある
②解雇を回避する努力義務を十分に尽くした
③解雇対象者の選び方が公正・妥当である
④説明・協議手続きを尽くしている。
(「しんぶん赤旗」2009.03.22.)
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