千の風。
2008年9月7日 ★【 戦争 反対 】★ + ★【 圧政・強制 反対 】★ コメント (1)(※これを入力しているのは10月1日午前5時45分~。私事に追われて追悼が遅くなってしまいましたが、逆にいえばちょうど「四十九日」の法要代わりになるでしょうか……。ってことで、「写経」のかわりに追悼記事をアップしておきます……。)
子らの笑顔の写真残し
アフガニスタンで犠牲になった伊藤さん
アフガニスタンで長年、農業指導に従事してきた非政府組織「ペシャワール会」のスタッフ、伊藤和也さん(31)が誘拐され、遺体で発見されました。この事件は日本国内のみならず、アフガニスタンの地元でも大きな衝撃をもって受けとめられました。
ペシャワール会事務所のあるアフガニスタン東部のジャララバードで8月28日に行われた葬儀には、地元の長老や州政府高官など600人が参列しました。葬儀では伊藤さんへの感謝や事件への怒りが表明されました。
伊藤さんが誘拐されたときも、村人が警察に通報し、千人もの人たちが犯行グループと警察の後を追い、葬儀にも村人数千人が参列を希望したといいます。
伊藤さんが現地で撮影した写真は、普通、同国で外国人が撮影するとトラブルになることが多い子どもたちや女性を被写体にしたものがたくさんあります。公表したペシャワール会は「伊藤さんが現地に溶け込み、信頼されていた証し」と話しています。
和也さんの父正之さん(60)は、ペシャワール会の後藤哲也会長が事件の経過を説明した後の会見(8月28日)で「現地の方が捜索してくれたのは、和也のやってきたことが認められたということだと思う」と語りました。
ペシャワール会は1991年にアフガニスタンに最初の診療所を開設して以降、井戸の掘削や地下水路の修復、用水路建設事業や農業支援を手がけ、人々から高く評価されてきました。そのペシャワール会ですら狙われるのがアフガニスタンの現実です。
ところが、福田内閣は事件の教訓を学ばず、、「テロとのたたかいの決意を新たにしている」(高村正彦外相)として、インド洋での米軍などへの支援継続の方針です。
ペシャワール会の福元満治事務局長は会見で「アフガニスタンの秩序は、武力が介入することで壊れたのだから、違う形での関与の仕方を『平和国家日本』として考えるべきだと思う」「現地で日本に対する親近感が減って、アメリカの同盟国としての比重が重くなっていると思う」と指摘しました。
対話の相手 見えない状況
ジャララバードに事務所を置き、アフガン人スタッフが医療支援を行っている日本国際ボランティアセンター(JVC)の谷山博史代表理事に聞きました。
日本国際ボランティアセンター(JVC)代表理事
谷山 博史さん
治安は、03年のイラク戦争開始前から徐々に悪化してきました。タリバンやヘクマティヤル派などの武装勢力は、国連やNGOの外国人はアメリカとアフガン政府の手先であり、攻撃するという声明を03年1月に発表していたのです。そんな中で私たちは状況に応じて安全対策を見直しながら活動してきました。
05年末に、南東部カズニ州に異動した元スタッフは、地元のタリバン司令官から「あなたたちの支援に村人に代わって感謝する。しかし、私たちならいいが、外からきた武装勢力はとても危険だ」と忠告されたといいます。
一口にタリバンといってもさまざまで、いまや統率不能になっている可能性があります。現状では誰と対話すればよいのか、相手が見えない状況です。
米軍支援の切り替えを
日本共産党の志位和夫委員長は8月29日放映のCS放送のインタビューで、「殺害に心から憤りを感じる」「現地の人に本当に望まれていた農業支援、民生支援で奮闘していた青年が亡くなったことは本当に痛ましい」とのべました。
志位氏は事件の背景として、治安が最悪の状況になっていると指摘。アフガニスタンで活動する非政府組織(NGO)の調整機関ACBAR(アクバル)が8月1日付の声明で「紛争を軍事的手段によって終わらせることはできない」として、「持続可能な平和を達成するための一連の措置が必要」とのべていることを紹介しました。
志位氏は「民生支援と和平構築のための政治的解決に切り替えなければ、アフガニスタンの現状は絶対に好転しないと、現地で一番苦労されているNGOの方々が共同の声明で訴えていることは大変重い」と強調。「日本政府が米軍の武力行使を応援するための給油活動をつづけることに固執することは、現地の求めるものとも全く違った方向だ」とのべました。
(『しんぶん赤旗/日曜版』2008.09.07.)
コメント
ビジュアルイメージ:
中村 哲 医師 > ヤン・タイロン
谷山 博史 > ヤン・ウェンリー
志位 和夫 > チュン・ウー・チェン
伊藤 和也 > パトリチェフ
……で、お送りいたしました……☆(^^;)”☆