正社員の道 切り開くぞ
山口 ローカルユニオン宇部の3人
山口県の小さな労働組合で、大きなたたかいが起こっています。突然の雇い止め通告(解雇)を受けた3人の労働者がおかしいと声を上げています。嶋崎善数さん(39)と2人の27歳の男性は、「会社は約束通り正社員に」と求めています。
長谷部秀昭記者
嶋崎さんたち3人が働いているのは日鍛バルブ(本社・神奈川県秦野市、従業員約800人)の山陽工場(山口県山陽小野田市)。同社はエンジンバルブの製造でトップレベルの技術を持ち、トヨタやホンダ、マツダなどに製品を供給しています。
3人が働き始めたのは04年11~12月。派遣として3年以上、同じ職場で働いてきました。それが今年3月、突然「契約は更新しない」と通告されました。
“なぜだ、納得できない”。解雇通告を受け、そんな思いでいたとき、宇部地域労連の労働センターをインターネットで見つけました。即、ローカルユニオン宇部に加入。嶋崎さんは正社員化を求めてたたかう決意をします。
2度目の解雇
組合に入って初めて知ったのは、最初の雇用契約は「請負」だったこと。キャノンなどで問題になった違法な働かせ方の偽装請負だったのです。途中から「派遣」に切り替わっていました。
3月の団体交渉の結果、会社は直接雇用の期間社員として半年間の雇用を約束。仕事は同じで、期間終了後については継続協議になりました。しかし、会社は3人の職場を検査部門に買え、10月13日での雇い止め(解雇)を一方的に通告(9月4日)してきました。
ローカルユニオン宇部の松富豊委員長は、「声を上げた労働者はいったん期間社員にして首を切る、キャノンなどと全く同じやり方だ」と批判します。
許せないこと
「僕たちの仕事はバルブの表面処理加工。一定の熟練が必要で、危険な作業もある」という嶋崎さん。だから今でも、何かあると、元の職場に呼ばれます。
しかも派遣の時代には契約にはない仕事もこなしてきました。
工場のラインが止まる休日の翌朝は、4時に出勤し、工場の立ち上げ作業をやっていました。労使協定で正社員は出勤できない時間だからです。
嶋崎さんが許せないのは、最初の雇い止め通告(3月)とその理由でした。
当時、ライン改良にともなって続出したトラブル。社員と一緒になって処理に追われました。3月はやっと安定した時期でした。
新ラインの稼動で生産は増え、作業者の負担も増えました。他の部署からの応援でカバーしているのに、会社は作業者が少なくてすむことを解雇の理由にしたのです。
「正社員にするという約束もあって、会社のいうことはなんでもこなしてきたのに使い捨てとは」と怒りはおさまりません。
ローカルユニオン宇部は16日に本社に出向き、解雇撤回と正社員化を求めて団体交渉、神奈川県と山口県の労働局にも会社への指導を申し入れています。
雇い止め期日の直前に開かれる全国青年大集会に仲間4人で参加する嶋崎さん。
「請負から直接雇用になって、正社員化を実現したケースもあると聞いています。集会では全国のたたかいに学んで、正社員への道を切り開きたい」
(『しんぶん赤旗』08.09.28.)
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