(1) (1984年12月1日?)
2017年8月25日 リステラス星圏史略 (創作) コメント (1)" エスパッション "シリーズ vol.0
ブラインド・ポイント -後編-
…う~~~、うええ。
気分わるーーーーーー…
ぼんやりと正気づくとロルーが至近距離でのぞきこんでいた。
ちょっとォ。
背景(バック)は見慣れない広い部屋。
あたし………
どうしたんだっけ?
「やれやれ。ちょうど居合わせてて良かったよ。怪我人(かんじゃ)の安売り日かね?今日は」
「すみません、ドク。お手数をおかけしまして」
それじゃ。と声をかけて誰かが去っていく。
………ああ。
たしか、撃たれて宇宙服が。
そのあと船殻を包むバリアの輝きがやたらまぶしくて、それから、
…そうだ。
サキたちは、無事かしら!?
「…う、…」
まだ言葉は口のなかで声にはならず。
「アリー? 大丈夫ですか?」
「ぐぅ~。………」
腕時計(クロノメーター)に目をやると4分以上は空気(エア)無しだって事になるもんねえ。
吐き気がする、くらいで済んだのは、はっきり言って幸運(ラッキー)だったけど。
(自覚ないだけで案外、脳味噌ばかになってたりして。)
体のコンディションを確かめる。
ん、OK。
骨折なし。挫傷なし。とりあえず、生きてる。
「アリー」
心配そうな…
とても、なんていうのか、気遣わしくてならないとでもいう風な、ロルーの蒼い顔の黒い眼と、ふたたび瞼をあけるとモロにかちあってしまった。
「………じょぶ。」
手をぱたぱたと不って唇のはしを無理につりあげて見せる。
あ~ダメだこりゃ。やっぱ頭、やられちゃった………みたいな。
このロルーの表情(かお)がマジで優しげに思える、だなんて。
「…地球人ときたら本当に…」
ためいきをついて黒い眼で微笑って。
じとり頬にはりついていた前髪をそうっと、長い指がはらいのけてくれた。
「普通なら仮死状態で、集中医療管理(M.C.C.)による蘇生措置が必要なところですよ? それを強心剤(カンフル)一本で立ち直ってしまうんだから、あなたは。」
すいませんねぇ野蛮人で。
「応急処置がよろしかったんですわ。リスタルラーノで口移し(マウス・ツー・マウス)の人工呼吸法を御記憶のかたがいらっしゃるとは思いませんでしたけれど。」
おだやかに声をはさんできたのは、例の、先刻サキと話していた映話機(ヴィジホン)の金髪美女だった。
…ところで? マウス・ツー・マウス………?
…げっ!?
「…わ。そんな顔しないで下さいよ。しかたないでしょー、あの場合。」
う~~~ぐるるるるる…っ
「まぁ役得ではありましたが。」
! このっ!
すこぉし、優しいかな、なんて、見なおしててやればっ
こいつ、もういつものぬらりひょんなんじゃあないのッ!!
…
コメント
トクホンの
白さ冷たし
今日師走。
なんて書いてあるので、12月1日。のようですね…?
(^^;)
(ちなみにトクホンは、この原稿「すべて手書き」なので…
右腕の腱鞘炎対策で、常時複数枚、貼りまくってました…☆)