https://www.youtube.com/watch?v=NMQh-rhWaz8
Pirates of the Caribbean Soundtrack Compilation
  ↑
(前項参照)(ヤケ★)


http://85358.diarynote.jp/201708172228354913/
(Act.3)の続き。
  ↓


 その後を追うようにあたし達も外へ出る。

 広がる空間にかすかにきらめくソルテーン粒子の流れが迷いこんできて、


 …サーーーーーーーーーー……


 通信機は本当に使えなくなった。

 あたしが無駄になるエネルギーのスイッチを切ろうとすると、くい、と指で呼んでサキのヘルメットが接触して来た。

# レイがバリアを修理(なお)しちまえば電波状況もよくなる筈なんだ。回路は開けっ放しにしといて。 #

# オーケー。 #

 多少ならず疑問な点もあるのだけど、指揮権は任せたんだもんね。

 従うわよ?

 素速くささやきかわして離れる。あたしは非常に、とっても、はなはだ不本意ながら、同じことをロルーに伝達するべく顔を寄せた。

 ……う~~~っっ。

 こんな奴と、至近距離で、お見合いしたくはないのよあたしは絶対にっ!

 言うだけ言って体をひねりかけると太い腕があたしのウェストに廻って引き戻し、

# 了解。わかりましたよ #

 わざわざそう一言、応えてよこして黒緑色の眼の片方をつむった。

 …え~~~~ぃウィンクする男だなんて、気色の悪いっっっ!

 メット正面に肘鉄を喰らわせておいて先行したサキを追う。

 ばっ!!

 …火線が走った。



 ………お~~~いちょっと待ってよ。

 こら! 遮蔽物の無い人間を狙い撃ちするなとゆーのにっ!



 あたしは姿勢制御を滅茶苦茶に動かして逃げた。

 サキやロルーもやはり器用にくるくる回りこんでよけている。

 視覚的にも霞がかかったも同然なソルテーンのなか、そうそう正確に狙いが定まるもんでは……

 判っていたって気持ちのいいもんじゃないわよお!

 ひええ★

 前方数10m、彼らはこじ開けきれない一見やわらかそうな船殻を放棄して、こちらに注意を向けたばかりだった。

 ロルーが出て来た戸口へ戻ろうと移動を始める。

 確かに現状はあまりにも不利ですもん、常識的に考えて、ま、あたしもそうるしかないかと。

 ところがサキはついて来ようともしない。

 やっぱり子供(しろうと)、常套手段(セオリー)ってもんが解ってな……

 慌てて引き返して呼ぼうとした時だ。

 腰のベルトの何かを操作した、と見る間にサキの気密服が虹色がかった銀光色に輝きはじめ、

 光の輪は、広がり。

 少女の体をすっぽりと覆った。

 次の瞬間、その球体は目に見えなくなった。

 なにもなくなってしまったのだ。

(きゃあっ!)

 伸ばしかけていた腕をなにかにいきなり引かれて、あたしは危うく悲鳴をあげるところだった。



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