( act.1 )
2017年8月17日 リステラス星圏史略 (創作)
https://www.youtube.com/watch?v=L7m61Em4A5k
TRADITIONAL AFRICAN Music FOLK Music INSTRUMENTAL for Relaxing Studying & Ambience
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あんまり話の雰囲気とは合ってないかも★
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"エスパッション" ・シリーズ Vol.0
ブラインド・ポイント!
-連載第2回-
by遠野真谷人。
「…たしかに海賊の仲間じゃない、てのだけは本当らしいけど。
だからってそれよりマシなもんだとも思えなくなってきたわ。」
あっさりと宇宙海賊(プロ)の偵察部隊7人を爆殺(かた)づけてしまったその手際のよさに内心で舌を巻きながら、あたしはあくまでも軽く、 ではあるけれども、先刻のお返しとばかり、サキに銃口をつきつけかえしていた。
「あはは。」
灰色髪の少女は銃など気にもとめず平然と笑ってのける。
「 離しな。」
言ったのはレイだ。
物騒な金色の瞳で睨みつけながら、コンコンとばかりに人のヘルメットを銃身で叩いた。
…シューーーッ
鈍い音がしてエア・コンディショナーから一気に暖かい濃い空気が流れ出す。
…まったく驚いた娘たちだわね。
低圧馴化だけでなく、これだけの急激な気圧変化にまで、なにごともなかったように耐えられる、なんて。
実は秘かに一瞬のスキを期待していたあたしとしては口惜しがるというより呆れた感覚で、標準気圧まで酸素が補給されるのを確かめてヘルメットをはずし、大人しく腰のホルスターにショックガンを戻した。
「…冗談よ………あくまでも。」
めいっぱい友好的な、極上の笑みを顔には浮かべて。
「とりあえず休戦協定を結びましょうよ。敵は80人乗り組みの歴戦の海賊船なのよ。この基地いは、戦力いなりそうな人間はどれくらい居て? こっちは9人だけなのだけれど、作戦行動に慣れているから…」
「7人だろ。さっき、あたしが2人たおした。1ヶ月は使いものにならんぜ、あれは。」
ぐっ。
…だめだ。相手はガキなのよ。ここで怒っちゃいけない…
とは思いつつ、腹が立つじゃあないの。
そりゃ確かに、先に海賊の仲間かと早トチリして攻撃を仕掛けたこちらが全面的に悪いわよ。
だけどねぇ。
レーダーから通信機からすべてが使用不能、肉眼に頼るしかないっていうこの危険至極な盲目宙域(ブラインド・エアリア)で、ことさらに不可視スクリーンまでおろして人の鬼ごっこ(カーチェイス)の進路上にうずくまっていた、そっちは何だって言うのよ。
そうまで身を隠されたら何か後ろ暗いところがあるんだって思ってしまうのは、警部として当然のことでしょうが。
人の科白にわりこむ礼儀知らずなレイは極力黙殺してやることに決めこんで、まだ少しは物の解っていそうなサキに、焦点を合わせた。
「あと40人も銃の扱えるのが居てくれれば、指揮はあたし達がとれるわ。
なんとかなると思うのよ。」
「…残念だけど。」
再度あたしをさえぎって少女(サキ)はにっこりと皮肉に微笑んだ。
「わたしら2人だけだね。この船の番犬は。」
「そんな… まさか!」
いくらリスタルラーナ社会は地球圏よりも治安がいいからって、犯罪件数がゼロってわけではないのよ!
孤立した宇宙基地であればなおさら、いざって時のための戦闘力くらい確保しておくものでしょうが。
それを…
この船は、いったい 何 なの?
さっき見た多すぎる数の無防備な子供達といい。
…子供たち。
…海賊は80人。
「こりゃあ、キツイなァ。」
人の心配を知りもせず、実にのほほんと特務部隊員のロルーは言った。
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